『散り椿』岡田准一、“巨匠”木村大作とのタッグに「鬼の部分が楽しみだった」

映画『散り椿』完成報告会見が27日、都内・帝国ホテルにて行われ、キャストの岡田准一、西島秀俊、黒木華、池松壮亮、麻生久美子、監督・撮影の木村大作が出席した。

散り椿

過去に日本アカデミー賞最優秀撮影賞を5回受賞、キャメラマンとしてだけでなく、映画監督としても『劔岳 点の記』で第33回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞している木村大作が3度目の監督に挑む本作。黒澤明監督作品『隠し砦の三悪人』の撮影助手からキャメラマンのキャリアをスタートさせ、『用心棒』『椿三十郎』と黒澤明に従事してきた木村大作が、満を持して時代劇に初挑戦する。

映画人生60周年を迎える木村監督。節目の年に初の時代劇に挑戦した木村監督は「監督3作目ですから。撮影助手のときに黒澤組(黒澤明)についていましたから、かの有名な『椿三十郎』を現場で見ていた生き残りです。人の心の“美しさ”を撮りたい、“美しい時代劇”を撮りたかった」とコメント。

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主演の岡田は、藩の不正を訴え出たために、時の権力に負け藩を追放された男・瓜生新兵衛を演じる。道場の四天王の1人という役柄から、約3ヶ月にわたる殺陣の稽古に励み、激しく鋭い剣豪アクションに臨む。

追憶』でキャメラマンとして参加していた木村と、今作では監督としてタッグを組んだ岡田。オファーを受けて「山の映画を撮られた時、大作さんが『お前、死ぬ気あんのか?』『俺はこの作品を命かけて撮るから、それについて来れんのか?』と。監督になる時は“鬼のようになる”と、映画界では有名な話。今回は監督としての大作さんとご一緒するので、鬼の部分が楽しみではありましたね」と明かす。

続けて、“美しい時代劇”との言葉に「大作さんが思う“美しい”とは、人の美しさや色んなシーンの美しさ、それを一緒になって探していくこと。すごく光栄に思いながら探していきました」とコメントした。

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岡田扮する新兵衛と共に道場の四天王の1人で、持ち前の頭脳明晰さで藩主の側用人として頭角を現す榊原采女役に扮する西島。本作が木村組初参加となった西島は、『劔岳 点の記』に出演した俳優から「撮影じゃない…修行だよ!」と聞いていたという。「辛い現場が大好きなので、ぜひ参加したいと思っていた。ピリピリした現場かなと思っていたんですが、確かに監督が『バカヤロー!!』とか言っていましたが、非常に愛のある現場だった。映画を撮る喜びにあふれた素晴らしい現場でした」と笑顔をのぞかせる。

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黒木は「厳しい方だと聞いていたので、怒られないか不安でした。でも、岡田さんが(木村監督のことを)『“大ちゃん”って呼んであげて』と言ってくださって、ちょっとおっかないかなと思っていたんですが、さりげなく“大ちゃん”と呼んだら、照れたように笑ってくださった。現場では、ご自身がムードメーカーのようにいてくださった」と木村監督の印象を語った。

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池松は「大作さんからオファーが来て嬉しかった。でも、原作を読んだら12〜13歳の設定で、大作さんから見たら『まだ12歳くらいに見えるのかな…』って。ちょっとショックでした(笑)撮影は有意義な環境で、圧倒的にデジタルの時代を歩んできた僕にとって、大作さんが培ってきた“映画の哲学”を教えていただいたような感じです」と明かす。

麻生は「とても良い緊張感のある現場でした。監督からお手紙のような、セリフ集のようなものをいただいて、それを心の中で読ませていただきました」と微笑んだ。

映画『散り椿』は9月28日(金)より全国東宝系にて公開

(C)2018「散り椿」製作委員会

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作品情報

散り椿

散り椿

3.8
2018/09/28(金) 公開
出演
岡田准一/西島秀俊/黒木華/池松壮亮/麻生久美子/緒方直人/新井浩文/柳楽優弥/芳根京子/駿河太郎/石橋蓮司/富司純子/奥田瑛二 ほか
監督
監督:木村大作/原作:葉室麟