岡田准一が主演を務める映画『散り椿』が、第42回モントリオール世界映画祭にて準グランプリとなる「審査員特別賞」を受賞した。
第42回モントリオール世界映画祭の授賞式が9月4日(現地9月3日)に行われ、本作がコンペティション部門でグランプリに次ぐ「審査員特別賞」を受賞。『散り椿』は本映画祭のオープニング作品として上映され、現地では長年、数々の黒澤明監督作品に携わってきた木村大作監督の初めての時代劇に期待が寄せられていた。さらに本映画祭は、19年前に木村大作監督が『鉄道員』(1999年)で初めて参加した海外の映画祭でもあり、縁のある映画祭での受賞となっている。
先日、日本国内でも完成報告会見と完成披露舞台挨拶が行われ、その“美しい時代劇”をお披露目して話題を呼んだばかりの中、世界の映画祭でいち早く評価された形となった。
木村大作 (監督・撮影)コメント
19年前、初めて参加した海外映画祭が、モントリオール世界映画祭でした。
出品作品は『鉄道員』。最優秀男優賞に高倉健さんが輝きました。
その映画祭で、この度『散り椿』が審査員特別賞を受賞しました。
『散り椿』は、私たちスタッフ、キャスト全員で作り上げた映画です。
ですから、この賞は皆でもらった賞です。
“日本の美しい時代劇”が世界で認められたことを大変嬉しく思っております。
セルジュ・ロジーク(モントリオール世界映画祭 ディレクター)コメント
偉大な映画だ。すべて素晴らしい。
エリー・カスティエル(モントリオール世界映画祭 審査委員長)コメント
映画を拝見してクロサワを思い出しました。クロサワはショー的な映画でしたが、この作品は絵画の連続でした。すなわちコンセプトがよかったのです。言い換えれば、絵のような演出でした。映画を魅せるということをうまくなさった作品です。
過去に日本アカデミー賞最優秀撮影賞を5回受賞、キャメラマンとしてだけでなく、映画監督としても『劔岳 点の記』で第33回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞している木村大作が3度目の監督に挑む本作。黒澤明監督作品『隠し砦の三悪人』の撮影助手からキャメラマンのキャリアをスタートさせ、『用心棒』『椿三十郎』と黒澤明に従事してきた木村大作が、満を持して時代劇に初挑戦する。
主演に抜擢された岡田は、藩の不正を訴え出たために、時の権力に負け藩を追放された男・瓜生新兵衛を演じる。道場の四天王の1人という役柄から、約3ヶ月にわたる殺陣の稽古に励み、激しく鋭い剣豪アクションに臨む。岡田扮する新兵衛と共に道場の四天王の1人で、持ち前の頭脳明晰さで藩主の側用人として頭角を現す榊原采女役に西島秀俊が扮するほか、黒木華、池松壮亮、緒形直人、新井浩文、柳楽優弥、麻生久美子、石橋蓮司、富司純子、奥田瑛二らが共演に名を連ねる。
映画『散り椿』は9月28日(金)より全国東宝系にて公開
(C)2018「散り椿」製作委員会