『小説の神様 君としか描けない物語』佐藤大樹×橋本環奈インタビュー|「これぞ青春!」という時期を繊細に切り取った作品

小説の神様 君としか描けない物語
佐藤大樹×橋本環奈インタビュー

小説の神様
佐藤大樹×橋本環奈

相沢沙呼の感動No.1青春小説「小説の神様」を、『HiGH&LOW』シリーズの久保茂昭監督が映画化した『小説の神様 君としか描けない物語』が、10月2日(金)より全国公開される。中学生で作家デビューしたが売れず、自分を見失った高校生小説家の千谷一也を演じた佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)と、クラスの人気者でドSの売れっ子高校生小説家の小余綾詩凪を演じた橋本環奈に、今作の撮影エピソードや、落ち込んだときの対処法などを聞いた(取材・文:渡邊玲子/撮影:ナカムラヨシノーブ)。

──映画をご覧になっていかがでしたか?

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佐藤大樹

佐藤:原作に対するリスペクトが感じられました。章が変わるごとに色使いも流れる音楽も登場人物の心境に合わせてガラリと変わるので、それぞれのキャラクターに感情移入しながら観られますし、映像なのに物語を読み進めていくような感覚が味わえます。撮影中は音楽がどこに入るとかは全く意識していなかったので、完成した映画を観てびっくりしました。僕、試写を2回観に行ったくらいハマってしまいました。

橋本:え!2回観に行ったの!?

佐藤:そう!一度目は「こんな風に映ってたんだ」とか、自分の演技が気になって客観的に観られなかったりもするから。この映画はもう一回ちゃんと観たいなと思って。

──橋本さんは?

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橋本環奈

橋本:私も自分が出ているからとか関係なく、純粋に面白かったです。空や木の発色も華やかで、映像も綺麗だし、音楽が流れるタイミングや映像とのマッチングもすごい。しかもそれだけじゃなく、2人の物語が繊細に描かれていて。小説を生み出す過程を描いたお話って、意外とありそうで無かった気がします。「高校生作家」として人気や知名度はあるけど、不完全な2人が手を取り合って成長する。そんな一瞬も見逃せないような、「これぞ青春!」という時期を繊細に切り取った作品なので、映画でもちゃんとそういう要素が出せたらいいなって思いながら演じました。

──佐藤さんは『HiGH&LOW』シリーズに続いての久保組ですね。

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(C)2020映画「小説の神様」製作委員会

佐藤:クランクイン前に監督が2時間ぐらいお茶を飲みながら作品やキャラクターについて話す機会を設けてくださったので、何ひとつ不安を感じることなくスムーズに撮影に臨むことが出来ました。監督との信頼関係が半端なかったです。楽しいシーンを撮る時はあえて(シーンが終わってもカットをすぐにかけずに)カット尻を長くして、(アドリブを入れるなど)キャストに自由にやらせてださるのですが、シリアスなシーンを撮る時は必要最低限の人数しか現場に入れずに進めてくださるなど、とにかく気配りとメリハリがすごい方です。キャストを大切にしてくださる、愛に溢れた監督だと思います。

──橋本さんは、初の久保組はどうでした?

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(C)2020映画「小説の神様」製作委員会

橋本:久保監督は常に的確に指示をくださるので、すごく演じやすかったですね。あらかじめ監督の中に仕上がりのイメージがあるからこそ、撮影中も一切迷いがない。それって、演じる側からするとものすごくありがたいことなんです。「こっちの画もあっちの画も欲しい」ってなると、だんだんお芝居がブレてきてしまったりもするんですけど、今回はそういったこともなく、純粋にお芝居を突き詰められてありがたかったです。監督自ら率先して役者ファーストな雰囲気を作ってくれるので、すごく恵まれてるなって思いました。

──詩凪が一也を罵倒するシーンでは、どんなことを考えながら演じましたか?

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佐藤大樹×橋本環奈

橋本:ドSに見えるようなテンポ感というか、まくし立てるような感じを出しつつも、「詩凪は小説が好きだからこそ言ってるんだな」って、ちゃんと伝わるように心がけました。ただ理不尽に怒鳴ってるだけだと説得力が出ないので。

佐藤:僕はこれまで割と自分から仕掛ける役の方が多く、一也みたいな受け身のお芝居の経験があまりなかったので、すごく新鮮で楽しかったです。

──美術にも相当こだわりが感じられました。部室の壁にグランドピアノをモチーフにした棚があったり、壁に本が開いたまま貼ってあったり。

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佐藤大樹

佐藤:衣装合わせの時に、監督から手書きのイメージ画をみせてもらったのですが、現場に行ったらそれがそのまま再現されていました。細部まで徹底的にこだわって作ってあるのが嬉しかったです。

