映画『私をくいとめて』第33回東京国際映画祭 舞台挨拶が5日、都内・EXシアター六本木にて行われ、のん、林遣都、橋本愛、大九明子監督が登壇した。
高校在学中の2001年「インストール」で第38回文藝賞を受賞しデビュー後、芥川賞、大江健三郎賞など数々の賞を受賞してきた綿矢りさ原作の小説「私をくいとめて」。『勝手にふるえてろ』などで知られる大九明子監督が映画化。おひとりさまヒロイン・みつ子役にのん、みつ子が恋する腹ペコな年下男子・多田くん役に林遣都、結婚しイタリアで暮らすみつ子の親友=皐月役に、のんとは朝ドラ以来の共演となる橋本愛が扮する。共演に臼田あさ美、片桐はいり、若林拓也らが名を連ねる。
3年前に東京国際映画祭にて『勝手にふるえてろ』で観客賞を受賞した大九監督。再び綿矢りさの原作を映画化したことに、「ちょうど『勝手にふるえてろ』を仕上げている頃に、綿矢さんの新作の評判を耳にして、すぐに書店へ走りました(笑)とても楽しいカラフルな読書体験をさせていただきました。最初は映画にするつもりで読んでいなかったのですが、他の人が映画にしたら、私の好きな綿矢文学の世界が期待しているものと違う映画になったら嫌だなと思い、すぐにシナリオを書きました」と制作経緯を語る。
“脳内相談役”がいるキャラクターを演じたのんは、「演じられてすごく楽しい時間でした。みつ子の痛みはどこにあるのか、台本と原作を読んで探っていました。大九監督の書かれたセリフとともに、原作を“攻略本”のように感情を解釈していきました」と役作りを振り返った。
のんと初共演となった林は「すごく楽しかったです。普段の穏やかな印象から、お芝居が始まった時に目の色が変わる“吸引力”のようなものに、常に突き動かされてました。大事に大事に細かい瞬間を共有できている感覚があって、とても楽しかったです」とコメント。大九組については「撮影序盤から自分の想像を超えたサーブ、演出が毎日のように飛んできた。それが楽しくてたまらなかった。監督のもとでもっと演じたいという気持ちがピークになった途端に撮影が終わってしまったので…僕もっと色々やりたいです!」と大九監督にラブコールを送った。
朝ドラ以来、7年ぶりに再共演を果たしたのんと橋本。「久しぶりにお会いしました!初日はめちゃくちゃ照れて、ヘラヘラしながら段取りして(笑)アドリブで作り上げなきゃいけないシーンでは『アハハッ』ってお互いニヤニヤしながら段取りしたり」と橋本。本読みや共有シーンでは「魔法のように」「心でやり取りする時間が快感のように感じた」と息のあったコンビであった様子。
のんも「めちゃくちゃ嬉しかったです!撮影の前の日はワクワクしていたんですが、実際に会ったらすっごい恥ずかしくて緊張しちゃいました(笑)数年ぶりに会ってみると、やっぱり美しくて!呼吸がしづらくなっちゃったり(笑)」と再会に喜び。撮影では「自然にみつ子と皐月として心を通わすことができて、愛ちゃんと演技を交わしてる状況がすごく自然なことで、すごく楽しかったです!」と笑みをこぼした。
映画『私をくいとめて』は12月18日(金)より全国公開
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