映画『TAP -THE LAST SHOW-』初日舞台挨拶が17日、都内・TOHOシネマズ日比谷シャンテにて行われ、監督・主演の水谷豊をはじめ、北乃きい、六平直政、前田美波里、岸部一徳、HIDEBOHが登壇した。
本物のショウビジネスを描きたいと、水谷豊が40年間温め続け一つの物語に紡ぎだした本作。足音で奏でる極上のエンターテインメント“タップダンス”の世界の光と影を描く。主人公・渡真二郎を水谷自身が演じ、共演に北乃きい、六平直政、前田美波里、岸部一徳らが名を連ねる。
大歓声で迎えられたキャスト陣。初監督を務めた水谷は、公開初日を迎え「撮影から少し時が経ちまして、実は僕、いま普通に歩けるのですが、今日1日ばかりは映画の中のキャラクターのまま過ごしていたい」と感慨深い様子。北乃、前田から水谷へ「夢、かなう。」の花言葉を持つ青いバラ40本を、構想から40年の時を経て公開を迎えた本作にちなみプレゼント。水谷は「もう少し早くもらっていたら40年もかからなかったのかな(笑)ありがとうございます。嬉しいです」とはにかんでいた。
ダンサーを支える役どころを演じた北乃。本物のタップダンスを目にして「ダンスを見て涙が出たのは生まれて初めて。タップダンスというのは本当に情熱的で、すごいなと思いました。何度見ても初めて見た時の感情が湧いてくると言いますか、迫力がすごいんです。気づいたらずーっと動画で見てるくらい、本当にクセになります」と振り返る。
これまでショウを牽引してきた前田は「ダンサーという職業は本当に厳しい。1年中が自分磨きの生活。特にタップダンスは音が出てなんぼなんです。音が出なければ何の意味もないんです。音が出るまでの間のご苦労、どれだけ大変か。私自身も一度経験いたしましたので、身にしみて感じております。意外と地味な作業で、それをやり続けて初めて素敵なショウになる。だから一度見たらやめられない、それがクセになるんです」とタップダンスの奥深さを語った。
ラスト24分間のタップダンスショウを演出してみて、水谷監督は「一番僕が驚いたかもしれません。本当に素晴らしくて、僕の最高のイメージを全て超えていってくれました」と感動しきり。水谷の構想を実現させたタップダンス監修のHIDEBOHは「恐縮です。監督が直筆で書いてくださった8枚ほどの紙をみんなにコピーして渡して、バイブルのように持っていました。監督が40年間これを思われていたことが伝わってくる。細かく分数や曲のジャンル、構想にあること全てが書かれていて、我々はそれに沿って、いかにタップダンスとして魅せるのか。ダンサーとしてハードルを越えなければならないと思いながら作りました」と明かした。
長年、水谷と親交のある岸部は「新人監督という雰囲気はほとんどなく、もうベテランの風格でした。俳優が監督をする、水谷さんの場合は長い間で優秀な監督と出会ったり、いろいろなことを経験しているので、知らないうちに何か知識が入っていると僕は思っていて。それをどういう風に出すのかなと思っていたんですが、経験をなぞることは一切しなかった。『誰もやったことのない、思いつかないようなことをやってみよう』という気迫みたいなものを感じました」と監督・水谷豊を評価。その手腕に「監督の方がいい」と俳優・水谷豊の存在を否定してみせると、水谷は「そんなに俳優としてダメですか(笑)」と岸部のジョークに乗っかり、笑いを取っていた。
最後に、監督としての次回作の構想を聞かれると、水谷は「『TAP -THE LAST SHOW-』が落ち着いたらいろいろと想いを馳せてみようかなとは思っているんですが、すぐ『相棒』が始まるんですね(笑)次は申し越し短い夢を見てみたい」とファンを沸かせていた。
イベントには、映画に出演しているタップダンサーの清水夏生、西川大貴、HAMACHI、太田彩乃、佐藤瑞季、さな、NON、nana、KENICHIらも出席した。
映画『TAP -THE LAST SHOW-』は全国公開中
公式サイト:http://www.tap-movie.jp/
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