誰にも真似できない感性を持つマシュー・ヴォーン【監督・俳優のすすめ Vol.11】

“監督で観る” “俳優で観る”映画の楽しみ方。今注目の人やこれから注目すべき映画監督・俳優について紹介する【監督・俳優のすすめ】。Vol.11はプロデューサーでもあり映画監督としてもヒット作を生み出してきたマシュー・ヴォーン。

Keyword 1:プロデューサーとして映画監督ガイ・リッチーとコンビでヒット作を連発

『キック・アス』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の監督として知られる前は、ガイ・リッチー監督作のプロデューサーとして知られていたマシュー・ヴォーン。映画への熱意から大学入学後まもなく退学して、25歳の時にアナベラ・シオラ、マイケル・ガンボン主演の『謀殺』で初めて長編映画のプロデュースを手掛ける。その後、偶然ガイ・リッチーの脚本を読む機会があり、完全に魅了されたマシュー・ヴォーンは、97年にガイ・リッチーとともに製作会社スカ・フィルムズを設立。その第1弾として送り出したのが映画ファンの間でも人気の高い『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)。当時29歳のガイ・リッチーの長編監督デビュー作で、マシュー・ヴォーンは26歳。2人は新人コンビながら成功を収めた。その後もブラッド・ピット、ベニチオ・デル・トロ、ジェイソン・ステイサム出演『スナッチ』(00)、マドンナ主演『スウェプト・アウェイ』(02)とコンビで製作した映画はいずれも大ヒットとなった。

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Keyword 2:思いがけない監督デビューで大作映画に抜擢!

プロデューサーとして映画製作に携わっていたマシュー・ヴォーンは、映画監督になった経緯を “ 監督が僕を怒らせることが多かったから、自分が監督になった。自分もそうだが、監督の多くはエゴで誇大妄想者だから。” と冗談まじりに語っている。そんなマシュー・ヴォーンの初監督作はダニエル・クレイグ、トム・ハーディ、ベン・ウィショー、ジェイソン・フレミング、シエナ・ミラーら超豪華キャストが集結した『レイヤー・ケーキ』(04)。実は監督を務めるはずだったガイ・リッチーが降板し、他に代役がいなかったため、マシュー・ヴォーンが監督を務めることになったといういきさつがある。しかし、本作は公開後、高い評価を得て、その後のキャリアへとつながるきっかけとなった。

“ 脚本を読んで、自分なりの『プリンセス・ブライド・ストーリー』を作ることができると感じた ” と語る監督2作目の『スターダスト』(07)は、登場人物が多いなか、観客を楽しませる演出や予想を覆す展開の連続で、個性的なキャラクターたちの物語を巧みにまとめ上げている。
続く監督3作目『キック・アス』は、ヒット・ガールの設定について脚本段階では懸念していたスタジオの多くが、完成した映画を観ると「もっとヒット・ガールのシーンはないのか」と言うほどの完成度。敵味方含めて真似したくなるような魅力的なキャラクター、共感を呼ぶストーリー、往年の映画音楽の使用、容赦のない痛快なアクションなど、多くの映画ファンの心を掴んだ。
監督4作目では人気シリーズ『X-MEN』の起源を描く『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』の監督に抜擢。これまでのシリーズのファンが楽しめる要素を盛り込みながら、マシュー・ヴォーンらしいアクションや音楽の使い方がX-MENの世界を盛り上げ、シリーズ初体験の人でも楽しめる内容で、公開当時はシリーズ最高傑作とも言われた。

レイヤー・ケーキ
キック・アス
X-MEN

 

Keyword 3:最新作は監督が“本当に作りたかった映画”

現在公開中のマシュー・ヴォーン監督最新作『キングスマン』は、誰も見たことのない超過激スパイアクション映画。あの『キック・アス』コンビの再タッグという点も魅力だが、原作の企画段階から共同原案として参加しているマシュー・ヴォーン監督自身の思いがかなり詰まった特別な映画と言える。

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劇中の登場人物の会話にもあるように「最近のスパイ映画はシリアスすぎる」という思いから製作されただけあって、本作の魅力はその痛快さにある。物語はシリアスだが、敵も含めた登場キャラクターたちやアクションシーン、音楽などは、爽快とさえ感じるほど。監督自身スパイ映画が好きだと語っていることもあり、往年のスパイ映画へのオマージュも随所に見られる。もちろんスパイ映画といえば無くてはならない数々の魅力的なスパイグッズも登場。さらに、貧しいながらもスパイとしての素質を見出される主人公には、マシュー・ヴォーン自身の生い立ちが投影されていると思わずにはいられない部分も。全編を通して“映画を楽しむ”という雰囲気に溢れた本作は、スパイ映画ファンならずとも見逃せない。

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気になる次回作はヒット・ガールとビッグ・ダディの誕生秘話を描く『キック・アス』の前日譚の製作を準備中と報じられており、期待せずにはいられない。


マシュー・ヴォーン
ロンドン生まれの映画監督・プロデューサー。
アメリカのロサンゼルスで助監督として働き始めるが、ロンドンへ戻り大学へ入学。映画への情熱から退学を決意し、再びロサンゼルスに渡るも、競争の激しさからイギリスへ逆戻り。プロデューサーとしては、ガイ・リッチー監督の『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)、『スナッチ』(00)、『スウェプト・アウェイ』(02)のほか、『ミーン・マシーン』(01)、『狼たちの処刑台』(09)、『ペイド・バック』(10)、『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』(13)などを製作。
監督としてはデビュー作『レイヤー・ケーキ』(04)の成功により、『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(06)の監督を依頼されるが降板。しかしその後、『スターダスト』(07)、『キック・アス』(10)を経て、『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』を監督し、新シリーズを成功へと導いた。

『キングスマン』
9月11日(金)より全国ロードショー中
公式サイト:kingsman-movie.jp
【監督・脚本】マシュー・ヴォーン
【原作】マーク・ミラー
【出演】コリン・ファース、マイケル・ケイン、サミュエル・L・ジャクソン、タロン・エガートン、マーク・ストロング
(2014/アメリカ/R15+)

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©2015 Twentieth Century Fox Film Corporation

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