ジョニー・デップ、新作映画で“水俣病”を世界に訴えた写真家役 日本でも撮影を敢行予定

俳優のジョニー・デップが、水俣病を世界に訴えた実在した写真家ユージン・スミスを演じることになったとハリウッド・リポーター誌などが報じた。

本作は、世界に水俣病を訴えた報道写真家のウィリアム・ユージン・スミスと彼の妻であるアイリーン・美緒子・スミスの『ミナマタ/Minamata(原題)』をもとに、デヴィッド・K・ケスラーが脚色し、『Lullaby(原題)』のアンドリュー・レヴィタスがメガホンを握る。

ユージン・スミスが世界に訴えたのは、戦後、高度経済成長下に起きた公害病とされる水俣病の実態だ。当時、チッソが海に流した工業廃水に含まれるメチル水銀によって汚染された魚介類を摂取することで水俣病が引き起こされた。すでに1950年代に水俣病の患者が確認されていたが、「チッソ」のみならず、国や県の対応の遅れもあり、公害認定されたのは実に1968年になってからのこと。その間も、大量のメチル水銀が「チッソ」によって海に垂れ流されたことで、被害者の数は増加の一途を辿っていた。

公害認定の50年後の現在も裁判が続いているという水俣病だが、1971年にユージン・スミスが取材したある時には、「チッソ」によって雇われた暴力団員が、カメラを破壊し、片目を失明させるなど重傷を負わせるなどしてまで、その実態を隠蔽しようとした。

そのような苦境に追い込まれたユージン・スミスだったが、被害者の方への取材と撮影を重ね、これまでダビデに立ちはだかるゴリアテのような巨大な力に捻り潰されてしまっていた問題を、レンズを通して世界に訴えたのだった。

本作は、すでに現在も水俣病と闘う患者やその家族の方々への取材や面会などを行っているが、そのサポートを得て作られることになるといい、このいまだに解決されない環境問題を世界に改めて訴えるべく、2019年1月に撮影を開始し、その後セルビアで撮影する予定だ。

参考:https://www.hollywoodreporter.com/news/johnny-depp-play-war-photographer-w-eugene-smith-minamata-1154396

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