映画『羊の木』日本外国特派員協会記者会見が31日、都内・公益社団法人日本外国特派員協会にて行われ、主演の錦戸亮(関ジャニ∞)と吉田大八監督が出席した。
外国のプレスを前に錦戸は「映画を楽しんでもらえたと思う。この映画を通して自分は、まったくわからない存在が自分のコミュニティーに入ってきたらどうしようかと考えた。エンターテインメントでありながら、社会的な側面もある映画。映画を通して過疎化、移民などの問題についても考えるいいきっかけになればいい」と流ちょうな英語でスピーチ。集まった海外メディアからは歓声と拍手が沸き起こった。
そんな英語力を評価して海外メディアから「ハリウッド進出の希望は?」と聞かれた錦戸は「ハリウッドがあるなら挑戦させていただきたい」と前向きに語るも「でも冒頭のスピーチで死ぬほど緊張したから…」と苦笑いで、「語学力も大事ですが、それを抜きに“使いたい俳優”にまずは日本でなりたい」と日本での成長に意欲。そして、演技をする上でリスペクトしている俳優について聞かれ、「僕の先生はジェイク・ギレンホール、デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ。好きになった映画は10回くらい見る」と国際的な名優たちの名を挙げた。
劇中ではごく一般的な公務員を演じており、その役への染まりぶりが好評の錦戸だが「普段は煌びやかなステージに立っているけれど、お芝居の仕事ではアイドル的なところは出す必要がないと思っています。家に帰ったら普通ですから。だから煌びやかなのは自分の側面の一つなんです」と等身大を強調。関ジャニ∞ではギター担当だが、本作ではベースの腕前を披露。錦戸は「ベースを弾きながらだと、人の顔を見ても何も言われない時間だと気付いた。だから僕が演じた月末的には文(木村文乃)をずっと見ていたい時間だったのではないか」と役柄の心境を代弁するも「月末的にはですよ」と照れていた。
吉田監督はそんな錦戸の魅力を「錦戸さんは、普通の青年を演じていながらも、視線を引き付ける力がある人。だからこそこの映画には必要だと思って声をかけた」と紹介。また吉田監督は『羊の木』に様々なジャンル、テーマが盛り込まれていることを指摘されると「自分は欲張り。1本の映画でたくさんの感情を表現したい。ひとつの物語に上手く全部を取りこぼさずに盛り込むことをチャレンジとしてやろうとしているが、今回の作品でもそれができたのでは」と自信を覗かせた。
映画『羊の木』は2月3日(土)より全国公開
【CREDIT】
出演:錦戸亮 木村文乃 北村一輝 優香 市川実日子 水澤紳吾 田中泯 / 松田龍平
監督:吉田大八 脚本:香川まさひと
原作:山上たつひこ いがらしみきお 「羊の木」(講談社イブニングKC刊)
配給:アスミック・エース
公式サイト:hitsujinoki-movie.com
©2018『羊の木』製作委員会 ©山上たつひこ いがらしみきお/講談社