映画『焼肉ドラゴン』初日舞台挨拶が22日、都内にて行われ、真木よう子、井上真央、大泉洋、桜庭ななみ、大谷亮平、大江晋平、鄭義信監督が登壇した。
関西の地方都市の一角で、一家が営む小さな焼肉店を舞台に、故郷を奪われた6人の家族が時代の波に翻弄されながらも、泣いて笑って力強く生きる姿を、ユーモアに満ちた描写・印象的な台詞と共に描く。長女・静花役に真木よう子、次女・梨花役に井上真央、三女・美花役に桜庭ななみ、静花への思いを秘めたまま梨花と結婚する男性・哲男に大泉洋が扮する。舞台版の作・演出に引き続き、鄭義信が本作で初監督を務める。
登壇した鄭監督は「今日という日を迎えることができて感無量です。舞台の初演から10年経ちますが、あっという間だった気も、長かった気もします」と満席の客席を大きく見渡しながら、感慨深げに語った。大泉は「大きなスクリーンに満杯のお客さん!タイトルがなんとなくコメディだと思われてきていましたが、今日でやっと感動作なんだとみなさんに伝わって嬉しい!」と大喜び。
真木は「今まであまり演じてこなかった役柄でしたが、芝居をしながら長女としての葛藤や、妹たちに幸せになってほしいという気持ちがどんどん湧いてきて、現場でもみんなと本当の家族になっていたと思います」とお姉さんの表情で笑顔をこぼすと、今回が俳優デビューとなった大江が「真木さんには大阪や京都に買い物に連れて行ってもらいました。服を買ってもらったり」と笑顔で語った。
そして今回荒々しい関西弁のセリフが多い井上は「生活かつかつなんよ!というセリフが難しかったですね」と苦笑した。そんな井上に大泉との共演について質問が及ぶと、大泉は「良い話出てこないよ!私が自転車漕ぐのが下手だとか言いますから!」と、劇中で大泉と井上が自転車で二人乗りをしているシーンの話になり、井上が「洋さん本当に下手で…」と愚痴をこぼすと、大泉は「わざとなんですよ。彼女の怒りの芝居を引き出したの。真央ちゃんが怒った瞬間に『それだよ!忘れんじゃないよ!』って言ったもんね」と大泉節を炸裂させ会場は大爆笑に包まれた。
さらに大泉の舌は止まらず、桜庭が「井上さんとは今でもくだらないメールを送りあってます。くだらないって言うとあれですけど…今CM流れたね、とか…」と微笑ましいエピソードを語るも、「くだらないですね~」と一刀両断。負けじと井上が「洋さんの悪口を言い合ったりね~」と返すなど、夫婦漫才のようなやりとりに客席は大盛り上がり。
そして一家のアボジ、オモニとして共演した韓国キャストについて、韓国語が堪能な大谷は「キム・サンホもイ・ジョンウンも家族の輪を大事にする人で、最初に日本語で何て言うのかを聞かれたのが『家族たちをお酒に誘いたい』という内容でした」と告白すると会場からは感嘆の声があがった。
そんなサンホから来日時に飲みに誘われたという大泉は「私は酔っぱらうと相撲を取る癖がありましてね、サンホともJapanese相撲をとりましたよ!日韓相撲対決です…あの時酔ってて覚えてないんだけど、どっちが勝ったの?」と意気揚々に井上に尋ねると、「洋さん取ったと思ってるみたいですけど、一人でJapanese相撲だ!Japanese受け身だー!って盛り上がって…(笑)アボジ全く見てないし相手にされてなかったですよ」と暴露。崩れ落ちた大泉に客席からは拍手が起きた。
最後に登壇者にはサプライズで届いていたサンホからの手紙が紹介されると、真木は「アボジからこんな良い言葉を聞いたのは初めてかも。泣きそうになっちゃいました」と涙ぐみ、場内は感動に包まれた。鄭監督が「優しい人たちに恵まれて叶った映画化。この家族たちがみなさんに愛されることを願っています」と締めくくった。
映画『焼肉ドラゴン』は全国公開中
(C)2018「焼肉ドラゴン」製作委員会