第20回釜山国際映画祭で、A Window on Asian Cinema部門に正式出品された『ピンクとグレー』が10月2日に上映された。その後実施されたQ&A舞台挨拶と海辺での記者会見には、主演の中島裕翔(Hey! Say! JUMP)、菅田将暉、そして行定勲監督が登壇した。
芸能界の嘘とリアルを現役アイドルの加藤シゲアキ(NEWS)が描いた問題作を、初主演の中島裕翔(Hey! Say! JUMP)を迎えて、『GO』『世界の中心で、愛をさけぶ』の行定勲監督が映画化した『ピンクとグレー』。突如謎の死を遂げる大人気スター・白木蓮吾役に中島裕翔。その死の真実を追う親友・河田大貴役を、いま抜群の在感を放つ菅田将暉が演じている。
物語は、大人気スター俳優・白木蓮吾の突然の死から始まる。第一発見者は幼い頃からの親友・河田大貴。蓮吾に何が起きたのか?動揺する大貴は、6通の遺書を手にする。遺書に導かれ、蓮吾の短い人生を綴った伝記を発表した大貴は、一躍時の人となり、憧れていたスターの地位を手に入れるが…。
公式上映終了後に行われた舞台挨拶では、約700人の観客が集まった会場に、中島、菅田、行定監督が登場。会場からは女性の“黄色い”ならぬ“ピンク色”の歓声が沸き起こった。この日、グレー色のスーツを恰好良く着こなした中島と、パープル色のスーツにピンク色の髪色の菅田は、まさに映画タイトルであるピンクとグレー姿でお客さんを魅了。中島、菅田が続けて韓国語を披露すると、観客からは驚きの声とともに歓声が上がった。
質疑応答の中には、中島に「激しいベッドシーンがありましたが、撮影時はどうでしたか?」との質問が。中島は「激しい場面でしたね。(笑)大変でした。(自分の唇に)リップグロスがとても塗ってあったので、(相手役の夏帆さんの唇が)べったべたになってしまいました。」と撮影の裏話を語った。
そしてQ&A終了後、一行はヘウンデビーチへ移動。釜山国際映画祭名物の海辺でのトークイベントに参加し、再び記者からの質問があった。
まず「行定監督から見た2人のそれぞれの長所は」という質問に対して監督は、「中島くんはすごく色々なチャレンジをしました。ベッドシーンや暴力シーン。撮影を通じて思ったのは、中島は心の弱い部分と、アイドルらしく決めの聴いた歌のシーンなど、非常になんでもできる人。全てが様になっている。前半と後半では全く違う映画なので、楽しみにして欲しいです。」と答えた。
菅田については「今回はピンクの髪型してるが、奇抜でありながら繊細。今の日本映画界で、彼を必要としている作品はとても多い。逸材。僕が昔撮った『GO』に出ている窪塚洋介を彷彿とさせるくらい、フレームからはみ出る芝居でありながら、どこか繊細。」
また中島、菅田へは「それぞれ相手に対して嫉妬することは?」との質問。
中島は「全部ですよね。自分でテーマにしてたのはできるだけ自然に、という事を意識していました。今までドラマとかで、自分の中でチャレンジやテーマを意識したことがなかったんです。でも、菅田くんは毎回毎回、監督を驚かせにいくんですよ。ワンテイクごとに違う演技をしてくるんです(笑)。毎回違う柔軟さですよね。」との答え。菅田が「ダメ?(笑)」と言えば、中島は「ダメじゃないよ。(笑)」。
いっぽう菅田は「(中島とは)公私ともに仲良くさせてもらっています。素敵なのは、愛嬌かな。品がある。ただ可愛い人は沢山いますが、チャーミングなだけではなく、品があって高級食材みたいな感じ。(笑)クリエイティブ意識を刺激されます。いろいろさせたくなる魅力が彼にはあると思います。だから行定さんも彼に色々させたんだと思います。」と答え、それぞれが相手の魅力を語っていた。
2016年1月9日(土)全国ロードショー
配給:アスミック・エース
(C)2016「ピンクとグレー」製作委員会