映画界の新たな異才グザヴィエ・ドラン【監督・俳優のすすめ Vol.1】

“監督で観る” “俳優で観る”映画の楽しみ方。今注目の人やこれから注目すべき映画監督・俳優について紹介する【監督・俳優のすすめ】。Vol.1はカナダ出身の監督・俳優グザヴィエ・ドランの魅力に迫ります。

グザヴィエ・ドランを知る
Keyword 1:カナダ映画界 〜数多くの監督を輩出

『灼熱の魂』で第83回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール主演の『プリズナーズ』でハリウッドに進出したドゥニ・ヴィルヌーヴ、『ダラス・バイヤーズクラブ』でアカデミー賞3部門に輝いたジャン=マルク・ヴァレら注目が注がれるカナダ映画界。グザヴィエ・ドランはカナダ出身としてはもちろん、映画界に現れた新鋭として最注目の監督であり、いま最も新作が楽しみな監督の一人と言える。
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Keyword 2:カンヌ国際映画祭 〜監督としての出発点

17歳のときに書きあげた脚本で、製作・出演も務めた初監督作『マイ・マザー』がいきなりカンヌ国際映画祭・監督週間に選出される。誰もが驚く完成度で3冠に輝き、世界30ヶ国以上で劇場公開された。続く『胸騒ぎの恋人』『わたしはロランス』『トム・アット・ザ・ファーム』の全作品がカンヌ国際映画祭、ベネチア映画祭に出品され、世界の映画祭の常連となった。
そして長編5作目『Mommy/マミー』で、ついにカンヌ国際映画祭コンペティション部門に選出され、初コンペにして「審査員特別賞」を受賞。83歳の巨匠ジャン=リュック・ゴダールとのダブル受賞だったことや、受賞スピーチでの同世代に向けたメッセージが多くの人の感動を呼んだことなど、大きな話題を集めた。
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Keyword 3:フィルモグラフィー 〜世界を虜にする圧倒的な才能

グザヴィエ・ドランは監督だけでなく、脚本や編集・音楽・衣装などを自ら担当する徹底的な映画作りを行っている。明確なビジョンを持ち、作り上げてきた作品は、オリジナリティ溢れる世界観、繊細で胸をえぐるようなリアリティ、感情に働きかける音楽、映像を引き立てる衣装など、そのどれもが強いこだわりを感じられる。すでに独自のスタイルを確立し、一貫して「愛」をテーマに描き続けるグザヴィエ・ドランの映画は、その才能に衝撃を受け、観る者を釘付けにし、追求せずにはいられなくなる。

“卓越した映像技法に迫るミニ・ドキュメンタリー「グザヴィエ・ドランのスタイル」”

Keyword 4:進化と挑戦 〜グザヴィエ・ドランの今とこれから

グザヴィエ・ドランの才能を堪能できる待望の最新作『Mommy/マミー』が、いよいよ4/25(土)より公開される。デビュー作でも描き、原点でもある「母」をテーマにした本作は、グザヴィエ・ドランのこれまでの集大成でもあり、最高傑作との呼び声も高い。本作の最も特徴的な点である「1:1」という画面比率を採用している点にも注目。
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また、俳優としての才能を発揮している『エレファント・ソング』が6/6(土)に公開を控えている。本作は精神科医と、愛を渇望した一人の青年マイケルの心理戦を描くサスペンス。自身の監督作にも度々出演しているグザヴィエ・ドランだが、「これは僕だ」と出演を熱望したという見逃せない作品である。
エレファント ソング

さらに、早くも次回監督作の脚本を書き上げ、撮影を準備中。初の英語作品となる『The Death and Life of John F. Donovan(原題)』では、ハリウッドを舞台にセレブの日常やマスメディアを描く。ゴシップ雑誌の女性編集者役のジェシカ・チャスティンのほかスーザン・サランドン、キャシー・ベイツ、キット・ハリントンらキャスト陣にも期待が高まる。

意欲的に映画制作を行い、作品ごとに進化を続ける新しい才能グザヴィエ・ドランの活躍から今後も目が離せない。

 


グザヴィエ・ドラン / Xavier Dolan
1989年、カナダのケベック州出身。父親は俳優のマヌエル・タドロス。幼少期より子役として映画やテレビ番組、CMなどに出演。2009年『マイ・マザー』で監督デビュー。ジョエル&イーサン・コーエン兄弟が審査員長を務める第68回カンヌ国際映画祭では、ギレルモ・デル・トロ、ジェイク・ギレンホールらと共に審査員に選ばれた。

『Mommy/マミー』
4月25日、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー
公式サイト:http://mommy-xdolan.jp
【監督】グザヴィエ・ドラン
【出演】アンヌ・ドルヴァル、スザンヌ・クレマン、アントワン=オリヴィエ・ピロン
(2014/カナダ/138分/1:1/DCP)

『エレファント・ソング』
6月6日、新宿武蔵野館、渋谷アップリンク他、全国順次公開
公式サイト:www.uplink.co.jp/elephantsong
【監督】シャルル・ビナメ
【出演】グザヴィエ・ドラン、ブルース・グリーンウッド、キャサリン・キーナー、キャリー=アン・モス、ガイ・ネイドン、コルム・フィオールドン ほか
(2014/カナダ/100分/シネマ・スコープ/DCP)

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©Sébastien Raymond

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