『青の帰り道』真野恵里菜×清水くるみインタビュー|「色んな苦労があって、それを乗り越えて幸せがある」

映画『青の帰り道』真野恵里菜×清水くるみインタビュー

青の帰り道

本作は、群馬県前橋市と東京を舞台にした7人の若者達の青春ドラマ。歌手を夢見る主人公カナ役に真野恵里菜、カナの親友キリ役に清水くるみ、唯一硬派でやんちゃなキャラクター・リョウ役に横浜流星が扮するほか、森永悠希、戸塚純貴、秋月三佳、冨田佳輔らが共演する。監督を『オー!ファーザー』『デイアンドナイト』などで知られる藤井道人が務める。

映画ランドNEWSでは、真野恵里菜と清水くるみの2人に、完成までの長い道のりを経て生まれた作品への深い愛情、撮影時のエピソードなどを伺った。

──群像作品だけれど、一人一人の人生にしっかりフォーカスがあたっている作品だと思ったのですが、お2人は役が決まってから藤井監督とはどのようなお話をされましたか?

青の帰り道
真野恵里菜

真野:私はカナという役で、「音楽をやりたい!」と東京に出てくるというところが自分と重なりました。私自身も17歳で東京に出て来ているので、似ているなと思ったし、だからこそ、このカナっていう役は、絶対私がやりたいって思いました。一歩違ったら、私もこの子みたいな人生を歩んでいたかもしれないっていう恐怖心も抱いて。藤井監督からは「真野ちゃんの思うようにやってみて」って言われました。

──現場に入る前と入ってからも、役についていろいろとお話を重ねたのでしょうか?

真野:2年やっているので、最初の年と次の年ではお互い考え方も変わったし、ピアノっていうのも、もともとは私がやっていたので、カナがピアノを演奏するシーンがあるんですけど、そこに関してはあまりやりたくなかったんですよ。

──え!そうなんですか?

真野:ピアノを弾いて歌を歌うということをしていたので、自分と重なりすぎて。見る人によっては、「カナではなく真野ちゃんが久し振りにピアノを弾いて歌ってる」っていう観られ方をするのが、昔はアイドルでしたけど、今は役者としてやらせていただいているうえでは、一番避けたいところでした。でもこれは逆に試練だろうなっていう考え方で、今までの自分のイメージと、それを越えての役を演じなければいけないと感じていました。これは一個藤井監督から課せられた試練だな、と。

──ありがとうございます!キリという役を演じて清水さんはいかがでしたか?

青の帰り道
清水くるみ

清水:結構、陰のある役を演じさせて頂くことが多いので、真野ちゃんはすごい陽だし、すごくカナにぴったりで。1年撮影が空いた時に、藤井監督のワークショップでカナの役を1回やったことがあって・・・

真野:えー!そうなんだ!

清水:でも全然出来なくって。やっぱり、この役にはこの人っていうピッタリの役があるし、たぶん私はこっちなんだろうなって思って。それを最初から藤井監督はわかっていたのかな…。カナはとっても難しかった(笑)。

真野:私は逆にキリは難しいって思う!それを考えたら、あのキャスティングはすごいなって思いますね。それぞれそのまんま・・・では無いんだけど、ちゃんとみんな当てはまっているので。現場に居てもみんなその役で見えてましたね。

──藤井監督は脚本も書かれているので、作品全体もですが、一人一人への思い入れも強いんだろうなと感じました。

清水:1年目と2年目でちょっと変わって。ブラッシュアップされて、よりリアルなところが増えましたね。

──清水さんは、家族とのシーンも多く、商店街を工藤夕貴さん演じる母親と歩くシーンはすごくグッときました。清水さんにとって家族とはどのような存在ですか?また、工藤さんと共演されてみていかがでしたか?

青の帰り道
真野恵里菜×清水くるみ

清水:(家族でのシーンは)すごく共感する部分が多くて、私も昔反抗期があったので。

真野:えー!

