絶賛公開中の映画『運び屋』。映画ファンだけではなく、世代を超えて支持を集めているクリント・イーストウッド扮する主人公アール・ストーンの魅力に迫る。
クリント・イーストウッドが人生を重ねて演じる“運び屋” に注目が集まっている。愛されキャラを支持しているのは、意外にも若い世代。映画ファンだけではなく、世代を超えて支持を集める我が道を行く男、アール・ストーンの魅力とは。
クリント・イーストウッドが『グラン・トリノ』以来10年ぶりに自ら主演を決めたのは、犯罪史上最高齢90歳の『運び屋』だった。ニューヨーク・タイムズ・マガジンに掲載された記事を元にコカインの運び屋となった老人を描いた実話は、メキシコの壁をめぐるドラッグや高齢者社会など重いテーマを持ちながらも、我が道を行く主人公の姿にはユーモアが溢れ、「イーストウッドの最高傑作」との呼び声も高い。待望の日本公開を迎えると、長年のイーストウッドファンだけではなく、若い世代からの熱い支持を集めて大ヒットとなった。特に10代~20代の若者たちから、イーストウッドが演じる運び屋の生き様に対する共感が続々と発信されている。
本作の主人公アール・ストーンは、仕事に打ち込むあまり家族をないがしろにし、妻や一人娘と疎遠になってしまった孤独な老人。事業が傾き、家財を差し押さえられるほどに逼迫したところに「車を運転するだけで金になる」仕事を持ちかけられる。だが、それは巨大麻薬組織の運び屋だった。
安全運転に自信がある彼は、カーラジオから流れるカントリーソングを口ずさみながら、マイペースに仕事をこなしていく。90歳にしてこの自由な姿に、ファッション評論家のピーコさんも「運転しながら歌う姿は、抱きしめてあげたくなった!!」とコメント。SNSでも「歌いながら食べながら飲みながら楽しそうに運転する姿には萌えが止まらなかったな〜おじいちゃん映画好きなら萌える事間違いない!」「ドライブする様は観てるこちらまで朗らかな気持ちになる」と評判を呼んでいる。
イカついマフィアを前にしても物怖じせず飄々とジョークを飛ばす。路上で困った人を見つけると、車を停めて人助けをする。麻薬組織から送り込まれた監視役には、アメリカで一番のポークサンドを振る舞い、時には人生の助言までおくる。火事で閉店に追い込まれた退役軍人クラブには、運び屋で稼いだお金を気前よく差し出す。アールの仕事は違法なのだが、その姿はどこかロビン・フッドのような慈善家を感じさせる。しかも、ひとまわりもふたまわりも年の離れた女性と遊ぶ“現役の男”なのだ。
その自由奔放な生き様に、「イーストウッドの不良おじいちゃんが堪能できてステキだった」「こんなジジイに憧れる」「イーストウッドの「ジジイ力」に登場人物と観客の全員がやられてしまう」「可愛いジジイ観たい人におススメです」「チャーミングな頑固ジジィ役やらせたら右に出るものはいない」「イーストウッド史上最高に可愛いイーストウッド。 超チャーミングなジッちゃん映画」「運び屋、おじいちゃん可愛い映画でした」「『運び屋』のイーストウッド、ホント超かわいい」「愛されお爺ちゃん映画でした…最高」など、憧れと共感の声が続出している。
『グラン・トリノ』のニック・シェンクがイーストウッドのために書き上げた脚本をもとに、自分の人生を重ねたかのようなユニークなキャラクターを創り上げた。90歳になってもブレることなく我が道を行く主人公アールは、運び屋という仕事を続ける過程で、人々と出会い、人生にとってかけがえのない、大切なことを見つける。「学ぶことに年齢は関係ない」と語るイーストウッドが、頑固に我が道を行く主人公を通して伝えようとしたメッセージは、日本でも大反響を巻き起こしている。
映画『運び屋』は大ヒット公開中
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