『後妻業の女』の鶴橋康夫が、約40年、映画化を熱望し続けた『のみとり侍』が5月18日(金)より公開される。この度、ティザービジュアルと特報映像が公開となった。
歴史小説の第一人者・小松重男の同名小説を原作に、鶴橋監督自身が物語を再構築し、脚本を務めた本作。江戸時代に実在した猫の“蚤とり”稼業、その実態は、女性に愛をご奉仕する裏稼業だった。エリート藩士から、のみとり侍へと左遷されてしまう主人公・小林寛之進を阿部寛が好演。共演には、寺島しのぶ、豊川悦司、斎藤工、風間杜夫、大竹しのぶ、前田敦子、松重豊、桂文枝ら個性的な面々が集結した。
東洲斎写楽の浮世絵から着想を得たティザーポスター
到着したティザポスターでは、歌舞伎役者のように睨みを利かす浮世絵風・寛之進(ひろのしん)が写し出された。鼻の頭には“のみ”が飛び込み、首元には“キスマーク”が。キャッチコピーの「貴女のみ、愛しています」が指すように、“喜劇”でありながらも、“恋愛劇”である本作の世界観をコミカルに切り取っている。
ポスター制作において着想を得たのは、日本を代表する浮世絵師・東洲斎写楽の浮世絵「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」。また長年、本作の企画を温めていた鶴橋監督の心の中心にあり続けたのは、この「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」を基に手塚治虫が描いた「猫・写楽」だった。この奇跡の偶然を感じ取るかのように、阿部はポスター撮影時、写楽の描いた浮世絵を見ながら、手の位置や目線の振り方に細かく気を配り、度重なる微調整を繰り返し撮影に挑んだ。
特報映像公開
映像では、上司の逆鱗に触れ「猫の蚤とりになって無様に暮らせ!」という寛之進が左遷される場面が。“蚤とり”になり訪れる多難に立ち向かっていく寛之進の姿が垣間見えるもつかの間、思い人・おみね(寺島しのぶ)に「愛」をお届けするも「この、下手くそが!」と言い渡される衝撃の場面も切り取られた。
鶴橋康夫(監督・脚本)コメント
「蚤とり侍」を映画化するにあたって、
江戸中期、既に戦国乱世も終わり、商業主義に変わって、
その時代を生きていた侍がどのように生きていたのか、調べ始めました。
浮世絵、錦絵、春画と探すなか、新聞でみつけたのが、
手塚治虫が描いた『猫・写楽』でした。
いくら探しても資料が出てこない“蚤とり”について、
偉人である手塚治虫も気にかけていたかと思うと非常に印象的で、
随分と長い間変わらず、自分の真ん中に在り続けました。
その大事な絵が、
今回、映画『のみとり侍』のポスターのきっかけとなったことは、とても驚いています。
阿部寛さんと撮影でご一緒するのは、3度目ですが、
こちらの期待以上に寛之進という侍の誇りや忠義心を表現してくれ、
僕と彼の間には、互いに信頼があったように感じるし、
喜劇でありながら不条理劇でもある『のみとり侍』を一緒に制作しているという意気込みがありました。
ポスターで表現されているように、阿部さんが、この当時の浮世絵に描かれているような歌舞いた表情をしてくれたこともとても嬉しいです。
僕たちが想像していた以上にこの作品を理解してくれているのではないかと感じ、
「よくぞここまで表現してくれた!」と初めてポスターを見たときに思いました。
映画本編は、
現在仕上げ作業中ですが、寛之進と江戸の人々が互いに、
友情、敬愛、愛情と気持ちを育む姿の裏には、
原作者の小松先生が描いた「人は一人では生きていけない」というメッセージが
あるのではないかと思っています。
ぜひ、若い人をはじめ、幅広い方々にご覧頂きたいです。
映画『のみとり侍』が5月18日(金)より全国東宝系にて公開
【CREDIT】
原作:小松重男「蚤とり侍」(光文社文庫刊)
監督・脚本:鶴橋康夫
制作プロダクション:ROBOT
製作プロダクション:東宝映画
配給:東宝 公式HP: http://nomitori.jp/
©2018「のみとり侍」製作委員会