赤城大空原作の同名ライトノベルを映画化した『二度めの夏、二度と会えない君』。本作は、不治の病を患う転校生の燐(吉田円佳)と、彼女に恋心を抱く男子高校生・智(村上虹郎)の関係を描く青春ラブストーリー。燐の死に際に自分の思いを告白したことを後悔する智が、半年前の夏にタイムリープし、2人の出会いから物語が紡がれていく。
『二度めの夏、二度と会えない君』のBlu-ray特装限定版&DVDの発売(2月23日リリース)を記念して、村上虹郎扮する智たちとバンドを組むベーシスト・石田六郎を演じた山田裕貴にインタビューを行った。
──2017年だけで14作もの映画にご出演されていますが、その中で本作はどのような作品になりましたか?
山田:ベーシスト、銀髪、変態・・・変態と言っても、まともな方な変態ですけど(笑)ピッタリな役が来たなと思っていて、すごく自分に近い感覚でやれた作品でした。僕より年下の子たちが多かったので、「若いな」「素敵だな」と思う部分も色々あって刺激を受けました。
──本作の見どころであるライブシーンは猛特訓を経て挑まれたようですが、撮影を振り返ってみていかがですか?
山田:(ベースに)触れたのは初めてではないんです。中学生の頃、友達に「ライブ出ようぜ!」って誘われて、結局練習しただけでライブには出なくて(笑)。ちゃんと挑戦するのは(今回が)初でしたね。この頃、他の作品の準備でボクシングをやったり、主演舞台やったりしていたので、正直かなりキツかったです。でも、この作品で弾けないっていうのはカッコ悪い。(カメラが)手元に寄っても大丈夫なように、吹き替えなしでやっていたので「やり切ったな」というのはありますね。確実に全部弾けるようにしてました。
──そんな個性的な“変態ベーシスト”六郎を演じる上で、中西健二監督とはどのようなやりとりをされましたか?
山田:監督が「自由に動いてみて」と言ってくださったので、真剣に遊んでましたね。
──かなり振り切ったみたいですね。
山田:みんなビックリしてましたね。僕が急に「もう出てってくれないかなー!」とか(アドリブで)言ったりするので、みんな笑いこらえるのに必死で(笑)。何か突拍子もない感じが六郎にはあって。全然興味ないことには全く興味を示さないけど、興味あることには前のめりだったり、素直じゃない部分もあったり、急に大声出したり、急に花火やりながらテンション上がったり…。絶対花火とかやらなそうなのに、結果楽しんでるんです(笑)。
──演じられた六郎とご自身の共通点はありますか?
山田:いっぱいあります!僕、偉人の言葉を調べるのが好きで、よく調べては影響を受けています。同じように、そういう美学みたいなものが六郎にもあると思うんです。だから(台詞で)「青春と芸術は爆発だ」っていうのも…あれ、アドリブです。「絶対言いたいので言わせてもらっても良いですか」って言って。すごく楽しかったですね。意外に、言っていることが確信をついていたりとかして、みんなとはちょっと角度が違う生き方をしてきたから、テンションとか社会的にはズレてるかもしれないけど、ちゃんと物事は見えてる人間にしたいなと思って。
──村上虹郎さんをはじめ同世代のキャストたちが集まった現場の空気はいかがでしたか?共演者の方々との思い出のエピソードがあれば教えてください。
山田:ニジー(村上虹郎)は現場だと寡黙なので、普段の方がよく喋りますね。取材で一緒になった時の方が喋ります。でも現場だと寡黙に…というか、たぶん女子への人見知りだと思うんですけど(笑)。なので、(現場では)僕が橋渡しというか、繋ぐ役みたいな感じでしたね。でも、10回に1回しかウケない(笑)。だから六郎と一緒です。六郎のまんまで居たかもしれない。ウザいくらい絡んで(笑)。
──女性陣の反応は?
