映画『太陽を掴め』舞台挨拶が11月1日、都内・TOHOシネマズ六本木ヒルズにて開催中の第29回東京国際映画祭の舞台で行われた。この日、主演の吉村界人をはじめ、浅香航大、岸井ゆきの、中村祐太郎監督、脚本を手がけた木村暉が登壇した。
昨年開催された第27回東京学生映画祭にてグランプリ・観客賞の2冠を獲得した『雲の屑』の中村祐太郎監督最新作は、今後の映画界をリードしていく若手俳優として益々の注目を集める吉村界人、浅香航大、岸井ゆきのを主要キャストに迎え、東京に生きる若者たちの青春を鮮烈に描き出す。共演に『野火』の森優作、『TOKYO CITY GIRL』の三浦萌ら昨年の日本映画界を震撼させた俳優陣に加え、古舘寛治、内田淳子、松浦祐也、さらに柳楽優弥が友情出演する。
本作の脚本を手がけた木村は「“全員野球”のような作品。熱いものを感じていただければ」とアピール。主演の吉村は「今しかできない映画。今だからわかること、今だから言えることをセリフに落とし込んだ監督と脚本家がいて、それを僕らが喋る。スッゲー格好悪いことが、スッゲー格好いいことに気づいて欲しい」とメッセージを贈った。
いまの心境を聞かれた中村監督は「ここまでくるのが決まっていたかのような時間の流れ。取材で『なぜこの映画を作ろうと思ったのか』聞かれた時に、吉村君との出会い、(プロデューサーの)髭野さんとの出会い、そして浅香さんと岸井さんがついてきてくれて、しみじみ今日を迎えるまでを思い返していました」と述懐。
岸井は「流行り言葉でいえば“カオス”でした。すごい混沌としていました。テンションが高い監督と、どうしたらいいかわからない役者陣の集まり(笑)」と現場の雰囲気について言及すると、中村監督は「そんなことない、びっくりした!書かれちゃうから!」とツッコミ。笑顔が溢れた岸井は「演出も結構擬音語とかが多くて何言ってるかわからなかったんですが、すごい熱量が伝わってくる熱い現場でした。“全員野球”とおっしゃっていたのも納得です!」と語った。
「この映画で投げかけたいのは、死を待つだけの腐った大人になるのではなく、自分らしく素直に生きる力を思い返して欲しい」と語る浅香。気鋭の中村監督とタッグを組んで「監督が独特で抽象的な表現はすごく多かった。でも僕は楽しくて好きで、岸井さんほどカオスではなかった」と笑顔で振り返り、「すごくチャーミングで熱がある。一緒にいて応援したくなる。監督の映画をみんなで作るんだっていう気持ちがすごく増していくような、日に日に一体感が増す現場でしたね。もう愛さずにはいられない」と真摯に語った。
映画『太陽を掴め』は12月24日よりテアトル新宿にて公開
【CREDIT】
出演:吉村界人、浅香航大、岸井ゆきの、三浦萌、森優作、内田淳子、松浦祐也、古舘寛治、柳楽優弥(友情出演)
監督・脚本:中村祐太郎 脚本:木村暉 企画・製作:髭野純
制作・配給:UNDERDOG FILMS
©2016 UNDERDOG FILMS