向田邦子脚本「家族熱」舞台化。ドラマの3年後を描く2人芝居にミムラ、溝端淳平出演

1978年に放送された、向田邦子脚本の同名ドラマを原作に、ミムラと溝端淳平が2人芝居に挑戦する舞台「家族熱」が2018年5月29日(火)より、上演されることがわかった。

家族熱

本作は、原作のドラマから3年後という設定に翻案。歳の近い義理の母と息子が、“家族”という制約から解放されたことで、激しく揺れる心情をきめ細かく描き出す。 美しい義母・朋子には、NHK土曜ドラマ「トットてれび」で、黒柳徹子の親友・向田邦子役を演じ「向田邦子の伝道師」とも言われるミムラが、 父を憎み、朋子と実母の間で揺れるエリート医師・杉男を、ジャンル問わずの躍進が目覚ましく、2月には蜷川幸雄三回忌追悼公演「ムサシ」も控える溝端淳平がそれぞれ演じる。

脚色・演出を、 2016年に2作のふたり芝居「乳房」(伊集院静原作 内野聖陽×波瑠)「檀」(沢木耕太郎原作 中井貴一× 宮本信子)で評判を得た合津直枝が担当する。脚本家、エッセイスト、そして直木賞作家として名を馳せた向田が生涯をかけて描いた“家族”。いわゆる“ホームドラマ”ではなく、家族の内にある秘密、謎、嘘…という暗部に視点を定め、生々しい感情が交錯する“家族劇”だ。

ミムラ コメント


家族熱

過去に二度、演じさせて頂いた向田邦子さん。彼女の文章の大ファンであり、映像作品も多数観てきた私は、大事なご報告の際はお墓へ参ります。「あの『家族熱』を二人芝居で演じます」とお伝えしたら、 向田さん、あの悪戯っぽい含み笑いで、なんと仰るでしょう。
以前ドラマで共演し、もっと多くの台詞をやり取りしてみたいと感じていた溝端淳平さん。そして一度目の向田邦子役の依頼を下さった方でもある合津さんと共に、“家族”という狭く見えて底なしの囲いの中で、縦横無尽に“熱”を発してみたいと思います。
皆様を向田作品世界の深部へお連れできるよう、勉強を重ね、心血を注いで臨みます。どうぞご期待くださいませ。

溝端淳平 コメント


家族熱

今もなお愛され続けている向田邦子さんの作品をやらせてもらうことを、大変ありがたく思っております。僕が生まれるよりもずっと前に旅立たれたとは思えないほど、向田作品は色褪せない。それどころか今の時代の方がマッチしていると思えるぐらいです。「家族熱」は義理の母と息子、いろんな柵や苦難に縛られてきた二人がまた違う形で再会する話です。家族とのつながりとはどういうものなのか?血のつながりと心のつながりは天秤にかけられるのか?そんな普段誰もが感じているで あろうことが文学的に、叙情的に描かれています。向田作品は初めてで、 まだまだ勉強中ですが、大の向田邦子ファンのミムラさん、演出の合津さんにも沢山教わりながら、向田邦子作品世界にドップリはまって行けたらと思います。

合津直枝 コメント


家族熱

昔、たった数秒(!)、向田邦子さんとお話したことがある。親しい女性誌編集者から「働く女性への応援コメントを向田邦子さんからもらってこられない?」という誘いに乗ったのだ。「わたくし、そのようなことはしませんの。ごめんください」向田さんはぴしゃりと言って電話は切れた。前年に直木賞を受賞され、のちに台湾で急逝されるその年の冬のことだ。
以来、向田さんは眼前に屹立する。
「家族熱」は、美しい後妻が家族に加わったことで、平熱を保てなくなった家族の物語だ。「いちばん大事なことは口にしない」という向田さんのサムライのような美学に満ちた物語である。
母を女として愛していた…
息子を男として愛していた…
ほんとうの気持ちに蓋をして、家庭の平和を保っている登場人物たち。一筋縄ではいかない。
向田さんから応援コメントはいただけなかったけれど、今、きびしく叱咤激励されている。
熱烈な向田ファンのミムラさんと遠い憧れだったという溝端くんと三人で挑む。向田作品を語り継ぐ喜びと責任を胸に、“家族”というルールからはみ出しそうではみ出せない、女と男のギリギリのこころを探り当てたい。

ふたり芝居「家族熱」 は5月29日(火)~6月5日(火)東京芸術劇場 シアターウエストにて上演(地方公演あり)

【CREDIT】
出演:ミムラ 溝端淳平
原作:向田邦子
企画・台本・演出:合津直枝
主催:テレビマンユニオン
公式サイト:http://www.tvu.co.jp/product/stage2018

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で