1892年から1954年までの約60年間、ヨーロッパからの移民が必ず通過したというのがエリス島である。アメリカ人の5人に2人がエリス島を渡ってきた移民を祖先にもつともいわれている。そこはアメリカへの移民にとって最初の入り口であり、入国を認められなかったものにとって最後の場所でもあった。
この記憶を現代に蘇らせようと試みたのが、国際的に活躍するフランス人ストリートアーティストJR。ロバート・デ・ニーロ主演、エリック・ロスの脚本で撮影された本作が、今年18回目を迎えたショートショートフィルムフェスティバル&アジア2016で特別上映されている。
雪降るエリス島の移民局病棟でその記憶を語り、最後までニューヨークへと渡れなかった者たちを象徴するゴーストを演じたロバート・デ・ニーロ。アカデミー賞主演男優賞を受賞した『ゴッドファーザー PARTⅡ』においてデ・ニーロ演じたヴィトー・コルレオーネのその少年時代にイタリアから逃れて船で上陸したのがまさにこのエリス島だったのである。ヴィトーもまたこの病棟に隔離され、自由を求めて海の向こう側を眺めていた。
この機会に現代の移民・難民問題にもつながる『ELLIS』を見逃さないで欲しい。
特別上映日
6/10(金)横浜 13:30-15:10の回
6/14(火)横浜 17:30-19:10の回
6/23(木)シダックス・カルチャーホール 13:30-15:10の回
【Credit】
監督:JR 脚本:エリック・ロス 主演:ロバート・デ・ニーロ
参考:http://www.ellis-themovie.com, http://shortshorts.org/2016/program/int-7/