清水:あそこまでのバチバチっていうのは無いですけど、デフォルメされたらああいう感じになるのかなと。気持ち的にはすごく染みるものがありました。また、工藤さん演じるお母さんが本当にすばらしかったです。

──素っ気ない態度でも、ちゃんと奥には愛がある感じまで伝わってきました。

清水:私がちょっと感情の方向を変えたりすると、その上をお芝居で返してくださいました。どんな時でも全部受け止めてくれたので、本当に素晴らしい役者さんだなと思いました。

──その素敵な関係性がとても伝わってきました。同世代のメンバーで青春しているシーンもニヤニヤしてしまいました(笑)。

青の帰り道
(C)映画「青の帰り道」製作委員会

真野:このポスターの表情も絶対お互いNGだよね(笑)。

清水:すごいよね(笑)。

真野:この作品だからこの顔でちゃったよね(笑)。すごい、これ(笑)。

──ポスター、すごく好きです!『青の帰り道』の全てが出ている感じがしますよね(笑)。

真野:この(ポスター)の写真撮ったとき全然覚えてないんだよね。

清水:全然覚えてない。たぶんどっかで・・・

真野:スチール用で撮った・・・?のか、本編からの切り取りなのか・・・

清水:切り取りだった気がする・・・っていうくらいすごくリアル。いいポスター!

──真野さんが演じたカナを見ていて、「やりたいこと」とか「仕事」ってなんだろう?って改めて考えてしまいました。真野さんはカナを演じてみて、仕事に対する考え方とか、何か変化はありましたか?

青の帰り道
真野恵里菜×清水くるみ

真野:自分も仕事を見つめ直す瞬間がありました。私の中では「やりたいことと、やれることと、やるべきことは違う」って思っているんですけど、本当にそうだなって思って。自分がやりたいことと、みんながやって欲しいって求めることが違ったりするので。カナはそこの葛藤がありすぎて、ちょっとああいう風に崩れていってしまったんですけど、本当はもっとうまく出来たんじゃないかなって思うし、でも、真っ直ぐなのもカッコイイなって思うし。私はどちらかというと、やりたいことがあったけど、それがあまり言えなくて、今ある中で漂うっていう感じだったので、あの子の意志の強さは間違った方に行ってしまったけど、カッコイイなとは思いましたね。やりたいことがある人って、やっぱりその瞬間輝いているし、周りもバックアップしてくれたりもするので。今の人ってやりたいことが見付からない人も多いと思うので、いろんなことに興味を持つっていうのは、大事だなって思いました。こうでなきゃいけないっていうことは無いんだなっていうのが伝わる作品だなって思います。それぞれの幸せがあるので。みんな色んな苦労があって、それを乗り越えて幸せがあるから。この作品もそういうヒントになったら良いなって思います。

──観ていて、いま真野さんがおっしゃられていたようなことを感じました。今からこの世代になっていく方たちもそうですけど、上の世代の人たちも改めて自分の人生を見つめ直せるというか。そして、すごく脳内に残るような印象的なシーンもたくさんありました。キリがカナの部屋に戻ってくるシーンとか・・・

清水:あー。あのシーンはもう・・・

真野:撮影もスケジュールがキツキツだったし、夏に撮っていたので、とにかく撮影していた部屋が暑かったんですよ(笑)。

清水:クーラーが無かったんですよね。

真野:あの部屋の中にたくさんのスタッフさんたちが入ってくださって撮影していたので、私たちの芝居も大事だけど、カメラも熱さで唸っちゃったり(笑)。

清水:大変でしたね・・・終わったあと、2人で抱き合いましたもん(笑)。ありがとー!っていう感じで。

真野:達成感というか、ずーっとワンカットで果てしなかったので。プレッシャーもお互いもちろんあったし。

清水:私は真野ちゃんに引っ張ってもらいました。

真野:いやいやいや。

──セリフも表情も心打たれる感じでした。

真野:藤井監督がちょっとズルいなって思ったのが、キリに対して言うセリフをその時によって変えたりするんですよ。何がキリにとって一番言われたくない言葉なんだろう?っていうことで、5パターンくらいもらっていたんです。

清水:全部、酷でした(笑)。

真野:結構キツいことを言うので、それを言うのもカナとしては辛いんですよね。やっぱり一緒に夢見てきて一緒に住んでて。帰って来てくれたことも嬉しいんだけど、今更遅いよっていう中でのセリフだったので。絶対面と向かって言えないよっていう言葉だったので、苦しかったですね。

──では逆に、楽しかったシーンってどこですか?

青の帰り道
真野恵里菜×清水くるみ

真野:・・・公園?

清水:あ、公園!確かに。ここ(ポスター)と、公園のシーンくらいしか楽しいシーンは無かったよね。

真野:あと、東京の居酒屋?

