『FUNNY BUNNY』特集|中川大志×岡山天音が相棒役で共演、閉塞感漂う今こそ届けたいメッセージが詰まった怒涛の痛快シニカルミステリー!

FUNNY BUNNY』特集

FUNNY ​BUNNY
『FUNNY ​BUNNY』 (C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

2012年に上演され大いに話題となった、飯塚健監督のオリジナル戯曲を映像化した映画『FUNNY BUNNY』が4月29日(木・祝)より全国の映画館とauスマートパスプレミアムにて同時公開される。ウサギの着ぐるみによる【図書館襲撃】と【ラジオ局の電波ジャック】。この2つの事件に隠された謎と悲しい真実が明かされた時、おかしくて、切ない物語は加速する。

映画『FUNNY BUNNY』は、映画『ステップ』『虹色デイズ』『荒川アンダー ザ ブリッジ』など、バラエティーに富んだ作風で知られるマルチクリエーターの飯塚監督によるオリジナル戯曲が原案。2007年、新宿SPACE107で上演された舞台版では、「現在、2年後、4年後」と時空を軽やかに移動する秀逸な構成と、謎が謎を呼ぶ展開、一見関係がなさそうなことが緻密につながるプロットが演劇ファンを熱狂させ、全公演がSOLD OUT。上演中から再演、映像化の問い合わせが殺到するほどの大人気を博した。2015年には朝日新聞出版にて飯塚監督自らの手によって小説化され、このたび満を持して誕生した映画版では、舞台の設定を変更。大胆な構成のもと、音楽と映像による総合芸術作品へと進化を遂げている。

◇【図書館襲撃】と【ラジオ局の電波ジャック】を軸に繰り広げられる痛快なストーリー

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『FUNNY ​BUNNY』 (C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

映画は、愛くるしいうさぎの着ぐるみに扮した2人組の男が、閉館後の図書館に「強盗」に入るところから幕を開ける。うさぎたちの目的は「絶対借りられない本」を見つけること。館内にいた司書と利用者2人を手際よく拘束するが、帰る機会を失った女子大生が館内に潜んでいたことであっという間に形勢は逆転。図書館司書らに捕らえられてしまった「うさぎ」こと、自称小説家の剣持聡と漆原聡は、「絶対に借りられない本の中に、宝の地図が隠されている」と白状する。そこに秘められた驚愕の真実とは……!?

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『FUNNY ​BUNNY』 (C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

そして月日は流れ、図書館で出会った5人は、ラジオ局を「襲撃し、電波ジャックする」という、またしてもとんでもないミッションを遂行する羽目になる。剣持の口から語られたのは、まったく売れなかったバンドと幻の名曲に秘められた哀しい真実。果たして無事にクリアできるのか……?DJブースのマイク前に立つバンドによる、最後の曲が流れ始める──。

◇「細杉くん」&「一休ちゃん」が相棒に!?

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『FUNNY ​BUNNY』 (C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

「自殺志願者を見分けことができる能力」を持つ、アクの強い主人公・剣持役を演じるのは、『虹色デイズ』や『坂道のアポロン』ほか、数々のドラマや映画で着実に経験を積み、2019年のNHKの朝ドラ「なつぞら」で国民的人気を獲得した中川大志。auのCM「意識高すぎ!高杉くん」やNHKのバラエティー番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」ではコミカルな一面も披露し、公開中の映画『砕け散るところを見せてあげる』で見せた体当たりのヒーロー像も、大いに話題となっている。

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『FUNNY ​BUNNY』 (C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

剣持の相棒・漆原役には、映画やドラマ、舞台で独自の個性を発揮し、auのCM「三太郎」シリーズにも「一休ちゃん」役で出演する岡山天音が扮するほか、関めぐみ、落合モトキ、田中俊介、森田想、レイニ、ゆうたろうら、勢いのある若手俳優が集結。さらに、現在フジテレビ系列で放送中の連続ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」にも出演中の「東京03」の角田晃広や、名バイプレーヤーの菅原大吉らが脇を固めている。

◇アツい信頼関係があるからこそ異例のスピードで実現した運命的な1本!

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『FUNNY ​BUNNY』 (C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

昨年の11月に企画が立ち上がり、なんとそこからわずか2ヶ月後の今年1月にクランクインするという、驚くべきスピードで誕生した本作。これまでドラマ、舞台、PVなど様々な分野で、数々の面白い企画を手掛けきた百戦錬磨の飯塚監督ですら「映画は最低半年は準備するもの。これはさすがに異常事態」と驚くが、「デビュー作からずっと一緒にやっている宇田川(寧)プロデューサーからの提案だったからこそ、実現できたこと」だと説明。さらに「話をいただいた帰り道には(中川)大志君に『『FUNNY BUNNY』をやることになったんけど、年明けスケジュール空いてる?』みたいな感じで、電話をかけていた」と明かす。「もちろんこんなに忙しい俳優のスケジュールが空いてるわけないんだけど(笑)、それでもどうにかなったということは、これはこのタイミングでやれってことなんだなと思った」と監督が話すように、まさに運命に導かれるかのような奇跡的なタイミングで生まれた作品なのだ。

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『FUNNY ​BUNNY』 (C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

先述の通り、本作はもともと飯塚監督によるオリジナルの戯曲で、小説にもなっている「FUNNY BUNNY」が原案。飯塚監督とは、ドラマ「REPLAY&DESTROY」や映画『全員、片想い』『虹色デイズ』、ライブエンターテインメント「コントと音楽vol.2」といった作品で何度もタッグを組んできた中川は、「すでに数年前に監督からこの小説をもらって読んでいた」というが、「読んだときから『こうあって欲しい』という明確な“剣持像”が頭の中にあり、「まさか自分が剣持役をやる日がくるとは思っていなかったので、そのイメージを体現できるか不安だった」と明かし「初めてうさぎを被って図書館に立った時、あぁ本当に実現したんだと実感し、剣持と一つになれた感覚がありました」と感慨深げに語る。

◇若手実力派俳優たちが、まさかの「着ぐるみ」姿で熱演!

