石井裕也監督最新作『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』が、現在開催中の第67回ベルリン国際映画祭のフォーラム部門にて現地時間2月13日、本作の公式上映が行われ、ワールドプレミアとなった本上映の舞台挨拶に、石井監督、主演の石橋静河&池松壮亮が出席した。
2016年に出版された最果(さいはて)タヒの同名詩集を原作に描く本作は、2017年の東京を舞台に、看護師として病院に勤務する傍ら夜はガールズバーで働く美香と、工事現場で日雇いの仕事をしながら死の気配を常に感じている慎二を軸に繰り広げられるラブストーリー。
主演に池松壮亮、石橋凌と原田美枝子の次女で本作が映画初主演となる石橋静河が抜擢。言葉にできない不安や孤独を抱えながらも、誰かに甘えることもせず日々をやり過ごす美香を石橋静河が、どこかに希望を見出そうとひたむきに生きる青年・慎二を池松がそれぞれ演じる。共演に佐藤玲、三浦貴大、ポール・マグサリン、市川実日子、松田龍平、田中哲司が名を連ねる。監督を『舟を編む』『ぼくたちの家族』『バンクーバーの朝日』などで知られる石井裕也が務める。
519席の会場は入れない観客も出るほど大盛況となり、多くの観客から大きな拍手を浴びた3人。池松は「日本からはるばる来たのですが、今の東京を感覚的に切り取った映画でどのくらいこの感覚が遠く離れた地のみなさんに届くのかとても楽しみです。楽しんで下さい。ありがとうございました」と感謝と喜びをあらわに。また、海外留学経験のある石橋は全て英語で「今日は来ていただいてありがとうございます。今回ベルリン映画祭に来ることができて本当に幸せです。この映画に関わったすべての人のおかげです。楽しんで戴けたらうれしいです」と挨拶した。
上映後、温かな拍手に包まれながら観客とのQ&Aに再び登壇。石井監督が描こうとした現代の東京が持つ閉塞感を「素晴らしく繊細なテーマを、素晴らしくオリジナルな手法で描いた映画」などと絶賛の感想が多くの観客から寄せられた。映画初主演となった新人の石橋へ、手探りながら堂々と演じる姿に「とてもデビュー作とは思えない素晴らしい演技!」と賞賛の言葉が多く掛けられた。
『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』は5月13日(土)より新宿ピカデリー、ユーロスペースにて先行、5月27日(土)より全国公開
【CREDIT】
監督・脚本:石井裕也
原作:最果タヒ(リトルモア刊「夜空はいつでも最高密度の青色だ」)
出演:石橋静河 池松壮亮 佐藤玲 三浦貴大 ポール・マグサリン/市川実日子/松田龍平/田中哲司
エンディング曲:The Mirraz「NEW WORLD」
製作:テレビ東京、東京テアトル、ポニーキャニオン、朝日新聞社、リトルモア
配給:東京テアトル、リトルモア
公式HP:http://www.yozora-movie.com/
(C)2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会