大ヒット公開中の映画『名も無き世界のエンドロール』より、本編映像が解禁となった。
本作の主人公であるキダ(岩田)に幼馴染のヨッチ(山田)が正直な気持ちを伝える切なすぎる独白シーンが解禁。幼い頃からお互いを支え合い生きてきたキダ、マコト(新田真剣佑)、ヨッチの幼馴染たち。本シーンではヨッチが慎重に言葉を選びながら正直な気持ちをキダに伝えるシーンだ。
「キダちゃんとマコトがいなかったら、私は多分いまこうして生きてなかった。キダちゃんとマコトは私にとっては神様みたいに特別なんだよ。ふたりがいない世界なんてあり得なくて、感謝とか恩とか、そんな陳腐な言葉じゃ言い表せないくらい…」山田演じるヨッチが大事に噛みしめながら語るこの台詞からは、長い間一緒に過ごしてきた3人の絆の深さが感じられる一方で、大人になるにつれ、お互いのことを大切に想いながらも、別々の運命に踏み出さなければならない瞬間という青春時代の1ページを鮮やかに演じきっている。またそんなヨッチの思いを受け止めるキダの優しい表情からも、友達想いのキダならではのヨッチへの思いやりが見て取れるという本作において重要なシーンとなった。
本シーンの撮影は、岡山県の県道46号に位置する、見通しの良い十字路の交差点で行われた。劇中の象徴的なシーンで繰り返し登場し、まるで登場人物たち運命の分岐点を示すようなこの交差点での撮影について、本作を監督した佐藤祐市は、「あの交差点は車があまり通らないという設定で、2人の間を切り裂くように車が1台だけ通った後に無音となり、雨の降る音が響きます。キダの心情を雨音が表す印象的なシーンになりましたね」と振り返る。
実は台本上では雨が降っているシーンではなかったが、佐藤の咄嗟の判断で、雨の中で傘をさして撮影することになった。結果として、滴る雨のしずくが楽しかった青春時代との別れを感じている2人の切ない感情を上手く表現し、本作を代表する名シーンとなった。なお本作の撮影監督を手掛けたのは、『万引き家族』で日本アカデミー賞撮影監督賞を受賞した近藤龍人。切ないストーリーを彩る美しい映像にも注目だ。
映画『名も無き世界のエンドロール』は全国公開中
(C)行成薫/集英社 (C)映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会