映画『セトウツミ』完成披露舞台挨拶が7日、都内・新宿ピカデリーにて行われた。W主演の池松壮亮、菅田将暉、監督の大森立嗣が出席した。
池松演じるクールな塾通いの「内海」と、菅田扮する天然な元サッカー部の「瀬戸」の名前をとったタイトル『セトウツミ』は、ケンカもない。部活もしない。壁ドンもしない。ただ喋るだけの“放課後無駄話”を描く青春ドラマ。
挨拶早々「サクッと観れるので、いい暇つぶしに」とアピールした池松は「喋るだけの映画って挑戦的だし、川辺で喋ってるだけのものが映画として成り立つのかなっていう不安はありました」と出演の経緯を明かした。また、「一週間くらいで撮ったので、手応えもクソもないなと(笑)一週間ずっと座ってましたね。楽しんでもらえるんじゃないかっていう自信はあるんですが、(皆さんに)観てもらわないとわからないですから。つまらないって言われるかもしれない」と撮影を振り返った。
一方、菅田は「大森監督のもと、池松くんと2人で喋る。すごく楽しそうだなと思いましたし、関西弁でもともと原作も知ってました。いま入場してきたときの曲とか、思ったより品のある映画になってるのかな」と笑顔。そんな菅田との共演は「ほぼ初」と話す池松は「すごく心と体が柔らかくて、柔軟性のある俳優だなと思いました」とコメントし、菅田も「大賀に『役者の鏡だよ!』って話していて、本当にその通りでした」と共演を喜んでいた。
大森監督は「2人は力があるので、喋るだけっていう2人の芝居を撮り続けてました。チャレンジだったんですが、2人ならできると思った」と信頼している様子。「撮影の合間なんかも、2人してあっち行ったりこっち行ったり(笑)『お尻が痛い』って2人とも話してたので、途中から座布団導入したんですが、(取るの)忘れたまま撮影しちゃったりして」と笑いを誘うと、池松は「その座布団100均だったんです。全然効果がなかった」と苦笑いを浮かべていた。
また、「思ってたより池松くんがボケるんですよ!」という菅田は「突っ込むのが大変でした。突っ込まなくてもいいんですけど、散らかってるもの目の前にあったら片付けたくなるじゃないですか。赤ちゃんが目の前に捨てられてたらそれは交番に届けるでしょう…。赤ちゃんてちょっと例えが過激でした(笑)」とにっこり。さらに、「そういう状況が地元にいるような感覚で。ツッコミとボケが日常にあることが久しく感じて、それ以来池松くんとはそんな関係になりましたね」と関西の血が騒いだ様子。
そんな池松は、関西弁に苦戦したようで「難しいのでできればやりたくなかったですね。関西の人にチェックされるのがほんと嫌だし、できれば大阪で公開されたくない(笑)喋るだけの映画だし、関西弁できないとまずいんで、ちゃんとやりました!けど(菅田から)78点って言われました」と話すと、会場からは笑いが起こった。
イベントでは、撮り下ろしショートムービー3本「けん玉」「タイミング」「スタンディングオベーション」が話題となっていることにちなみ、観客の前で生「スタンディングオベーション」披露することに。池松が「別料金なんですよね」と笑いを取りつつ、菅田がおもむろに「スタンディングオベーションやってくれへん?」と無駄話を開始。
「スタンディングオベーションされるようなことをまずやれや」(池松)、「スタンディングオベーションされるようなことなんてまずないやん」(菅田)、「日本にスタンディングオベーションの文化ないやん」(池松)、「映画館とかでスタンディングオベーションやってるやん」(菅田)、「映画祭とかでやってるだけで普通の映画館でスタンディングオベーションなんてやらへんやん」(池松)、「だからここで一生されることのないスタンディングオベーションしてくれって頼んでるのや」(菅田)、「後ろの人に迷惑やろな〜とか思ってスタンディングオベーションでけへんのが日本の美徳とされてるやん」(池松)などと軽快に無駄話を繰り広げ、「じゃスタンディングオベーションやるわ!」(池松)、「じゃスタンディングオベーションされる準備するわ!」(菅田)と言い、スタンディングオベーションをする池松、それに応える菅田の姿に笑いが起こった。その様子に観客もスタンディングオベーションし、大盛り上がりのままイベントは幕を閉じた。
映画『セトウツミ』は7月2日(土)より新宿ピカデリーほか全国公開
【CREDIT】
監督:大森立嗣
原作:此元和津也 (秋田書店「別冊少年チャンピオン」連載)
出演:池松壮亮/菅田将暉/中条あやみ/鈴木卓爾 /成田瑛基/岡山天音/奥村 勲/笠 久美/牧口元美/宇野祥平
製作・配給:ブロードメディア・スタジオ
公式サイト:www.setoutsumi.com
©此元和津也(別冊少年チャンピオン)2013 ©2016映画「セトウツミ」製作委員会