映画『春待つ僕ら』磯村勇斗×稲葉友インタビュー
土屋太鳳や北村匠海といった人気若手俳優が集結した青春映画『春待つ僕ら』のBlu-ray&DVDが4月10日(水)より好評レンタル中、5月10日(金)に発売される。バスケ男子4人の中でクールな眼鏡男子・若宮恭介を演じた磯村勇斗と、ムードメーカー的存在の可愛い弟キャラ・宮本瑠衣役を演じた稲葉友は撮影を通して交流を深めたという。そんな2人に今作の現場を改めて振り返ってもらい、撮影秘話や作品を通して感じたことなどを語ってもらった。
──映像特典のビジュアルコメンタリー※の収録はいかがでしたか?
※Blu-ray&DVDのプレミアム・エディションに収録
稲葉:みんなで集まるのが最後だったからか、かなりワイワイしてたよね。
磯村:ワイワイ盛り上がったね(笑)。僕らと一緒になって平川雄一朗監督もノリノリでお話してくださって、本当に楽しい収録でした。
稲葉:“みんなこんなこと思ってたんだ”とそれぞれの言葉に気づきがあって面白かったですし、今まで様々なインタビューの場で作品について語ってきたのにまだ新しい話が出てくるものなんだなと驚いたりして。撮影中のエピソードはもちろん、“このシーンのこれが好き”とか、他にもどうでもいい話で盛り上がったので楽しみにしていてください(笑)。
──(ビジュアルコメンタリーの収録で)キャストのみなさんが集合したのはいつぶりですか?
稲葉:完成披露試写以来です。と言っても二週間も経ってないんですけどね(笑)。匠海くん、(杉野)遥亮、(小関)裕太と僕ら男5人での稼働はあったんですけど、太鳳ちゃんを含めた6人が揃うのは撮影以外ではほとんどなかったので、会うと楽しくなってしまうんです。
磯村:なかなか集まれないので、こういう機会にみんなに会えるのが本当に嬉しいです。
──花形バスケ部の青春を描いた今作ではバスケのシーンも多く登場します。改めて撮影を振り返ってみていかがですか?
稲葉:バスケのシーンはエキストラの方も部員役として参加してくださっていて、人数も多いので撮影が進むにつれてお芝居と単にバスケをしていることの境目が曖昧になるというか、映画の撮影という意識から少し逸れてしまう人もいたんです。その状況も本当の部活っぽいなと思ったんですけど(笑)。それで、これを利用しない手はないなと思って、“はい集合!しっかりやろう!”みたいな声がけをさせて頂いて、ギュッとみんなの気持ちを引き締めることも率先してやるようにしていました。
磯村:もちろん、そういったことを友ができたのはバスケの練習のときにしっかりみんなとコミュニケーションが取れていたからだと思うんです。メインのキャストだけではなく、全員でこの作品を良いものにしようとしていたからこそというか。
稲葉:本編で試合のシーンに参加しない人もバスケの練習をとことんやってくれていましたし、僕らがシュートをきめたときは凄く喜んでくれたのも嬉しかったです。それにバスケ初心者の裕太にみんなでアドバイスできたのは、練習からしっかりと仲を深めていけたからなんじゃないかなと。
磯村:コミュニケーションは大事にしていました。その成果もあってメインで映る人だけが良いお芝居をしたらそれでOKではなくて、現場にいる全員が気を抜かずに撮影に挑んで絶対にNGを出さないという意識で取り組んでくれるようになっていったんです。皆さんのそういう意識に助けられた部分も多々ありました。
稲葉:あれだけの人数の男が集まると大抵バカな話しかしないんですけど(笑)、一緒にワイワイ騒いでくれたり、時には真剣にバスケの練習をしたり、ひとつの作品を作るためにみんな一生懸命で凄く良い現場でした。
磯村:バスケ部員のオーディションから僕らは見ていたんですけど、ストリートバスケをやっている人達も参加してくださっていて。彼らのプレーはNBA並みのテクニックなので、“お芝居とはいえこんな人達と試合をするのか…”と最初は唖然としてしまったんです(笑)。もちろん鳳城高校のバスケ部が強いというのは原作にもありますけど、さすがにぶっ飛んだメンバーが集まってるなと若干不安になったよね。
稲葉:唖然というより絶望したよね(笑)。
磯村:絶望した(笑)。ただ、僕らもプロ並みの彼らと同等に戦いたいという強い想いがあったので、鳳城のチームの皆さんとコミュニケーションを取りながら“どうしたら上手く撮影が進むか”という話をさせて頂いたんです。皆さんが快く協力してくださったおかげで場の空気が一体となって、試合のシーンに挑めたのは良かったなと思います。
──この作品はお2人にとってどのようなものになりましたか?
