7月3日(金)公開の映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』より、雨の降るロマンチックな情景からコロナ禍のいまのNYまで語り尽くすウディ・アレン監督のインタビューが到着した。
これまで、NYを舞台に数々の名作をうみだしてきたウディ・アレン監督。NYと雨のコラボは念願の企画であったようで「NYという街には、常にロマンスの可能性があって、雨が降るとより美しくなる。だからいつか、雨の降るロマンチックなNYの映画を撮りたいと思っていた。ただ雨の降る街で撮影するというのは、それほど簡単じゃない。だから長い間機会を待って、今回とうとう撮れることになった。この映画では雨は、ロマンスや愛を象徴している。」と振り返る。
登場するキャラクターも魅力的な本作。ティモシー・シャラメ演じる主人公ギャツビーのキャラクターは、お金を“社会的地位の象徴”として考える両親とは対照的。監督は「彼は天性のギャンブラー。ギャンブルはとても誘惑的で依存性の高いものだし、ギャンブルで得た金はどうせすぐになくなる。彼は金に執着していない。彼は独自の世界観を持っていて、自分の興味あること以外には関心がない。音楽でも何でも、昔のものが好きなんだ。それと雨の日もね。」と語り、劇中ではポーカーに興じたり、クラックなジャズナンバーを弾き語る姿が描かれている。
ギャツビーの恋人のアシュレー(エル・ファニング)については、「平和な町で育ったアシュレーは、乗馬、釣り、ゴルフなどをして育った知的で上品な女性だが、NYで生きていくのに必要な抜け目なさは持ち合わせていない。」とコメント。
次回作『Rifkin's Festival(原題)』の撮影も終え、ほぼ毎年一本自らの脚本・監督で名作の数々を生み出しだす想像力について聞かれると、「僕はコロナ禍になる前は、定期的にクラリネットを弾き、大好きな野球やバスケットボールを観て、家族や友人との時間も大事にていた。そういう日常の中からアイディアという浮かんでくるものなんだよ。毎日コンスタントに仕事をし続ける、というのが長く続ける秘訣だと思う。」と普段の生活が創作へとつながっていくという。
続けて新型コロナウイルスの感染拡大による生活の影響について、「間違いなく悪夢の様な状況だと思っている。だけど、可能な限りこれまで通りの日常を生きようとしている。この夏本当はパリで撮影するはずだったんだ。でも、それができないわけだから、仕事面では完全に大きな被害を受けた。でも、どこかの時点でワクチンを見つけて、パンデミックが終焉してくれるんじゃないかと願っている。それが、今年なのか、来年になるのか分からないけど、これまでのNYに戻ってくれると思いたいね」。
最後に本作を楽しみにしている日本の観客に「この映画を観て楽しかったと思ってもたえたら嬉しいよ。今は不安な時期だけど、もし可能なら劇場に足を運んで観てもらいたいと思うしね。劇場を出た後に、良い体験だったと思ってもらえたら嬉しい。」と語った。
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』は7月3日(金)より全国公開
(C)2019 Gravier Productions, Inc.