三島由紀夫が1962年に発表した同名SF小説を『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督が映画化した『美しい星』の公開日が5月26日に決定。三島由紀夫ゆかりの識者・筒井康隆、佐藤秀明から絶賛の声到着。
刊行当時「平凡な家族が、ある日突然“宇宙人”に覚醒する」という前衛的過ぎる設定で世間を大いに戸惑わせた三島由紀夫のSF小説「美しい星」。空飛ぶ円盤を目撃したことから、自分たちは宇宙人であると覚醒した平凡な家族。彼らは「美しい星・地球」を救う使命があると信じ、それぞれに奮闘していくさまを描く。予報が“当たらない”ことで有名なテレビ気象予報士・大杉重一郎(火星人)にリリー・フランキー、長男/フリーター・一雄(水星人)に亀梨和也、長女/女子大学生・暁子(金星人)に橋本愛、専業主婦/妻・伊余子(地球人)に中嶋朋子、大杉一家に近づく謎の存在/代議士秘書の黒木克己を佐々木蔵之介がそれぞれ演じる。
「時をかける少女」「家族八景」「日本以外全部沈没」「文学部唯野教授」「パプリカ」「モナドの領域」など著書を多数手がけ、1988年から2007年まで三島由紀夫賞選考委員を務め、「ダンヌンツィオに夢中」という三島を扱ったエッセイもある作家の筒井康隆。「それにしてもなんという繊細な映画であろう。文学性と娯楽性のぎりぎりの狭間で緊張感は保たれている。最後の場面は、現代SFだからこそ、現代文学だからこそ可能な、原作にはない『救い』があり、観客の心は癒されるのである」と絶賛のコメント。
また、山中湖文学の森・三島由紀夫文学館の創設(99年)に携わり、現在まで運営委員会研究員を務める近畿大学文芸学部教授の佐藤秀明。2000年から5年がかりで刊行された全42巻の『決定版 三島由紀夫全集』(新潮社)の編集に、田中美代子、井上隆史とともに携わり、2005年より雑誌「三島由紀夫研究」を刊行。国内における三島由紀夫研究の第一人者のひとりだ。
本作について、「『パーマネント野ばら』や『桐島、部活やめるってよ』で、話の核となる存在を、鮮やかな手つきで朧化した吉田監督は、奇怪な思考をする宇宙人が卑俗な人間かもしれないという曖昧さを、見事に21世紀の現代人の中に描き直した。『美しい星』は、換骨奪胎して深い主題で原作と響き合った映画である」と称賛の言葉を寄せている。
映画『美しい星』は5月26日(金)より全国公開
【CREDIT】
出演:リリー・フランキー 亀梨和也 橋本愛 中嶋朋子/佐々木蔵之介
原作:三島由紀夫「美しい星」(新潮文庫刊)
脚本:吉田大八 甲斐聖太郎
企画・製作幹事・配給:ギャガ
監督:吉田大八
公式サイト:gaga.ne.jp/hoshi/
©2017「美しい星」製作委員会