映画『猫は抱くもの』完成披露試写会が5日、都内・丸の内ピカデリーにて行われ、キャストの沢尻エリカ、吉沢亮、コムアイ(水曜日のカンパネラ)、監督の犬童一心が登壇した。
推理小説「猫弁」シリーズで知られる大山淳子の同名小説を原作とする本作は、思いどおりの生き方ができず、いつしか心に孤独を抱えてしまった30代女性と、自分を彼女の恋人だと信じて疑わない猫との関係を描いた物語。監督を『ジョゼと虎と魚たち』『メゾン・ド・ヒミコ』『グーグーだって猫である』などで知られる犬童一心が務める。
第21回上海国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが決まった本作。日本映画で唯一のコンペティション部門出品という快挙に、犬童監督は「上手くいくといいですね。中国の皆さんに、この映画を新鮮な気持ちで受け止めて欲しい。キャストの皆さんの面白さを味わって欲しいですね」とコメント。
主演に沢尻を抜擢した理由について聞かれると、「『ヘルタースケルター』を観て、女優として心から尊敬していた。いつか自分の作品に出て欲しいと思っていて、日本アカデミー賞でお会いした際に挨拶に行きました。地味なキャラクターを沢尻さんに演じてもらうことで、すごく新鮮さが出ると思った。映画のグルーヴを作り出す時に彼女のパワーが欲しかった」と明かした。
沢尻は「劇場の舞台のようなセットを建てて撮影したシーンがあるんですが、とにかく大変でしたね。一連で撮る長回しのシーンで、色々と盛りだくさんで(笑)喜怒哀楽がすごく表現された難しい芝居でした。やりがいがあって面白かったです」と撮影を振り返る。
劇中でアイドルグループを結成したり、安室奈美恵の楽曲を披露しており、「歌って踊るのは大変でしたが、すごく新鮮でしたね。(練習)頑張りました!」と笑顔をのぞかせた。
猫を演じる上で参考にしたことを聞かれた吉沢は「猫の動画を見たりしましたが、犬童監督が猫の博士のような方なので、細かい部分や動きを教えてもらって、演出は監督にすべて委ねましたね」とコメント。
「もし猫になったら何をしてみたいですか?」との質問に、吉沢は「猫だから許される、女性とこう…密着するようなこと。そういうことです!」とハニカミ。続けて、「色々と壊してみたい!良い音のする花瓶をパリーンって落としてみたい」と、イタズラな一面ものぞかせた。
コムアイは「ウンコした後に自分で猫砂をかけてみたい。猫の仕草で1番好きなんです!」と明かし、真似をする姿に会場からは笑いが起こっていた。
イベントには、吉沢とともに良男を演じたロシアンプルーのグリグリがステージに登場。撮影終了後に引き取った沢尻は、良男の毛の色から取り“グリグリ”(フランス語で「灰色」=「Gris」=グリ)と名付け、可愛がっているという。
沢尻は「去年の11月ごろに撮影していたんですが、この猫ちゃんに出会って『ぜひ!』と思い譲り受けました。今では楽しく過ごしています」とにっこり。そんなグリグリにコメントを求めると「にゃー」と鳴いてみせた。その姿に吉沢は「かわいい!」と惚れ惚れしていた。
映画『猫は抱くもの』は6月23日(土)より全国公開
©2018 『猫は抱くもの』製作委員会