映画『散り椿』完成披露試写会が27日、都内・TOHOシネマズ日比谷にて行われ、キャストの岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、監督・撮影の木村大作が登壇した。
大歓声で迎えられたキャスト陣。木村監督は、マイクなしで「この作品を良いと思ったら、ぜひ多くの人に宣伝してください!その責任が皆さんにはあります!」と大きな声で発信し、会場を盛り上げる。
岡田は「大作さんは愛が深いんです!ロマンチストですよね?本当に愛の深い方で、よく怒ることで大作さん有名ですが、良いものを撮るため・映像に関して以外は怒鳴ってるところを見たことがない」と木村監督の印象を明かす。
木村監督は「(本編で)馬は16頭走ってます!『関ヶ原』岡田さん出てますが、最大で15頭しか走ってない」と吐露。すかさず岡田は「『関ヶ原』には勝つって1頭増やされたんですよね(笑)」と笑みをこぼしていた。
さらに、黒木に対し「どの作品よりも美しく撮る!」と言ってカメラを向けていたという木村監督。黒木は「“大ちゃん”は照れ屋なんです。お茶目で、宣伝にも力を入れていて、記者さんたちが来る時はスーツをビシッと着ておしゃれにされるんです。撮影をしている間も、鋭い目で見ながら(演技を)面白がってくれる。温かい、映画を愛している方だなと思います」と明かした。
西島が「大作さんは嘘をつかない。記者会見があったときに、時間切れで質問できなかった記者の方に『俺答えるよ!』って駆け寄っていったんです。まっすぐな人にですね」と話すと、池松も「“大ちゃん”は素晴らしいです!いま初めて呼びました(笑)」と笑みをこぼした。
本作の殺陣のクレジットにも名前が刻まれている岡田。こだわりを聞かれると、岡田は「秘密です!」とハニカミ。木村監督とともに何度も殺陣を作っては壊し、それを繰り返して本編を作り上げたようで、木村監督は「映画で観る殺陣は、すべて100%岡田准一さんがつけた殺陣でございます!機会があって時代劇をやる時は、殺陣師として岡田准一さんに来てもらいたいと思います!」と絶大な信頼を寄せた。岡田は「仕事が増えましたね(笑)」と嬉しそうにしていた。
そんな岡田と剣を交えた西島は「シビれました。岡田くん本当に斬れる人だから、重さも全然違う。今までやった殺陣とは全然違いますね。何回か稽古やってて『あ、いま斬られたな』って」と振り返る。
岡田・西島との共演に、黒木は「人として出来た方たちだと思います(笑)」とにっこり。撮影中、反抗期だったという黒木は、岡田に悩みを相談したようで親身になって話を聞いてくれたそう。「一緒にやっていて面白かったです。西島さんはとにかくかっこよかったです。背も高いしスタイルもよくて…お2人ともストイックですね」と笑顔をのぞかせた。
池松は「待ち時間の時に、僕が岡田さんに一個殺陣のことを質問したんです。一言で返して欲しかったんですが、そこから1時間くらい。人間存在とは?みたいなところまで話してくださって。いい切り時があったんですが、西島さんが入ってきて…結局2時間くらい話をしていました。お2人とも素晴らしい方だなと」と、岡田・西島の熱量に触れたエピソードを披露し、会場を笑いに包み込んだ。
イベントでは、御年79歳の木村監督が、映画人生60周年を記念してInstagramを開設。木村監督は「フロアー?(フォロー)して!」とお茶目な笑みをこぼしていた。岡田は「大作さんがInstagramを始めました!ぜひ“大作グラム”をフォローしてください!」とアピールし、イベントを締めくくった。
過去に日本アカデミー賞最優秀撮影賞を5回受賞、キャメラマンとしてだけでなく、映画監督としても『劔岳 点の記』で第33回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞している木村大作が3度目の監督に挑む本作。黒澤明監督作品『隠し砦の三悪人』の撮影助手からキャメラマンのキャリアをスタートさせ、『用心棒』『椿三十郎』と黒澤明に従事してきた木村大作が、満を持して時代劇に初挑戦する。
主演に抜擢された岡田は、藩の不正を訴え出たために、時の権力に負け藩を追放された男・瓜生新兵衛を演じる。道場の四天王の1人という役柄から、約3ヶ月にわたる殺陣の稽古に励み、激しく鋭い剣豪アクションに臨む。岡田扮する新兵衛と共に道場の四天王の1人で、持ち前の頭脳明晰さで藩主の側用人として頭角を現す榊原采女役に西島秀俊が扮するほか、黒木華、池松壮亮、緒形直人、新井浩文、柳楽優弥、麻生久美子、石橋蓮司、富司純子、奥田瑛二らが共演に名を連ねる。
映画『散り椿』は9月28日(金)より全国東宝系にて公開
(C)2018「散り椿」製作委員会