山上たつひこ原作、いがらしみきお作画の同名小説を『桐島、部活やめるってよ』『紙の月』で知られる吉田大八監督が映画化した『羊の木』が大ヒット公開中。メインキャストだけでなく、総出演映画200作超え(※allcinema参照)の邦画界を代表する名バイプレイヤーの競演にも注目だ。
本作は、殺人などの凶悪犯罪に手を染めた元受刑者たちを受入れた港町で起こる数々の事件、住民と“元殺人犯”の不協和音、人間が本能的に犯罪者に感じる生理感覚を描き出す問題作。吉田大八監督が「普通の人の輪に入り込む異物」という極限の設定と、その異物が元殺人犯であるというセンセーショナルなテーマを軸に原作を大胆にアレンジ。全く異なる新しいエンディングを創り出す。
お人好しな市役所職員・月末一役に錦戸亮、町に帰郷した月末の同級生・文(あや)役に木村文乃が扮するほか、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平らが共演する。
SNSでは、「どんどんひきこまれていく」「片時も目が離せない」「ラストの衝撃とカタルシスが凄まじかった」「見終わった後のなんとも言えないドキドキした感覚が忘れられません」と鑑賞後の余韻がすごいと話題に。錦戸亮をはじめ、木村文乃、松田龍平、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯の強烈な個性を持つオールスターキャストに「素晴らしい演技!」という称賛の声も続々とあがっている。
そんな豪華な主要キャストに注目しがちな本作だが、実は彼らを支える名バイプレイヤーの見事なアンサンブルにも要注目だ。まずは、水澤演じる福元が働く理髪店の店主役に扮するのは中村有志。テレビ東京の名物番組「元祖!大食い王決定戦」で長らくMCを務め、2016年に卒業したことで知っている人も多いはず。俳優の他にも、パントマイム、お笑い、音楽活動と、幅広いジャンルで活躍している。
田中演じる大野が働くクリーニング店の店主役に扮するのは安藤玉恵。『探偵はBARにいる』シリーズや「深夜食堂」シリーズなどに出演しており、女性名バイプレイヤーと言われるとまず名があがるに違いない。
錦戸演じる月末と同じ課の後輩に扮するのは細田善彦。大河ドラマ「真田丸」(16/NHK)、「逃げる恥だが役に立つ」(16/TBS)などのドラマや映画に出演。
さらに、優香演じる理江子が働く施設で介護を受ける月末の父に扮するのは北見敏之。数えきれないほどのドラマ・映画に出演するベテラン俳優。
月末と木村演じる文とバンドを組む同級生に扮するのは松尾諭。連続テレビ小説「ひよっこ」に続き、「わろてんか」にも出演中であり、『シン・ゴジラ』の泉修一役でも知られる国民的名バイプレイヤーだ。
月末に何かと世話を焼く叔母役には山口美也子。77年のスクリーンデビュー以降、若松孝二作品や竹中直人作品など多数の映画に出演。
松田演じる宮腰を探して魚深にやってきた男に扮するのは、昨年末に亡くなった故・深水三章。北村が初日舞台挨拶で「まだ駆け出しの役者の頃からお世話になった先輩で、深水さんの遺作となった本作に同じシーンで共演できたことが嬉しい」と思いを馳せていたほど。
誰しもが一度は見た事のある名バイプレイヤーたちの出演映画を合算すると、その数200作品を越える。名バイプレイヤーの競演が、物語に深みをもたらす衝撃のヒューマン・サスペンス『羊の木』は大ヒット公開中だ。
映画『羊の木』は大ヒット公開中
©2018『羊の木』製作委員会 ©山上たつひこ いがらしみきお/講談社