ジェンダー・アイデンティティを拒絶する人々の心理を描く『ナチュラルウーマン』予告

グロリアの青春』でパウリーナ・ガルシアにベルリン国際映画祭主演女優賞をもたらしたチリの俊英セバスティアン・レリオ監督の新作ナチュラルウーマンが2月24日(土)に公開される。この度、本作の予告編が到着した。

ナチュラルウーマン

チリ、サンティアゴでウェイトレスをしながらナイトクラブで歌っているトランスジェンダーのマリーナは、歳の離れた恋人の突然の死によって思いもかけないトラブルに巻き込まれていく。どれほど揺るぎない絆を結んでいても法で守られていないパートナーシップの社会的脆さや、ジェンダー・アイデンティティを拒絶する人々の心理を描き、マイノリティと呼ばれる人々への不寛容な空気に一石を投じる作品だ。

逆境の中でもありのままに生きようとするヒロインを演じたのは、自身もトランスジェンダーである歌手のダニエラ・ヴェガ。監督を、パブロ・ララインを輩出するなど躍進目覚ましいチリ映画界が生んだ才能セバスティアン・レリオが務める。

ナチュラルウーマン

予告編には、恋人であるオルランドの急死により、絶望の淵に立たされるマリーナの悲痛な姿が捉えられている。最愛のパートナーを失った悲しみの最中、警察からは身体検査を強要され、オルランドの息子や血縁者たちはマリーナを街から追い出そうと攻撃する。元妻からも「お通夜にも葬儀にも来ないで」と拒否されるマリーナだったが、愛する人に最期の別れを告げたいという切なる想いが彼女を突き動かしていく。

南米アルゼンチンを旅するゲイカップルを描いた、ウォン・カーウァイ監督作の名作『ブエノスアイレス』を想起させるような“イグアスの滝”の映像。さらに、人生の“向かい風”を象徴する嵐の中を歩いていくシーンは、ラテンアメリカ独特のマジックリアリズム的世界観に溢れ、印象的だ。自分を肯定しながら凛と生きるマリーナの姿が美しく、「私らしく、私を生きる。」という力強いメッセージに溢れた予告編となっている。

映画『ナチュラルウーマン』は2月24日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国公開

【CREDIT】
監督・脚本:セバスティアン・レリオ
出演:ダニエラ・ヴェガ、フランシスコ・レジェス、ルイス・ニェッコ
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム

(C)2017 ASESORIAS Y PRODUCCIONES FABULA LIMITADA; PARTICIPANT PANAMERICA, LCC; KOMPLIZEN FILM GMBH; SETEMBRO CINE, SLU; AND LELIO Y MAZA LIMITADA

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