2018年秋に公開される映画『泣き虫しょったんの奇跡』より、個性的な登場人物たちが顔を揃える本作の中でも、ひときわ“強烈なインパクト”を放つ、新井浩文演じる清又勝のキャラクター写真が公開となった。
本作は「26歳の誕生日を迎えるまでに四段昇格できないものは退会」という新進棋士奨励会の規定により、26歳にして人生の目標を失い社会の荒波に放り出されてしまう“しょったん”こと瀬川晶司の実話。幼い頃から将棋一筋で生きてきた彼が、周囲に支えられながら再び夢を実現させるためにひたむきに挑戦していくさまを描く。
今回、豊田利晃監督作への出演は『蘇りの血』以来10年ぶりとなる新井。さらに、公私ともに交流のある松田と揃って出演するのは、共に主演を務めた『青い春』以来となる。今や日本を代表する名バイプレイヤーなった新井が扮するのは、晶司らと共にプロ棋士を目指す奨励会員のひとり、清又勝というキャラクターだ。公開となった写真には、七三分けでいかにも昭和らしい大きな眼鏡をかけ、こちらをジロリと見つめる姿が写し出されており、一度見たら忘れられない、絶妙に“ジワる”シュールな雰囲気を漂わせている。
そんな個性的すぎる役どころを裏付けるかのように、清又は劇中でも“奇妙な動き”を多々披露。撮影時には、監督から「扇子をペシペシやって」と演出されたという新井。晶司との対局シーンの中でも、盤上を必死の形相でジッと見つめ、クネクネさせる体に扇子をリズミカルに打ちつけたり、時には晶司の背後にまわって盤上をのぞき込むなど、“うっとうしい”仕草のオンパレードだ。空気を読まずに終始クセの強い動きを見せつける清又だが、本人はいたって真剣な表情を浮かべており、そのギャップにクスリと笑えるシーンに仕上がっている。
また今回、晶司と清又の試合をはじめ、対局シーンの撮影では、瀬川五段の協力を仰ぎ入念な将棋指導が施されたという。瀬川五段が「最初とは段違いに上手くなった」とその将棋の腕前に称賛を送るのは、自身の役を務めた松田龍平。その様子を傍で見届けていた新井も「その昔、香車が歩を飛び越えて指していた松田さんが、めちゃくちゃ強くなっていてびっくりしました」と、付き合いの長さを思わせる独特の表現で松田の成長ぶりを語っている。現在も第一線で活躍する異色のプロ棋士・“瀬川晶司”を見事に体現した松田と、一癖も二癖もある個性派キャラを演じきり、観る者に強烈な印象を残した新井。そんな2人の手に汗握る対局シーンに注目だ。
映画『泣き虫しょったんの奇跡』は2018年秋に公開
©2018『泣き虫しょったんの奇跡』製作委員会 ©瀬川晶司/講談社