清水:でも開放感は無いから、やっぱり公園・・・?公園は楽しかったよね。

──タツオ(森永悠希)の誕生日のシーンですよね。

清水:そうです!でも段取りは難しかったよね。

真野:しなきゃいけないことがたくさんあって。ケーキのロウソクをつけるとか、花火つける、飲み物を渡す、開ける、みんな歌を聞きたいから座る、とか。

清水:でも私はこの(ポスター)のシーンが楽しかったですね。

──ザ・青春!って感じですよね。あとは、居酒屋から帰ってカナとキリの部屋で皆が寝ている中でのタツオとカナが動画を見ながら喋るシーンもキュンとして。そこからカナのタツオへの気持ちも気になっていたのですが、実際に真野さんは、どのような気持ちでカナとしてタツオに接していたのですか?

真野:明確な恋心とかは、うーん、無いのか在るのか・・・ちょっと男友達ノリな感じもあるじゃないですか。そういうのって当たり前にいる時は気付かないけど、何か起こってから自分の感情に気付いたものもあるのかなって。だからあんまり男女間の感情になって欲しくないっていうのは、藤井監督から言われていて。見てる人が、どっちだろう?って考えて欲しいなってことだったので。

──まさにその距離感と揺れ動きを観ていて感じたので、聞いてみたかったんです!

清水:そういう感情って、ありますもんね。あるからこそ共感する人も多いのかなって思いました。あの2人の関係性は。

──作品の中でカナとキリが夢を背負ってやってきた東京という場所は、お2人にとってはどのようなところですか?

青の帰り道
真野恵里菜×清水くるみ

真野:夢を叶えてもらった場所ですね。出身は神奈川で、隣の県ですけど東京に行くことってあまり無かったので、本格的にお仕事を始めてから、東京でレッスンに通うとかお仕事するとかで行き来していて、のちに住むようになって、良いことも悪いこともいっぱいあったけど、結果東京に居たからできたことってものすごくたくさんあって。逆に自分が大人になって、もっともっと年を重ねて、老後どこに住むんだろう?と考えた時は、東京は選ばないと思います。当時のこのガムシャラに頑張って来た時期を思い出す場所であって欲しいから、また住んじゃうとそこに新しい思い出が重なってしまうので。十年間必死にいっぱい泣いて笑って夢を叶えた場所だったから、そのままのイメージを残しておきたいなって思います。

──清水さんはどうですか?

清水:私は高校生の時から東京に来ていて、出身は名古屋なので簡単には帰れますけど、長く休みが無いと帰れないので、東京の方が日常ですね。青春もあるし、高校も大学も行って、友達もほとんど東京なので、こっちに全部がありますね。名古屋の友達も全然居ますけど、名古屋に居る時に「東京に帰るね」ってなりますね。

真野:拠点がこっちなんだ。

──最後に、ラストシーンでまたすれ違うカットも印象的でしたが、真野さんからカナへ、清水さんからキリへメッセージを送るとしたらどんな言葉を伝えますか?

青の帰り道
真野恵里菜×清水くるみ

真野:なんだろうな~。「頑固は良くないよ」ですかね(笑)。もっと素直になって欲しかったなって思いますね。仕事に対しても、自分の信念があるのは良いけど、それが強すぎた故にこうなってしまったし、甘えたかったりすがりたかった瞬間も、泣いても良かったのに、それすらも出せないくらい自分で自分を追い込んじゃっていたから、カナとキリが対峙するシーンは辛かったので。素直になる、自分の弱さを出すっていうのも、決してかっこ悪いことじゃないんだよってことを伝えたいですね。

──キリに対してはどうでしょうか?

清水:「前を向いていこうよ」ですかね。青春って輝かしいし、もちろん辛いこともあったけど、やっぱり青かった帰り道はあるけど、この道は戻るんじゃなくて、前に進んで行こう!っていうことですね。あのラストのシーンはめちゃくちゃグッとくるので。

──素敵なメッセージですね。ありがとうございました。

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青の帰り道
真野恵里菜×清水くるみ

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映画『青の帰り道』は12月7日(金)より新宿バルト9ほか全国順次公開

(C)映画「青の帰り道」製作委員会

取材:矢部紗耶香/撮影:ナカムラヨシノーブ
真野恵里菜:ヘアメイク:太田年哉(maroon brand)/スタイリスト:黒田菜菜子
清水くるみ:ヘアメイク:堀川知佳(アッパークラスト)/スタイリスト:山口ゆうすけ

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作品情報

青の帰り道

青の帰り道

4.1
2018/12/07(金) 公開
出演
真野恵里菜/清水くるみ/横浜流星/森永悠希/戸塚純貴/秋月三佳/冨田佳輔/工藤夕貴/平田満 ほか
監督
藤井道人