マーベル・コミックの人気シリーズを原作としたテレビドラマシリーズ『マーベル インヒューマンズ』の放送がスタート。海外ドラマだと思って観始めたら、映画並みのスケール感に驚愕。王座をめぐるロイヤルファミリーの熾烈な戦いに、マーベル作品らしい魅力が詰まりに詰まった内容に釘付けになった。映画ファンも納得!本作の見どころ3選をご紹介してみたい。
これまで語られることのなかった超人類=インヒューマンズの壮大な冒険を描く本作。映画・ドラマにとその世界観を広げてきたマーベル・シネマティック・ユニバースのひとつとなっており、新ヒーロー誕生を描く『ブラックパンサー』がお目見えし、超注目作の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の公開も控える今、必ずや抑えておきたい1作だ。
重厚感たっぷり!ロイヤルファミリーの熾烈な戦い
地球人から隠れるようにして、月面にアティランという都市を作り、ブラック・ボルトを王に据えてひっそりと暮らしていた“インヒューマンズ”。彼らの王座をめぐる戦いが描かれるが、それはまるでギリシャ神話やシェイクスピア劇を思わせるほどにドラマチック。ロイヤルファミリーの面々がそれぞれ強烈な個性を持っており、グイグイと物語に引き込まれた。
中心人物となるのは、ブラック・ボルト王と、その妻のメデューサ、ブラック・ボルトの弟で王座を狙うマクシマスの3人。ブラック・ボルトはすさまじい破壊力のある声の持ち主であり、声を発した瞬間に両親をぶっ飛ばしてしまった悲しい過去を持つ。このシーンは本当に衝撃。それ以来、ブラック・ボルトは声を出さない“静かな男”として生きている。
そして言葉を発することができない王を支えるのが、妻のメデューサ。夫の考えを周囲に伝え、献身的に尽くす妻。お互いを信頼し合う夫婦愛がなんとも美しいが、メデューサは赤く長い髪を自由自在に操る特殊能力を持つ女性でもある。ピンチにあうや、髪を振り乱してファイト!美しく、恐ろしいほどに強い。マーベルらしいヒロインだ。
弟のマクシマスは、王族の中で唯一、特殊能力を持たない男。兄に対するコンプレックスもあり、王座に固執している。ギラギラとした野心的な瞳が印象的で、メデューサに「俺の方がいいぞ」なんて言い寄る一幕も…。“話せない王”、“献身的な妻”、“野心的な弟”の織り成す三角関係が、重厚感たっぷりに描かれるのだ。
“マーベルらしさ”がてんこ盛り!
そのドラマ性とともに、マーベル作品の魅力がたっぷり込められているのが本作のスゴイところ。兄弟の葛藤は『マイティ・ソー』を思わせるし、マクシマスのこじらせぶりは日本でも人気を博したソーの弟・ロキと重なる。マクシマスの訴える主張が、決してすべて否定するべきものでないところも注目ポイントだ。大ヒットを記録している『ブラックパンサー』もそうだが、マクシマスの行動からも「多様性が重視される世の中で、力を持つものはどうすべきか?」というマーベルが描き続けているテーマがしっかりと浮かび上がる。
マクシマスがクーデターを引き起こし、王国一族は月からハワイへと逃げ込むのだが、この展開が最高に面白い。王の風格たっぷりのコスチュームに身を包んだブラック・ボルトが突然、太陽がさんさんと降り注ぐハワイに降り立つのだ。メデューサとはぐれてしまったために、周囲と意思の疎通もはかれない。「なんだかおかしいぞ」と戸惑いながらも威厳を捨てず、ハワイを闊歩するブラック・ボルト。彼の険しい顔つきと、ハワイの楽園感とのギャップが笑いを誘う。
またクスリと笑える要素だけでなく、彼らがハワイに降り立ったことで「人間たちは、“インヒューマンズ”と対峙したときにどうするのか?」とのテーマも表出する。自分と違うものへの差別や、力を持ったがゆえの葛藤もあらわになる展開は『X-MEN』を思い出す人も多いことだろう。月と地球を舞台とするスケール感、社会的なテーマを投げかけるメッセージ性も胸に響く。
ド迫力のアクションが最先端の映像技術で描かれる!
もちろん、特殊能力が炸裂する大迫力のアクションもアリ!「ドシン!」と足を踏み鳴らすと地震波を発生させられるゴーゴン、物事の弱点を見抜き、危機を回避できる能力を持ったカルナク、思わず声を出しちゃってハワイの街を混乱させてしまうブラック・ボルト、テレポート能力のある巨大ブルドック(!)などなど、彼らのパワーに興奮すること必至。ドラマながらIMAXカメラで撮影したことでも話題で、まさに映画級のクオリティで観るものを魅了する。製作陣の自信のあらわれか、ドラマ放送に先駆けて全米・日本でもIMAX劇場での先行上映に踏み切る異例のプロモーションを行った。
シェイクスピア劇のようなドラマ性がありながら、見事にマーベルの魅力をてんこ盛りにした内容にうなる『マーベル インヒューマンズ』。あらゆるテーマも、ワクワクするようなエンタメ感満載に描き切ってくれるのがうれしい!ぜひとも、映画のような体験ができる1作を堪能してほしい。
「マーベル インヒューマンズ」は3月3日(土)より全国無料のBSテレビ局ディーライフ/3月10日(土)よりHuluにて配信スタート
公式サイト:http://dlife.disney.co.jp/program/marvel_starwars/marvel_inhumans.html
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