堤真一×石田ゆり子が初共演、堤幸彦監督が雫井脩介の原作「望み」映画化

堤真一が主演を務める映画『望み』が今秋に公開される。

望み

「クローズド・ノート」「検察側の罪人」の雫井脩介が、執筆時に最も悩み苦しみ抜いたというサスペンス小説「望み」。物語の主人公は、モデルハウスのような高級邸宅に暮らす、裕福な建築家一家の石川家。誰もが羨む理想的な家族の日常が一変する。無断外泊から帰らない高校生の息子の行方を巡り、同級生の殺人事件との関与を疑われていく。犯人であっても生きていてほしい母親と、被害者であっても息子の無実を信じたい父親、家族の“望み”は交錯していく。愛する息子は被害者なのか、それとも殺人犯なのか?

主人公の一級建築士・一登役に堤真一、妻・貴代美を石田ゆり子が演じる。監督を務めるのは、映画のみならずドラマ・音楽・演劇様々な分野で幅広いジャンルを手掛けるエンターテイメントの旗手・堤幸彦。脚本は、映画『八日目の蟬』『おおかみこどもの雨と雪』やドラマ「Nのために」等、サスペンスからドラマジャンルに至るまでその巧みな人物描写に定評のある奥寺佐渡子が担当する。

堤幸彦監督 コメント


息子が事件の被害者となるか加害者となるか、どちらの結末を迎えても惨憺たる結果になるこの物語はミステリーであるだけでなく、設定や行動のディティール、父と母の葛藤とその心理描写の緻密さに圧倒されました。社会的にも経済的にも成功した主人公が、息子の失踪をきっかけにその『家族』が壊されていく。我が身に明日起きても不思議ではない。そのスリルと感情の揺れをストレートに役者の芝居で描きたいと考えました。堤真一さんとは初めてですが、映画「クライマーズ・ハイ」(2008年公開)やいくつかの舞台、映画、ドラマを拝見させていただいてお手合わせしたいと考えていました。また石田ゆり子さんとは「悼む人」以来6年ぶりとなりますが、お二人とも苦悩する父と母を見事に演じきってくださいました。

堤真一 コメント


堤幸彦監督とは初めてのお仕事でしたが、毎日現場に入ると監督が、その日の撮影イメージについて丁寧に説明してくださいました。芝居を見てから、シーンのカット割りを決めていくという、現場主義の監督ですね。脚本を初めて読んだときは、難しい作品だと感じました。家族をテーマにしたサスペンスであり、ただの家庭ドラマではない。自分の子供がまだ小さいからか、中高生の子を持つ親の気持ちやその年頃特有の不安定さというのが掴みづらくて、最初はできるだろうかと不安もありました。でも、実際撮影に入ってみると、その中高生の子供たちが自分の子供として、とても愛おしく思えたんです。監督が順撮りしてくださったお陰なのですが、家族に一体感が生まれて、無理することなく芝居ができました。石田ゆり子さんとは初共演でしたが、いずれご一緒したいと思っていました。いつも現場の空気を和ませてくれる素敵な方で、今回、一緒に家族を演じることができ、とても嬉しかったです。

石田ゆり子 コメント


堤幸彦監督とは「悼む人」以来です。撮影はとても早いし、無駄なことを一切おっしゃらないので役者としてはとても緊張感があります。今回は私たち俳優の気持ちを汲んで、ほぼ順撮りにして下さりそのことが本当にありがたかったです。奥寺佐渡子さんの脚本は、辛い中にも透明感というか、優しい光のようなものを感じる素晴らしいものでした。本当に辛い物語なのですが、でもきっと目に見えない大切なことが沢山映っている映画になるのではないかと思っています。堤真一さんとは、いつかご一緒したいと思っていたのでご一緒できて幸せでした。家族の物語なので、率先してみんなをまとめてくださったり、楽しい話をして、場を和ませてくださったりとてもありがたかったです。私の役は、息子が加害者であろうと被害者であろうととにかく命だけはあってほしいと願い続ける母親の役なのですがその点においては一切の異論なく彼女の気持ちがわかります。「望みはある」と信じ続ける彼女を演じながら私はいつも、祈るような気持ちでいました。

原作者:雫井脩介 コメント


「望み」は、父と母の心理描写を軸にして紡いだ作品であり、その心理描写が使えない映像というジャンルでこの物語を活かすことは難しいのではと思っていました。しかし、奥寺佐渡子さんから素晴らしい脚本が上がったことでその不安は消え、シリアスな社会派ドラマを含めた多くの作品を手がけてきた堤幸彦監督が、これをどのようにスクリーンに映し出してくれるかという楽しみが一気にふくらみました。堤真一さんと石田ゆり子さんはその安定感でもって、よき父、よき母にしっくり収まります。それゆえ、事件によって平穏な日常が壊れていく様も際立ち、観る者に強く訴えかけてくることだろうと思います。

映画『望み』は今秋公開

(C)2020「望み」製作委員会

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