脚本家・演出家として活躍している川口俊和の同名小説を、有村架純を主演に迎え実写映画化した『コーヒーが冷めないうちに』が9月21日(金)に公開される。この度、一般参加型キャンペーン「あなたの戻りたい過去はいつですか?」の結果が発表された。
誰もが一度は経験のある「もしも、あの時に戻ることができたら……」という後悔の思いから始まるストーリーである、本作の公開を記念して「あなたの戻りたい過去はいつですか?」をテーマに、エピソードを7月2日(月)~8月15日(水)の間に募集があった。
エピソードの応募総数は963通。その中から、原作者・川口俊和と塚原あゆ子監督、映画製作委員会で選考し、ステキな5つのエピソードを有村架純、波瑠、薬師丸ひろ子、吉田羊、石田ゆり子が朗読する。
選考結果は公式ホームページ(http://coffee-movie.jp/)“戻りたい過去”エピソード募集のページにて発表される。
有村架純 朗読エピソード
ぼくの戻りたい過去は、ぼくが生まれた時です。
ぼくが生まれた時、母はお腹が死ぬほど痛くてたまらなかったと言っていました。でもそれ以上にぼくが生まれた瞬間は今までの母の人生の中で、最も嬉しくて、最も幸せな、最高の瞬間だったと聞きました。死ぬほど痛いのに、どうして最高に幸せなのか、ぼくは母からぼくが生まれた瞬間に戻り、母の人生史上、最も幸せだという顔を見てみたいのです。ぼくは中学生になってから母に迷惑をかけてばかりで、母の幸せそうな顔をずっと見ていないので。(滋賀県 13歳 男性)
波瑠 朗読エピソード
私が戻りたいのは小学1年生の秋。その年の冬、父が亡くなりました。35歳になって2日目でした。
かれこれ18年前の事です。朝起きたら冷たくなっていました。私も、まだ2歳だった弟もよくわかっていませんでした。父が亡くなる前日、実は父に明日公園行こうなって言われて楽しみにしていたのですが、叶いませんでした。きっと死という現実は変えられないと思います。なら、せめて感謝を伝えたい。生きている内に大好きだと、父が父で良かったと、私は来年の1月で25歳になるよと。弟も来年の1月、成人式です。全てここまで育ててくれた母のおかげでもあります。あなたが愛した女性は、優しくて面白くて怒るとかなり怖いけど自慢の母です。全てにありがとうと伝えたいです。(静岡県 24歳 女性)
薬師丸ひろ子 朗読エピソード
私が戻りたい過去・・・。病院のベッドに横たわる主人と会話を交わしたあの日です。
主人は大学時代の弓道部の先輩、いつもたくさんの愛と幸せな時間をくれた人でした。結婚して10年足らずで白血病を発病、2年以上の闘病の末、最後は意思の疎通もままならない状態となりました。その中でも一度、もう自分は駄目だからと、私と子どもの将来について思いを伝えてくれた瞬間があったのです。それなのに私は、主人の死を受け入れるような事を口にしたくなくて、そんな弱気なこと言わないで・・・としか言えなかったのです。ありがとうを伝える最後のチャンスだったのに・・・。今でも時折後悔が押し寄せます。あの日に戻って、あなたと知り合えて、愛し合えて、一緒に過ごせた17年余りの日々がどんなに幸せだったか・・・素直にありがとうと伝えたいのです。(広島県 女性)
吉田羊 朗読エピソード
父親が心込めて、私の結婚式で歌ってくれた。出席者のほとんどの人があまりに音痴で笑ってた。でも、あまりに一生懸命に歌ってる父を見て母と私は、泣いてしまった。今はもういない父。あの日に戻りたい。(兵庫県 58歳 女性)
石田ゆり子 朗読エピソード
他愛もない日常だけれど『ママ、お家に帰ったら絵本を読んでね』と、息子達がかわいいお願いをしてきた、あの夜に短時間でいいから戻りたい。
看護師の仕事は忙しく、毎日残業ばかり。保育園からの帰り道、お願いされたのに。ご飯を作ってから、洗濯が終わってから、洗い物した後に、と後回しにしてしまって、ふと気付いたら絵本を抱えながら2人とも寝てしまっていた。
『ごめんね。』
私も一生懸命ではあったけど、寝顔を見ながら泣きました。そんな息子達ももう高校生と中学生。時間は戻せないけど、もし時間が巻き戻せる事が出来る事があるなら、あの日に戻りたい。その気持ちはずっとずっと変わりません。(神奈川県 41歳 女性)
映画『コーヒーが冷めないうちに』は9月21日(金)より全国東宝系にて公開
(C)2018 映画「コーヒーが冷めないうちに」製作委員会