東京国際映画祭の特別招待作品『黄金のアデーレ 名画の帰還』の主演ヘレン・ミレンが、10月24日上映会での舞台挨拶にサイモン・カーティス監督とともに登壇した。今回は特別ゲストとして、二科展入選経験もあり、絵画に造詣の深い石坂浩二が、映画のタイトルにかけて黄金に輝く花束を持って登場。貴重な日英名優の対面が実現した。
舞台挨拶では、終始チャーミングな笑顔で映画の魅力を語ったヘレン。本作の出演を引き受けた理由について、「オファーは沢山きますが、良い映画のオファーは正直少ないのです(笑)。ですが、この作品、マリアという役柄は良いものだと私の女優魂が伝えてくれました。非常に胸を打たれました。戦争の時代に生きた人々の思いをこの映画を通して学び、家族を失う悲しみ、また自分のアイデンティティーを失うことの辛さを伝える一人になりたかったのです」と語った。
『クィーン』でのエリザベス女王や本作でのマリアなど、実在の人物を演じるにあたって、特に意識する事はあるかとの問いには、「まず、マリアを知っている親族や関係者の方のために、彼女になるべく似せようと努めました。髪形や目の色を変えるなど、外見もはもちろん、なにより大事である『彼女の内面に近づくこと』を意識して、彼女の目を通して物事を考えるようにしました」と語った。監督も「マリアの親族に映画を観てもらったのですが、本当にヘレンはマリアにそっくりだと好評でした」とヘレンを讃えた。
また、先日イギリスのミラー紙で“最も影響力のある女性NO.1”に選ばれ、年齢を重ねて美しさが増し、仕事もバリバリこなすヘレンに憧れる女性が日本にも沢山いる事を伝え、その秘訣を聞くと、「私はそんなに若々しくないですし、特に朝起きた瞬間はそんなに美しくないの(笑)。世界にはとても悲しいことも多いけれど、私はとても楽観的で、基本的に地球は美しい場所だと思っています。だからできるだけ長生きしたい。その理由は、テクノロジーがどこまで発達するかどうかを見届けたいという好奇心が大きいわ。もしかすると、そうした強い好奇心が若々しくなる秘訣かもしれませんね」という返事が。
石坂浩二には、同世代のヘレンとの対面について聞くと「何十年も前ですが、エリザベス女王がNHKにいらしたときに、すごく近くに並ぶことができた。今回も同じような思いです。ヘレンさんは気品があって本当に美しい方。そしてなんというか、威圧感が本当にすごい。もちろん良い意味で」と賞賛を送っていた。
11月27日(金)、TOHOシネマズ シャンテ 他全国ロードショー
配給:ギャガ
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