女優の栗山千明が15日、都内・スペースFS汐留にて行われた映画『ヘイトフル・エイト』公開記念トークイベントに、本作や『キル・ビルvol.1』で美術監督を務めた種田陽平、映画ライターの高橋ヨシキとともに出席した。
ハリウッドで独自の撮影スタイルを貫く鬼才・タランティーノ。本作では、今や撮影も上映も難しくなっている70mmフィルムでの全編撮影、フルキャストを揃えての1ヶ月に及ぶリハーサル、真夏のLAでスタジオセットを氷点下に凍らしての撮影、由緒あるスタジオを掘ってしまうなど鬼才っぷりを発揮している。本作の美術監督を務めた種田は「キル・ビルのような派手なアクションはないけど、血はもの凄く出てます。本人も返り血だらけで大笑いしてました」とコメント。
『キル・ビルvol.1』でGOGO夕張 役に抜擢された栗山は「昔からクエンティンのブラックユーモアが好きで。今回ももちろんユーモアが入っている中に、さらにミステリー要素があって『誰が犯人なのか、嘘ついてるんじゃないか』って推理していく部分が増えたので、観ていてあっという間でした」とにっこり。
また、本作のセットで一番こだわったところを聞かれた種田は「ほんとの雪山で『息が白いのを撮りたい』と監督が言っていたので、高度3000mのところに山小屋を作ったんですね。照明とかも天井を工夫して作りました」と明かし、「ロスにも同じセットをスタジオに作った。外が30度なので暖かいから、スタジオの中を零下5度にして撮ってました」と解説。「役者さんは凍えるような状態で、息はCGではなく全編本物なので本当に大変だったと思う。外が30度くらいなので、温度差がさすがにキツいって言ってましたね」と撮影秘話を語った。
「クエンティン組のアットホームさを感じましたね」と当時を振り返る栗山は「撮影がなにより楽しいです！撮影が本当に楽しいって実感できる現場なので、過酷な撮影も乗り越えられるんだと思います。クエンティン自身が気配りもされるし、みんなの空気もテンションも上げる人」と笑顔でコメントした。種田も「役者さんのこと大好きなのよ！役者さんを演出するのが大好きで、『いまの凄い良かったからもう一回！』とか言われても、役者さんは嫌な気持ちをみせず何度も演技をする」とタランティーノの人間性をのぞかせた。
また、種田は「『キル・ビル3』をやりたいって話も生きてるからね。（栗山が）回想シーンとか子供時代できっと出てくるから」と期待を膨らませると、栗山は「ちょっと待ってください、だいぶ年が…」と苦笑い。「またやりたいですね！」と意欲をみせるも「クエンティンに会う度に『千明、英語の練習してる？千明が英語を勉強するかわりに、僕も日本語を勉強するから』と話すんですが、お互いに上達してません」と吐露した。
クエンティン・タランティーノ最新作は、雪山のロッジを舞台に“ヘイトフル”なクセ者8人が殺人事件をきっかけに「嘘」と「嘘」をぶつけ合う密室ミステリーを描く。
映画『ヘイトフル・エイト』は2月27日（土）より新宿ピカデリーほか全国ロードショー
【CREDIT】
監督・脚本：クエンティン・タランティーノ 美術：種田陽平
出演：サミュエル・L・ジャクソン／カート・ラッセル／ジェニファー・ジェイソン・リー／ウォルトン・ゴギンス／デミアン・ビチル／ティム・ロス／マイケル・マドセン／ブルース・ダーン
配給：ギャガ
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