映画『あゝ、荒野』前篇の初日舞台挨拶が7日、都内・丸の内ピカデリーにて行われ、主演の菅田将暉、ヤン・イクチュンをはじめ、木下あかり、山田裕貴、木村多江、高橋和也、ユースケ・サンタマリア、監督の岸善幸が登壇した。
この日、約40秒の特別映像とともにリングに上がるボクサースタイルでそれぞれ登場した菅田とヤン。ファンから「新次ー!」「バリカンー!」「頑張れー!!」と声援を浴びながらの登場に、菅田は「なんか恥ずかしいね(笑)ちゃんと本編では照れずにやっています(笑)」と登場の演出に照れ笑い。ヤンも「撮影よりも恥ずかしい(笑)」と笑みをこぼしていた。
トークはYES/NOの手持ちパネルを持って進行された。菅田がおもむろにパネルをパタパタすると、パネルがぽろっと床に。菅田は「あ...あぁ!あぁ〜...」とショックの叫び声をあげていた。「こんなに長尺になると思ってもみなかった!YES or NO」との質問に、前篇&後篇あわせて5時間越の本作に「はじめは1本の映画を撮るのだと思っていた。撮影の途中で前篇と後篇に別れることを知りました」とヤン。その言葉に、菅田は「なんで誰もヤンさんに教えてあげなかったの!3ヶ月撮影してるんだから長いなと思うでしょう」とツッコミ。
菅田が「岸さんが編集大好きな人なんです。だいぶカットしてますから。現場で『よーいスタート』から『はいカット』と時間、70時間以上撮ってましたから」と話すと、ユースケも「それを5時間にしてるんですから。残りの65時間どこいったんだ!?って(笑)」と吐露。岸監督は「本当は(本編)あと2時間くらい追加したかった」と明かしていた。
山田は「長ければいいってものでもないし、短ければいいってものでもないじゃないですか。でも、自分がこれまで演じた中で、すごい駆け抜けた作品。長いとも思わないし、本当に観てあっという間だったので、数字にすると長いんだって感覚になるだけですね」とコメントした。
続いて「新次がタイプ/YES、バリカンがタイプ/NO」とのお題に、菅田は「バリカン」と答え、「新次は人を傷つけることで物事を解決してきた人間。バリカンは自分が我慢して解決してきた人間なんです。それを考えたら、やっぱりそばにいたいのはバリカンかなって」とコメント。
一方のヤンは「新次」だと言い、「(一緒の)シャワーシーンがあるから!僕が菅田くんをたくさん触りました〜(笑)」と満面の笑み。菅田やユースケから「そればっかりじゃないですか!」とツッコミが飛ぶと、ヤンは菅田に向かって「好きです!」と公開告白し、笑いを取っていた。
さらに、本作の「続編を作りたいか?」とのお題に、「続編をやるのは無粋でしょう!」とユースケ。菅田も悩んでいたが、YESを挙げ「その後のただただ幸せな俺らの姿が描かれるのもいいですよね!ユースケさんと高橋さんがバリカンと新次をやるとか!別にボクシングはしなくても、ゲートボールとかでもいいじゃないですか(笑)」と一味違った続編を妄想していた。
原作は、1960年代後半に演劇、映画、文学とマルチに活躍し、今もなおカルチャーアイコンとして注目され続けている寺山修司が唯一遺した長編小説。近未来2021年の新宿を舞台に、兄のように慕っていた仲間を半身不随にした男への復讐を誓う新次と、同じ新宿で吃音・赤面対人恐怖症に悩む”バリカン”こと健二が、ボクシングを通じて出会い、生きること、誰かとの繋がりを模索していくさまを描く青春物語。菅田将暉が新次を、ヤン・イクチュンがバリカンを演じるほか、木下あかり、今野杏南、山田裕貴、でんでん、木村多江、ユースケ・サンタマリアらが共演。監督を『二重生活』の岸善幸が務める。
映画『あゝ、荒野』前篇は全国公開中/後篇は10月21日(土)より全国公開
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