橋本:「元・音楽部が文芸部になった」っていう設定なので、音楽部でもともと使ってた備品をそのまま使っている感じなんです。

──現場では、文芸部部長・九ノ里正樹役の佐藤流司さんや、部員・成瀬秋乃役の柴田杏花さんともすぐに意気投合されたとか。

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橋本環奈

佐藤:初日の撮影が終わってすぐに4人でご飯に行ったのですが、お互い無言でも全く気にならないくらい、すぐに仲良くなりました。

橋本:確かに!初対面なのに、10分ぐらいみんなそれぞれ携帯触ってる時間があった(笑)。

佐藤:そうそう(笑)。普通だったら気まずい空気になりそうだけど、その間が全然嫌じゃなく、撮影の合間もずっと早押しクイズのアプリで盛り上がったりと、常に和気あいあいとした雰囲気でした。特に地方ロケの時はキャストだけでなくスタッフさんも一緒になってご飯を食べたりしていましたから。

橋本:監督がすごく親しみやすいから、みんなが慕っていて良い空気感が生まれたんだと思います。

──撮影中、特に印象に残っているエピソードはありますか?

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(C)2020映画「小説の神様」製作委員会

佐藤:僕は担当編集者の河埜(こうの)役を演じた山本未來さんとのシーンが印象的でした。すべてのシーンを一日で撮らなきゃいけなかったのですが、決して明るいシーンばかりではなかったので、気持ちの切り替えが結構大変でした。しかも待ち時間はずっと「恋愛リアリティショー」を観ながら盛り上がっていました(笑)。

橋本:そうそう!3人で観ながら、一緒にタピオカ飲んでたよね(笑)。

──本作には「悲しい時、苦しい時、勇気が足りない時に俺が読む本だ」というような、文芸部部長の九ノ里の印象的なセリフが登場しますが、お2人が落ち込んだ時などに読む本や観る映画はありますか?

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(C)2020映画「小説の神様」製作委員会

佐藤:いっぱいあります。でも、映画だったら三谷幸喜さんの『ザ・マジックアワー』がめちゃくちゃ好きです。僕はもともと三谷さんのドラマ「古畑任三郎」シリーズの大ファンで、DVDボックスとかも全部家にあって、各話を既に3回ずつくらい観ています(笑)。でもやっぱり落ち込んだ時は『ザ・マジックアワー』など、堤幸彦さんのドラマ「トリック」シリーズみたいに、何も考えずにずっと笑って観ていられる作品が観たくなります。

──橋本さんは?

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橋本環奈

橋本:私はそもそも落ち込むってこと自体、あまりないかもしれないです。ちゃんと考えて答えを出すこともすごく大事だと思うんですけど、次につながらないことは悩んでも仕方がないと思っていて。基本的にすごくポジティブなので、大体寝たら忘れちゃいますね(笑)。

佐藤:僕もジムで体を動かして発散すると、割とすぐに忘れられる気がします。

──映画には読者の反応を気にする場面が出てきますが、お2人はあまり気にしない?

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佐藤大樹

橋本:「全く気にならない」って言ったら嘘になりますけど、もし嫌な言葉を目にしてしまったとしても、そこに一喜一憂したり、気に病むことはないですね。

佐藤:僕はグループでライブをやった時やミュージックビデオが解禁された時に、「今回はどうかな?」と反応がすごく気になるので調べたりします。良いところも悪いところも客観的に見てくださっているコメントはすごくありがたいです。そこはしっかり確認するようにしています。

──では最後に、これから映画を観る人たちに向けてメッセージをお願いします。

小説の神様
(C)2020映画「小説の神様」製作委員会

佐藤:『小説の神様 君としか描けない物語』は、いま何かに向かって頑張っている人や、どんな仕事に就こうか悩んでいる人たちの背中を押せる、エールを贈れるような作品になっていると思います。若い世代に限らず、年齢を重ねた方が観ても「こんな青春時代なら良かったな」とか、「私にもこういうことがあったな」って思い出せる、いろいろな要素が詰まっていて、色や音の使い方やCGを含めて、今までなかったジャンルを久保監督が築き上げた作品でもあります。2度観て新たに発見することもあったりするので、ご家族やご友人と楽しみながら何度も観ていただけたら嬉しいです。

橋本:2人が物作りをしていく過程の中には、きっと共感できることも沢山あるし、観ていてワクワクする映画に仕上がってるんじゃないかなって思います。

──素敵なお話をありがとうございました!

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佐藤大樹×橋本環奈

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映画『小説の神様 君としか描けない物語』は10月2日(金)より全国ロードショー

(C)2020映画「小説の神様」製作委員会

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作品情報

小説の神様 君としか描けない物語

小説の神様 君としか描けない物語

4.0
2020/10/2(金) 公開
出演
佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)/橋本環奈/佐藤流司/柴田杏花/莉子/坂口涼太郎/山本未來/片岡愛之助/和久井映見 ほか
監督
久保茂昭