トランスジェンダー歌手ダニエラ・ヴェガが美声披露『ナチュラルウーマン』本編映像

2月24日(土)より公開される映画『ナチュラルウーマン』の本編映像が解禁。第90回米アカデミー賞外国語映画賞最有力候補としても期待が寄せられ、日本時間3月5日に開催される授賞式では、本作の主演ダニエラ・ヴェガがプレゼンターを務めることが決定した。

ナチュラルウーマン
Ⓒ2017 ASESORIAS Y PRODUCCIONES FABULA LIMITADA; PARTICIPANT PANAMERICA, LCC; KOMPLIZEN FILM GMBH; SETEMBRO CINE, SLU; AND LELIO Y MAZA LIMITADA

“自分らしさ”を守るべく奮闘するトランスジェンダーの女性を描く本作。チリ、サンティアゴでウェイトレスをしながらナイトクラブで歌っているトランスジェンダーのマリーナは、歳の離れた恋人の突然の死によって思いもかけないトラブルに巻き込まれていく。どれほど揺るぎない絆を結んでいても法で守られていないパートナーシップの社会的脆さや、ジェンダー・アイデンティティを拒絶する人々の心理を描き、マイノリティと呼ばれる人々への不寛容な空気に一石を投じる作品だ。

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最愛の恋人オルランドを失った悲しみの最中、彼の家族や元妻から責め立てられ、警察からも疑いの眼差しを浴びるヒロイン・マリーナ(ダニエラ・ヴェガ)。映像では、傷心のマリーナが歌のレッスンのため個人教授の元を訪れ、オペラ「Sposa son disprezzata」を披露するシーンでは、トランスジェンダーの歌手ダニエラ・ヴェガの美声を堪能することができる。「Sposa son disprezzata」は歌劇『バヤゼット』の中で歌われるアリアだが、その邦題は「私はないがしろにされた妻」となっており、オルランドの最期を看取った恋人でありながら、不当な扱いを受けるマリーナの心情を抒情的に表現している。

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ダニエラ・ヴェガは幼い頃に、盲目だった祖母の影響で数多くのオペラに親しみ、音から想像される情景や豊かな音楽表現に魅了され、8歳で歌手としての才能を認められて以来、故郷チリではオペラ歌手として経歴を積んできた。マリーナがオペラを歌うという脚本は、レリオ監督がダニエラとの交流の中で書き加えていった設定だ。

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彼女自身、音楽大学を卒業したのではなく、個人教授に付き、ほとんど独学でオペラを習得していったという。そんな経歴も、どこか劇中のマリーナに重なる。映像後半の嵐の中を歩いていくシーンは、飛行機のタービンを使って風を起こし、一日がかりで撮影されたという渾身の演出となっており、マイノリティが受けてきた偏見や差別、マリーナの苦悩を美しくも幻想的に描き出し印象的だ。

映画『ナチュラルウーマン』は2月24日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国公開

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