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『FUNNY ​BUNNY』 (C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

そんな中川が「何より大変だった!」と振り返るのが、まさに映画の冒頭に登場する、剣持と漆原がうさぎの着ぐるみを被ったまま、夜の図書館を全力疾走するシーン。通常、顔が見えない場面はスーツアクターが演じてもおかしくないような気がするが、若手の中でも群を抜く演技派俳優として知られる中川大志と岡山天音が「あえて自ら演じている」というところも、まさに本作の大きな見どころのひとつなのだ。

「現場で天音くんとうさぎを被って初めて芝居をしたときに、お互いに何を言ってるのか全然聞き取れなくて(笑)。『これはもっと声を出さないと聞こえないね』みたいな感じで、かなり試行錯誤しながらやりました。視界もめちゃくちゃ狭いし、ああ見えて結構重いから、被ったまま走ると首が筋肉痛になるんです(笑)」「結束バンドで拘束する作業も、見えないから結構練習しました」「このうさぎ、機動性はあまり良くないんですよね(笑)」と、ラブリーな見た目とは裏腹に想像以上の苦労があったことを明かしている。そのしんどさは、普段めったに弱音を吐かないタイプの中川が、監督に「大丈夫か?」と声をかけられ、珍しく「キツいです」と言ったほどだったとか。

◇中川大志&岡山天音の表情豊かな顔芸にも注目!

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『FUNNY ​BUNNY』 (C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

とはいえもちろん「ずっとうさぎの着ぐるみのまま」というわけではないのでご安心を!シリアスな芝居からコミカルなコントまで変幻自在に演じきることができる中川が、超絶な早口で一気に畳みかける名言とともに見せる「喜怒哀楽」の表情も、全編にわたって存分に堪能できる。さらに、予告映像でも一瞬写し出されているように、漆原役を務める岡山天音との、アッと驚く“キスシーン”も大きな見せ場となっている。

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『FUNNY ​BUNNY』 (C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

撮影の合間、中川と岡山は台本の解釈について激論を交わすこともあったようで、その姿を目にした飯塚監督も「脚本に書いたことには全て意味があるが、これほど細部まで感じ取って演じることができる俳優たちは、この世代には他にいない。だからこそ現場でセッションができる」と太鼓判を押す。一方、中川も「監督は自分のキャパシティーではたどりつかないところまで連れて行ってくれる。だから毎回とても新鮮」と信頼を寄せる。

本作には、まさにそんな信頼関係の中でこそ生み出せる濃厚なエッセンスがにじみ出ており、エキサイティングな瞬間が何度も味わえるのも、映画版『FUNNY BUNNY』ならではの特徴だ。まるでレコードを【A面】から【B面】へと裏返すかのように、【図書館襲撃】から【ラジオ局電波ジャック】へと、時を越え、2つの事件がダイナミックに展開されていく──。

◇閉塞感漂う今こそ届けたいメッセージが詰まった怒涛の痛快シニカルミステリー!

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『FUNNY ​BUNNY』 (C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

うさぎの着ぐるみを被ったダークヒーローたちが、正義のために繰り広げる奇想天外な騒動によって、人生につまずき、暗澹たる思いを抱きながら日々を過ごす若者たちが、再び生きる希望を取り戻していく映画『FUNNY BUNNY』。主演を務めた中川自身も「この一年で考えたことや思うことなど、いろんなことをのっけて剣持に言わせました。いま気づいて欲しいメッセージが沢山詰まった作品になっているので、ぜひ観て欲しいです」と胸を張るほどの自信作だ。

「世界を救うのはいつだって、想像力だ」をモットーに生きる剣持が弾丸の勢いで吐き出す、「サルバドール・ダリの生い立ち」や「ニルヴァーナの足跡」などの様々なロジックを散りばめた、真似したくなるほどカッコイイ軽妙洒脱な“剣持語録”をはじめ、行きつけの中華料理屋「再見」の壁に貼られた「アイツ」「ドイツ」といった不可思議なメニュー札など、思わずクスリとしてしまうユーモラスな小ネタも満載!閉塞感漂うコロナ禍のいまだからこそ尚更心に響く、怒涛の痛快シニカルミステリーを見逃すな!!(文/渡邊玲子)。

映画『FUNNY BUNNY』は4月29日(木・祝)より、映画館&auスマートパスプレミアムにて同時ロードショー

(C)2021「FUNNY BUNNY」製作委員会

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作品情報

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4.2
2021/4/29(木・祝) 公開
出演
中川大志/岡山天音/関めぐみ/森田想/レイニ/ゆうたろう/田中俊介/佐野弘樹/山中聡/落合モトキ/角田晃広/菅原大吉
監督
監督・脚本・原作:飯塚健