『キングスマン』シリーズで知られる俳優のタロン・エガートン。大ヒット公開中の映画『ロケットマン』への出演にいたるまでの間に、何度も“エルトン・ジョン”に引き寄せられる運命の糸のようなエピソードがあった。
音楽界の最高峰グラミー賞を5度受賞し、世界一売れたシングルの記録を持つ伝説的ミュージシャン“エルトン・ジョン”の半生を映画化した本作。“エルトン・ジョン”を演じるタロン・エガ-トンのほか、ジェイミー・ベル、ブライス・ダラス・ハワード、リチャード・マッデンらが出演。『ボヘミアン・ラプソディ』の最終監督を務めたデクスター・フレッチャーが監督を務めたほか、『キングスマン』シリーズの監督マシュー・ヴォーンと、エルトン・ジョン自身も製作として参加した。
数々の名曲を生み出してきた伝説的ミュージシャン、エルトン・ジョンの半生を豪華絢爛のミュージカルで描いていく本作。エルトン役となる主演に大抜擢されたのは、『キングスマン』シリーズで知られる俳優のタロン・エガートン。カンヌ国際映画祭の公式会見では、思わず涙ぐんでしまうほどエルトン・ジョン本人とのコラボレーションに終始感激していた様子のタロンだが、本作への出演にいたるまでの間に、何度もエルトンに引き寄せられる運命の糸のようなエピソードがあった。
そのひとつとして挙げられるのが、タロンの代表作でもある、『キングスマン:ゴールデン・サークル』(18)でのエルトンとの共演。『キングスマン』シリーズの監督を務め、本作においても製作として参加しているマシュー・ヴォーンは、エルトン・ジョンの大ファンだったことから『キングスマン:ゴールデン・サークル』への出演を依頼し、夢のコラボレーションが実現したそう。その後もエルトンと良好な関係を築いたことから、本作の制作にも誘いを受けたマシューは『キングスマン』シリーズや、『イーグル・ジャンプ』(未)でタッグを組んだタロンやデクスター・フレッチャー監督を本作へ引き寄せることとなる。
また、タロンの美声を世界中に証明し、もうひとつのエルトンとの運命を感じさせる作品となったのが、「怪盗グルー」シリーズでお馴染みのイルミネーション・エンターテインメントが制作した長編アニメーション映画『SING/シング』(17)。動物たちが歌のオーディションに挑戦する姿を描く作品で、タロンはシャイなゴリラのジョニー役として出演。ガタイのいい見た目とは裏腹に甘いボイスの持ち主であるジョニーだが、劇中の重要なシーンで、エルトン・ジョンの「I’m Still Standing(アイム・スティル・スタンディング)」を熱唱。本作のエルトンを意識した歌声とは違い、ジョニーとして優しい歌声を披露しており、2作品に渡って、エルトンの同曲を歌唱するという稀にない経歴を刻んだ。
最後のポイントとして挙げられるのは、 タロンが17歳の頃に受けたオーディションで「Your Song(僕の歌は君の歌)」を歌唱したというエピソード。今作の主演にタロンを推薦した張本人のマシューは「僕はタロンという人間を知っていたし、彼が見事に歌えることも、英国王立演劇学校の入学に向けたオーディションで彼が“Your Song(僕の歌は君の歌)”を歌ったことも知っていた。だから、この作品にはつながりを感じていたんだ」と明かしており、タロンも当時のオーディションを振り返りながら「美しくて世界一の歌だと思っていて、大好きな曲だったんだ。だから、本当に…信じられない(泣いてしまう)(笑)」とコメント。様々なきっかけが重なり合って起きた今回の運命的なオファーがタロンにとってもいかに特別なものであったかが窺える。
さらに、撮影に先立って、エルトンの自宅でカレーを食べながら、エルトンに関するすべてのことを語り合ったという2人。エルトンは「触れちゃいけない話題など何もなかった。タロンが僕を演じるなら、彼はすべてを知っておかなきゃならない。そして彼は貪欲に知りたがった。友人同士のように語り合ったよ。だからこそタロンは見事に演じられたんだと思う。会話を通して素晴らしい友情を築けていたからね」と、『ロケットマン』のためだけの仲間ではなく、生涯の友人としても絆を深めたことを明かしている。
エルトンに絶大な信頼を寄せられるだけでなく、エルトン本人にも大きなリクペクトを払うタロンが、本作でどのように伝説的ミュージシャンの半生を演じていくのか。劇場で観届けよう。
映画『ロケットマン』は大ヒット公開中
(C)2018 Paramount Pictures. All rights reserved.