人生の教訓をフィクションに包んで伝える、寓話的ファンタジー映画。困難な状況に直面したとき、その障壁を乗り越える過程で成長していく少年少女の姿が感動的で、数多くの名作が存在します。そんな観終わったあとに大事なことに気付かせてくれる、おすすめ空輪的ファンタジー映画4作品をご紹介!
映画『シシリアン・ゴースト・ストーリー』12月22日(土)公開
美しい自然の残るシチリアの小さな村に住む13歳のルナは同級生のジュゼッペに思いを寄せていた。2人の仲が深まろうとする矢先に、ジュゼッペは突然姿を消してしまう。なぜか周囲の大人たちが口をつぐむなか、ルナは懸命に彼の行方と失踪事件の真相を追うのだったがー。美しいシチリアの自然の風景とともに描かれる、人間の残虐さ、純粋な心の強さ。1993年にシチリアで起きた凄惨な事件が紡ぐ、美しくも切ない寓話的な恋物語が完成した。
映画『パンズ・ラビリンス』(06)
1944年のスペイン内戦で父を亡くした少女が、ある日屋敷の近くの森の中で秘密の入り口を見つけ、妖精の化身である虫たちに導かれ迷宮の世界へと足を踏み入れる・・・。現実と迷宮の狭間で3つの試練を乗り越える少女の成長を描くダーク・ファンタジー。『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロ監督作品。ファシズムという厳しい現実から逃れるため、架空の世界に入り込む少女を通じて人間性の本質に鋭く切り込む。イマジネーションあふれる壮大な視覚技術を駆使して生まれたクリーチャーや深く考察されたテーマに根ざした巧みな演出が衝撃的。
映画『ブラック・ブレッド』(10)
内戦を終えた1940年代のスペイン・カタルーニャ。11歳の少年アンドレウは親子の血まみれの遺体を森の中で発見する。死の直前、「ピトルリウア」という謎の言葉をつぶやく女性を目撃したアンドレウは、遺体発見者になったことを発端に惨たらしい現実に巻き込まれていく。内戦によって心に深い傷を負った大人たちがひた隠すおそろしい現実を知ることになり、アンドレウは生きていくためにある決断を下す。スペインの俊英、アグスティー・ビジャロンガ監督が放つミステリー。
映画『怪物はささやく』(16)
難病の母と裏窓から教会の墓地の見える家に住む13歳の少年コナー。ある晩、コナーのもとに樹木の姿をした怪物がやってきて、隠している真実の物語を語れと迫る。頑なにそれを拒むコナーを意にも介さず、その日を境に、怪物は毎晩現れては物語を語り聞かせる。その物語を聞き、内なる衝動を突き動かされたコナーは、ついに真実の物語を語る―。その先に待つ“真実”が、激しく切なく胸を揺さぶる。世界的ベストセラーを、「永遠のこどもたち」のJ・A・バヨナ監督が実写映画化した圧巻の感動作。
映画『シシリアン・ゴースト・ストーリー』は12月22日(土)より新宿シネマカリテほか全国順次公開
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