『溺れるナイフ』菅田将暉、恋愛映画初主演作を“瘡蓋”と綴り「身も心も擦り傷だらけだった」

映画『溺れるナイフ』大ヒット記念舞台挨拶が12日、都内・TOHOシネマズ渋谷にて行われ、W主演の小松菜奈、菅田将暉が登壇した。

おとぎ話みたい』『5つ数えれば君の夢』など独自の美学溢れる青春映画で注目を集める新鋭監督・山戸結希がメガホンを取る本作。「10代の一瞬間(=全能感)」の謳歌、挫折、再生を描き出す青春ラブストーリー。強烈なオーラを放つ地元の少年コウの魅力にのめり込んでいく美少女モデル・夏芽役に小松菜奈、夏芽の美しさに同類の力を感じ、付き合い始めるコウを菅田将暉が演じる。

溺れるナイフ

大歓声で迎えられた2人。大ヒットを受け、小松は「公開されてぴったり1週間。本当にたくさんの方々に観ていただけて、私自身もびっくりしています。一人一人が映画館に足を運んで観ていただけてること、本当に嬉しく思います」と感謝を述べた。SNSで「美しい…」との声が多く上がってい流本作。小松は「『ちゃんと公開されるかな』って不安でしかない現場だったよね。和歌山の大自然の中でぶつかったり、葛藤する姿が眩しいというか。それを映像で観た時に悔しいと思ってしまったんです」と振り返り、「それは監督とすごく闘っていたんだなというか、『なんだこのやろう!』と思ったこともたくさんあったんです。観て最初に感じたのはそういう気持ちですね」と述懐。

菅田も過酷な撮影だったことを明かし、「監督が『あの鳥入れたい!』って言って。動物じゃないですか。鳥が『失礼します』ってきてくれるわけもなく、結果3時間くらい待ったりして出来上がってるんです。その時間は、ただただ気持ちの良い待ち時間ではなかったですが、正直出来上がったものを観ると、自然と共存しているコウちゃんがいた。監督と待った時間っていうのは伊達じゃないなと思いましたね」と語った。

溺れるナイフ

また、バイクに乗って叫ぶシーンについては「監督たちが車で前を走って、その後にバイクで追いかけていたんですが、監督が『空〜、海〜』って言ったものを私たちがリピートする。本当にゲリラでした」と小松。菅田も「ニュースタイルすぎた。きっと監督の衝動みたいなものが大事だったんだと思います。もうやられたい放題だった。よく(監督に)文句言わなかったと思う」と撮影を振り返っていた。

一方、「2人キスシーンが超絶やばい!」という観客からの声に、菅田は「まぁ原作通りなんですけど。“顔ペロ”ありましたね。ペロっていう感じではなかった、巻き舌で“顔ベロ〜”って感じでしたね」と語っていた。

溺れるナイフ

イベントでは、客席へ感想や質問を募る時間が設けられ、菅田本人がマイクを持って駆け寄るファンにはたまらない一幕が。女性から「もしまた共演するならどんな作品がいいですか?」という質問が上がると、以前『ディストラクション・ベイビーズ』で共演した2人だが、「今のところバイオレンス、ラブストーリーが続いてるからね。ハッピーなのやりたいね!でもイメージつかないんだよな、普通に笑ったりとかちょっと(笑)」と菅田。小松も「恥ずかしくて無理ですね!ハッピーなのもやってみたいんですが、結局は暗い方が手加減しなくて済むのでやりやすいです。勢いとかパワーのままの方が信頼できる」と共感していた。

溺れるナイフ

また、自身にとって「『溺れるナイフ』とは〇〇」と題したフリップを2人が用意し、小松は「10代最後の輝き。(撮影当時は)19歳。10代にしかないエネルギーとか感情がみなぎっていて、その姿を撮影してもらえたのは一生の宝物です」と想いを綴った。

一方、本作を「瘡蓋(かさぶた)」と題した菅田は「1年前に受けた傷が、今瘡蓋くらい。瘡蓋って深い傷ではなく、擦り傷なんだって。“ナイフ”っていうだけに(撮影時は)身も心も擦り傷だらけだった。映画として成立しないかもしれないっていうヒリヒリ感があったからこそ、今こうして立っていることが感謝です」と真摯に語った。

映画『溺れるナイフ』はTOHOシネマズ渋谷ほか大ヒット公開中

【CREDIT】
原作:ジョージ朝倉「溺れるナイフ」(講談社「別冊フレンド」刊)
監督:山戸結希(『あの娘が海辺で踊ってる』、『おとぎ話みたい』)
出演:小松菜奈、菅田将暉、重岡大毅(ジャニーズWEST)、上白石萌音、志磨遼平(ドレスコーズ)、斉藤陽一郎、嶺豪一、伊藤歩夢、堀内正美、市川実和子、ミッキー・カーチス
配給:ギャガ 公式サイト:http://gaga.ne.jp/oboreruknife/

©ジョージ朝倉/講談社 ©2016「溺れるナイフ」製作委員会

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