映画『名も無き世界のエンドロール』公開記念舞台挨拶イベントが30日、TOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、岩田剛典、新田真剣佑、山田杏奈、中村アン、佐藤祐市監督が登壇した。
行成薫による同名原作を「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」『累-かさね-』などで知られる佐藤祐市監督が映画化。“ある事件”をきっかけに人生が一変した幼馴染のキダとマコトが、自分たちの運命を変えた不条理な世の中に復讐するさまを描く。大事な友のために裏社会に飛び込み、殺人をも厭わない“闇の交渉屋”としてのし上がっていく男・キダ役に岩田剛典、キダの力を借りながら会社経営者となり、表舞台でのし上がっていくストイックな男・マコト役に新田真剣佑が扮するほか、共演に山田杏奈、中村アン、石丸謙二郎、大友康平、柄本明が名を連ねる。
これまでに行われた2回のイベントでは無観客での実施となったため、本作で観客の前に立つのは岩田剛典、新田真剣佑、山田杏奈、中村アン、佐藤祐市監督にとって本イベントが初めて。待ちに待った出演者たちとの対面にお客さんの手にも力が入り割れんばかりの拍手の中、5人がステージへ登壇。拍手に包まれながら、ようやくお客さんの顔を見ることができた岩田は、感極まった様子で「今日は、お越しいただきありがとうございます。いや~、感動しています!こうしてお客さんと一緒に舞台挨拶ができることがどれだけ幸せかということ実感しています。全国314館のみんなもありがとうございます!」と挨拶。新田も「現在は、こうしてお客の前で(イベントが)できる機会が少なったのでとても嬉しいです!」と感慨深げ。
上映後の舞台挨拶で、これまで触れられなかった“ラスト20分の真実”を含めて本作を観た感想を改めて聞かれた岩田は、「脚本を読んだ時から面白いと思っていたが、映像で見て改めて面白いと思った。宣伝では“ラスト20分”という部分が打ち出されているけど、実は切ないヒューマンドラマが本作の本質。自分の大切な人、自分の中で大切にしている感情とか、人生を見つめ返すようなメッセージが込められていると感じました」と語った。
新田は、「僕は、個人的に好きなジャンルで、この作品は2回観てしまった。だからみんなも2回劇場へ足を運んで観てね!」と中継カメラに向かって手を振りながら作品をアピール。佐藤監督が「もう2回観た人いる?」と客席に向かって問いかけると公開2日目にして客席から手が上がり、それに続いて「3回目もいる?」と新田が投げかけるとなんと数人の手が!登壇者たちは驚いた様子で「まっけんもまだ2回目なのに有り難い!」(岩田)「愛を感じるね」(新田)と口々に感謝の気持ちを話す場面も。
トークは、公開に先駆けて開催された試写会でいち早く本作を鑑賞したお客様から事前に集められた質問に答えるとコーナーへ。劇中でキダはよくマコトからのドッキリに引っかかっているので、【普段みなさんはドッキリを仕掛ける側、引っかかる側どっち?】という質問を振られると、ピシッと手を挙げて我先にと答える新田。
「僕は仕掛けます!劇中でも沢山引っ掛けましたが、つい最近、某バラエティ番組でも岩田さんにドッキリを仕掛けまして・・」とニヤリ。実は軽いダンベルを岩田に投げ渡すというドッキリで「ケラケラ笑いながら、撮影現場の時のように引っ掛けられてとても楽しかった」と満足気。それに対して、「岩ちゃん、凄い声だして驚いてたよね(笑)」と佐藤監督が乗っかると、「まっけんは普段から鍛えてるから、凄く自然だったんですよ(笑)カバンからダンベル出てきても驚かなくて(笑)本当にびっくりした」と岩田はタジタジの様子。
【⼤変だったけどお気に⼊りのシーンはズバリどこですか?】という岩田に対する質問に、キダとマコト、ヨッチの幼馴染3人で海辺にいるシーンを挙げ、「あのシーンは、淡路島でマジックアワーのとても綺麗な夕日の中で撮影したのですが、凄く限られた時間の中でやり切らなくちゃいけなくて大変だったけど、結果とてもいいシーンになった」と振り返る。
続いて、劇中で華麗なマジックを見せる新田に対して【まっけんのマジックは本当にやられていたものなんですか?】という質問には、「そうです。あれは1年前から必死に練習して…」を話し始めると、「うそ!当日でしょう(笑)」とすかさずツッコミを入れる佐藤監督。「本当は、1時間前です(笑)マジシャンの方に現場に来ていただいて、みんなから見えないところでタネやコツをこっそりと教えてもらいました」と回答。新田のマジックシーンを間近で見ていた中村は「本当にすぐできちゃうの!薔薇を出すマジックも全部一発で成功してた!」と新田の器用さを絶賛した。
山田演じるヨッチが劇中でナポリタンに大量のタバスコと粉チーズをかけて味わう少し変わった部分を見せることにちなんで【山田さんも同じく変わった⾷べ⽅とか、嗜好ってありますか?】という質問には、「肝とか銀杏が大好きで、みんなからおじさんみたいって言われるんです(笑)」と先日1月8日に二十歳になったばかりの可愛らしい山田からは想像もつかなかった一面を披露した。
本作でイメージを覆すほどの感情爆発シーンを演じ切った中村に対しては、【感情爆発シーンの実際の現場の雰囲気はどんな感じでしたか?】という質問が。中村が「現場は、キャスト、スタッフみんな物凄く集中していましたね」と振り返ると、一緒にそのシーンに臨んだ新田は「僕もセリフが多かったので自分自身も凄く集中していた。2日間かけて朝まで撮影した」と緊張感ある現場だったことを話した。
最後に岩田が「ご覧いただいたみなさん、このあとお茶しながらきっと、あそこはどうだとか、ここはこう言う意味だよね、とか色んなことを話すのが楽しい作品になっていると思います!まっけんが2回観たといっていましたが、2回目はあのセリフがここに繋がっていたという発見などがあり、また違った楽しみ方ができます。そして、まだ観ていない方々には、切ないラブストーリーやヒューマンドラマとして楽しんで頂けたら嬉しいです。なかなか外へ出てと言いづらい中ではありますが、エンタメが活気づいてくれるといいなと願っています。感染症対策をしっかりとしてぜひ、劇場へ足を運んでいただけたら嬉しいです」とメッセージを贈り、イベントを締めくくった。
映画『名も無き世界のエンドロール』は全国公開中
(C)行成薫/集英社 (C)映画「名も無き世界のエンドロール」製作委員会