第21回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作、累計発行部数50万部を突破した北川恵海の人気小説「ちょっと今から仕事やめてくる」を福士蒼汰主演で映画化、2017年初夏に公開されることが発表された。
『八日目の蝉』『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』の成島出が監督・脚本を務める本作は、ブラック企業に務める青年・青山隆と、疲労のあまり倒れそうになる彼を救った謎の青年・ヤマモトの出会いから物語が展開。大阪弁でいつでも爽やかな笑顔をみせるヤマモトだが、ふとした瞬間にみせる深刻な表情が気になった隆が彼の過去を調べると、3年前に自殺していたことが分かる。自殺したはずの男が「ヤマモト」と名乗る真実に迫っていく。
大阪弁でいつも笑顔を絶やさないヤマモトを福士が、就職した会社のノルマとパワハラによって心身ともに疲弊した青山を工藤阿須加が演じる。ほか、青山の先輩・五十嵐美紀役に黒木華、ヤマモトの過去を知る大場玲子役に小池栄子、青山に対してパワハラ発言を繰り返す上司・山上守役に吉田鋼太郎がキャスティングされた。
主演を務める福士は、自身の役について「幽霊のような、また神のような謎の存在でとても魅力的です。人を惹きつける"何か"を出せればと思いますが、難易度が高いのは大阪弁です。監督にお勧めして頂いたやすしきよしさんのDVDや、テレビで関西の芸人さんを注意して見るようにして、ひたすら染み着くように頑張ります」と意気込み。初の成島組に「登場人物をリアリティー溢れる魅力的なキャラクターに引っ張ってくださるので、安心して成島監督ワールドに浸かりたいと思います」とコメントした。また、工藤との初共演に「とても真面目で前向きな方だなという印象があります。工藤さんとのシーンがほとんどなので、2人で作品の空気を作れたらと思います」と明かした。
福士扮するヤマモトの謎に触れる青山役の工藤は「福士さんとの芝居の掛け合いを楽しみながら、日々集中して成島監督の現場に挑みたいと思っています」と共演を喜び、「青山という役には、自分自身どこか近いものを感じています。仕事に忙殺され社会の中で生き抜く難しさを感じた青山は、死と向き合った瞬間にヤマモトと出逢ったことで、希望を探しながら前に進んでいきます。その中での喜怒哀楽をしっかり表現できたら」と語った。
隆の職場で営業部のエース・五十嵐美紀を演じる黒木は「私が演じる五十嵐美紀は、自分の存在する意味を仕事に見出して、縋って生きているような女性です」と語り、『ソロモンの偽証 前篇・事件/後篇・裁判』以来の成島組に「いつも丁寧に細かく演出して下さるので、助けて頂きながら、美紀の心の痛みや、もどかしさを丁寧に演じられたらと思います」とコメントを寄せた。また、ヤマモトの過去を知る人物・大場玲子役の小池は「成島作品(『八日目の蝉』『草原の椅子』以来)にまた呼んで頂けて大変嬉しく思っております。監督の丁寧で細やかな演出を受けられることが楽しみでなりません」と喜びを明かしている。
一方、青山を含む部下に対してパワハラ発言を繰り返す上司・山上守役の吉田は「初の成島組に参加出来るという事で、どんなふうにこの作品が出来上がっていくのか撮影前から本当に楽しみにしております」と期待を込め、「近年ニュースなどでもよく耳にする言葉“パワハラ”。私が演じさせて頂く山上部長はこれぞ“パワハラ”と知らしめるような役になっておりますので、工藤阿須加さんの上司としてびしびし指導していきたいと思っております(笑)」と意気込みを語った。
成島監督は「8月から始まる撮影に向けて、3月から福士くん、工藤くんの2人とリハーサルを幾度も重ねています。今はもう福士くんは、とにかく明るい生粋の大阪人にしか見えません!工藤くんは、会社勤めをするサラリーマンにしか見えません!と、クランクイン直前に2人にプレッシャーを与えておきます(笑)。でもあまり言いすぎると、本当に2人から撮影中に『ちょっと今から仕事やめてくる』と言われそうなので、ここまでにしておきます」と茶目っ気たっぷりに語った。本作については「すでに働いている人。そして、これから働く人。そんなすべての人にご覧頂けたらと思っています。社会に出て働くことによって、充実した日々を実感できるときもあれば、行き詰って希望を持てなくなってしまうときもあると思います。そんな行き詰ったときにこそ、この映画をご覧頂くことが“新たな一歩を踏み出す一助”になるような作品にしたいと思います」とメッセージを寄せた。
映画『ちょっと今から仕事やめてくる』は2017年初夏全国東宝系にて公開
【CREDIT】
配給:東宝 制作プロダクション:シネバザール
撮影期間:2016年8月~9月(東宝スタジオ、都内近郊、海外ほか)
©2017『ちょっと今から仕事やめてくる』製作委員会