磯村:友はもちろん、北村くんや杉野くん、裕太くんや太鳳ちゃんと一緒に撮影できたことは凄く良い経験になりました。裕太くんと杉野くん、太鳳ちゃんとは二回目の共演で、友と北村くんとは初共演だったんですけど、皆さんと一緒にお芝居出来たのは刺激的でしたし、僕にとってとても大切な出会いになりました。
稲葉:僕も同じで人との出会いが大きかったです。皆さんとは初共演だったんですけど、規模の大きな作品の主要メンバーとして出演させて頂くのも今まであまりなかったですし、このタイミングでこのメンバーで映画を作ることができたのは本当に奇跡だなと。良い関係性を築くことができたことは人生の財産になりましたし、この作品を足がかりにステップアップして、いつかまたこのメンバーの誰かと共演することになったらいいなと思います。
磯村:それが一番嬉しいよね。
──割とすぐ共演するかもしれませんよね?
磯村:「もう共演?」みたいなこともあるかもしれないですね(笑)。
稲葉:このメンバーが頑張っていると思うと半端なことはできないから気合いが入るよね。
磯村:お互いに負けられないからね。
──今回パッケージ化されることで、最後にお1人ずつ“このシーンに注目して欲しい”というポイントがあれば教えて頂けますか。
稲葉:一番最初に太鳳ちゃん演じる美月がバスケ部の練習を見るシーンは凄くいいですよ。最初ドリブルの音や女の子達の歓声が聞こえて、でも一度は気にせず去ろうとするんです。でも、そのあとドリブルの音が心音みたいに“ドン ドン”と鳴って、そこで美月がハッとして何かに引っ張られるように試合を見に行く。最初に完成した今作を観たときは気付かなかったんですけど、昨日再見したらそのことに気付いて凄く感動しちゃって。平川さんの演出の素晴らしさと音の使い方が素敵だなと思いました。ただ女の子達が騒いでるから試合を見に行くよりもドラマチックだし、もちろん太鳳ちゃんの表現力も凄いなと。そこは是非注目して頂きたいです。
磯村:僕は最後に美月が作文を読むシーンが好きです。美月の表情も良いですし、バスケの試合のシーンの裏で作文が読まれたりしていて。最初は素直にそのシーンを見て頂いて、2度目は目を閉じて作文を読む声だけを聞いてみるのも良いと思います。実際に太鳳ちゃんが美月の気持ちで作文の内容を考えていますし、凄く説得力のあるシーンなので是非注目して頂きたいです。その作文の内容は若い世代だけじゃなく幅広い年齢層の方に届くメッセージにもなっているので、きっとご覧頂くと明日を生きるパワーになるんじゃないかなと思います。
稲葉:最後にもうひとつ、勇斗には色々と助けられたし、おかげで僕も安心して現場にいられたのでこの場を借りて言いますね。“ありがとう!”
磯村:いま?(笑)。でも確かに友と僕は良き夫婦感を現場でも醸し出していて(笑)、それがそのまま作品に出ていると思うので、そういう部分も愛でて頂けたら嬉しいです。
映画『春待つ僕ら』Blu-ray&DVDは5月10日(金)発売/4月10日(水)より好評レンタル中
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取材:奥村百恵/撮影:ナカムラヨシノーブ