山田:薄ら笑い(笑)。でも、向こう側的にはそうやって僕をイジっていたらしくて、楽しんでいたみたいです(笑)。
──本作のキャッチコピーに「僕らの青春には、運命さえ変える、歌がある」とありますが、ご自身にとって運命を変えた歌や曲はありますか?
山田:ビートたけしさんの「浅草キッド」です。絶対カラオケで歌います! 芸人さんってカッコイイじゃないですか。笑わせる、人を笑顔にさせるって一番難しいと思うんですよね。それが出来るのは素敵だなと思っていて、それを自由に真剣に遊べる大人ってカッコイイなと思うんです。「いつか売れると信じてた 客が2人の演芸場で」って歌詞があるんですけど、「そんな時代あったんだ」と。同じ気持ちなんです。僕もいつか売れると信じてやってるし、いつかたくさんの人に認められると思ってやってるから、すごく響いてきて。あと、「夢を託した100円を 投げて真面目に拝んでる」という歌詞を聴いて、僕もよく神社に行って「たくさんの人に知られる役者になれますように」って想いで絶対に仕事のことについて拝んでます。
──タイムリープする物語ですが、山田さんが時間を巻き戻してもう一度過ごしたいと思う時間はありますか?
山田:全然ないです。今と前しか向かない。過去のこと引きずっていても、原動力にしようとするタイプなので。悔しかったから頑張る。・・・でも、2日前くらいに携帯を失くして、(失くす前の)その時に一瞬戻りたいです(笑)。逆に、ネット社会に捕われていない解放された感じが清々しかったりするので、(携帯が)無いのもいいなって思っちゃってます。でも、今日(携帯を)取りに行くので、また捕われの身に(笑)。
──最後にファンの方々、これから作品を観る方々にメッセージをお願いします。
山田:タイムリープもので、青春恋愛もので、こういうのって結果「ハッピーエンドなんでしょ」って思うかもしれないけれど、ベタな感じにいかない結末というか。結果ほんとちょっとの変化しか生まれないけど、「前に進もう!」っていう力をもらえる結末になっていると思います。僕はそこがすごく好きで、最後のニジー(村上虹郎)のセリフがめっちゃ好きなんですよ。悔しかったり、自分を責めたりとかって絶対人生の中でいっぱいあると思うけど、「こんなことあったけど、いいや。頑張ろう!」と思える最後の一言のためにストーリーが繋がっているので、最後のセリフを聞くために楽しんでもらえたら。DVDが擦り切れて割れるくらい観てもらったら、またご購入いただいて(笑)。メイキング(Blu-ray特装限定版に収録)がかなり充実してると思うので、そういうところも観てもらえたらなと思います。
【応募期間】2018年2月22日(木)〜3月8日(木)正午まで
【当選人数】2名様
【応募方法】映画ランドアプリをダウンロード→該当するSNS投稿を拡散→応募フォーム入力
〈山田裕貴プロフィール〉
1990年9月18日生まれ。愛知県出身。2011年、テレビドラマ「海賊戦隊ゴーカイジャー」(テレビ朝日系)でデビュー。2017年の主な出演作には、映画「トモダチゲーム劇場版FINAL」「亜人」「あゝ、荒野」(前編・後編)「HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION」、「デメキン」など。今後は「となりの怪物くん」(2018年4月27日公開)「あの頃、君を追いかけた」(2018年秋公開予定)の公開が控える。
映画『二度めの夏、二度と会えない君』Blu-ray特装限定版&DVDは2月23日(金)リリース/同時レンタル開始
【CREDIT】
出演:村上虹郎 吉田円佳 加藤玲奈 金城茉奈 山田裕貴 本上まなみ 菊池亜希子
脚本:長谷川康夫 監督:中西健二
原作:赤城大空「二度めの夏、二度と会えない君」(小学館「ガガガ文庫」刊)
製作:「二度めの夏、二度と会えない君」パートナーズ
配給:キノフィルムズ
公式サイト:http://nido-natsu.com/
(C)2017 赤城大空・小学館/「二度めの夏、二度と会えない君」パートナーズ