映画『母と暮せば』から美しい絵本が誕生

山田洋次監督の最新作『母と暮せば』は、長崎で助産婦として暮らす母のもとへ、3年前に原爆で亡くしたはずの息子がひょっこり現れ、楽しかった思い出話や、残していった恋人の話をして過ごす二人の日々を描いたファンタジー。そしてこの度、文/山田洋次、絵/森本千絵により絵本「母と暮せば」が11月19日に発売されることに決定した。

母と暮せば_表紙作家・井上ひさしさんが、広島を舞台に描いた『父と暮せば』と対になる作品を、長崎を舞台につくりたいと発言していたことを、井上さんの三女・麻矢さんを通じて知った山田監督が、その井上さんの想いに捧げ映画化をした『母と暮せば』。母・伸子役に吉永小百合、息子の浩二役に二宮和也、浩二の恋人・町子役に黒木華という素晴らしいキャスティングにより、愛と慈しみの物語が綴られてゆく。

絵本「母と暮せば」はこの映画を大人向けに絵本化したもの。文は山田洋次監督自身が、絵は先端アーティストの森本千絵がかき下ろし、実写映画とはまたひと味違う独自のファンタジー世界が広がっている。
1945 年8 月9 日、長崎の原爆で一瞬にして世を去った医学生の浩二。三回忌を迎えたその朝に、幽霊になった彼が母・伸子の前に突然姿を現す。愛する息子を抱きしめようとする母だが、その腕は息子の身体をすり抜けてゆく。それでも再会を心から喜び合う二人。その日から息子・浩二は毎晩のように伸子の前に現れ、思い出話やかつての夢を語り、母親を慰める。しかし、そんなある日、生前浩二の恋人だった町子のことに話が及ぶと……。戦争、原爆、その末の死という“地獄” を味わいながらも、愛と慈しみ、ユーモアを絶やさない2つの魂の物語。

絵本「母と暮せば」
◆発売日:2015年11月19日 ◆A4判 40ページ ◆講談社 ◆定価:本体1,800円(税抜き)

12月12日(土)全国ロードショー
制作・配給/松竹株式会社
(C)2015「母と暮せば」製作委員会

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