驚きと衝撃を与え続ける鬼才M・ナイト・シャマラン【監督・俳優のすすめ Vol.12】

“監督で観る” “俳優で観る”映画の楽しみ方。今注目の人やこれから注目すべき映画監督・俳優について紹介する【監督・俳優のすすめ】。Vol.12は予測不能なストーリーと結末で世界に衝撃を与え続ける鬼才M・ナイト・シャマラン。

Keyword 1:原点 ~“スリラーの天才”と呼ばれた監督

衝撃の結末が話題を呼んだ『シックス・センス』で、その名を世界に知らしめた鬼才M・ナイト・シャマラン。M・ナイト・シャマラン監督というとスリラー、サスペンスのイメージが強いが、実は監督デビュー作『Praying with Anger』は生まれ故郷インドへの旅を基にした半自伝的ドラマで、監督2作目『翼のない天使』は亡くなった祖父を探す旅に出る少年の成長を描いたドラマと、現在のイメージとは全く異なる作品を手掛けている。しかし、『シックス・センス』の成功と、監督自身も惹かれるテーマが結びついた結果、『アンブレイカブル』、『サイン』、『ヴィレッジ』、『ハプニング』といった作品に繋がっていったのだろう。その後、“(監督自身の)子供も楽しめるように”と、より身近な要因から『レディ・イン・ザ・ウォーター』、『エアベンダー』、『アフターアース』といった作品を手掛けている。

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M・ナイト・シャマランの映画は、興行的に成功を収めたものもあれば、低迷した時期もあり、絶賛を受けたものもあれば、賛否両論を生んだものもある。最新作『ヴィジット』はこれまでも数多く手がけてきたスリラーだが、次回監督作に決まっている『Labor of Love』は初めて手掛けた『Praying with Anger』のような作品になるとのこと。観客が求めるスリラーやサスペンスといった映画と、監督自身により近い映画。そのどちらもM・ナイト・シャマランの撮りたい映画であって、“原点”と言えるかもしれない。

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Keyword 2:最大の衝撃 ~最新作はシャマラン史上最高のスリラー

10月23日(金)より公開となる『ヴィジット』は、『ハプニング』以来7年ぶりとなる“スリラー映画”。シャマラン史上最も怖く、これまで以上に不気味な雰囲気の本作。休暇中に優しい祖父母の家を訪ねた姉弟だったが、その家には3つの奇妙な約束があった。夜、第三の約束であった「夜9時半以降は部屋から絶対に出ないこと」を破って扉を開いてしまった2人の目の前には、常軌を逸した人間の姿が――。その日から穏やかだった日々は一変してしまう……という冒頭から謎の多いストーリーに思わず引き込まれる。そして、怖さから目をそらしていたら見逃してしまいそうなほど、伏線の数々がちりばめられ、最後には驚きの結末が待っているという。次々と観客を驚かせてきたM・ナイト・シャマランが真価を発揮し、再び世界中を驚きと衝撃の渦に巻き込む最新作。結末を予想しながら観ても良し、次々と起こる展開に驚きながら結末を待つのも良し。シャマラン監督ならではの演出をぜひスクリーンで堪能したい。

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次回作は冒頭でも触れた『Labor of Love』でブルース・ウィリスが主演予定。『シックス・センス』『アンブレイカブル』と傑作を生み出したコンビの新作に期待が高まる。また、タイトルは明らかになっていないが、『X-MEN』シリーズのジェームズ・マカヴォイが主演に決定した新作も11月より撮影開始予定と報じられており、どんな映画を観客に見せてくれるのかこれからも目が離せない。


M・ナイト・シャマラン
インド系アメリカ人の映画監督・脚本家・プロデューサー。
幼い頃にスーパー8を手にしたことで、早くから映画製作者を志望していた。父親は医学の道へ進むことを希望していたが、母親は映画製作への情熱を応援していた。スティーヴン・スピルバーグのに憧れ、17歳までに45本もの自主映画を撮った。ニューヨーク大学在学中、家族や友人の援助を受けて製作した半自伝的映画『Praying with Anger』(92)では監督・脚本・製作・主演を務め、トロント国際映画祭で上映された。監督2作目の『翼のない天使』(98)では、ヤング・アーティスト・アワードの最優秀ドラマにノミネートされた。続く3作目『シックス・センス』(99)が米アカデミー賞6部門(作品賞・監督賞・助演男優賞・助演女優賞・脚本賞・編集賞)にノミネートされた。その後は自身で書いたオリジナル脚本をもとに『サイン』(02)、『ヴィレッジ』(04)、『ハプニング』(08)といった映画を監督。『エアベンダー』(10)は、テレビアニメ『アバター 伝説の少年アン』を原作とした初めての脚色作品。今年に入ってからは自身初となるテレビドラマ作品『ウェイワード・パインズ 出口のない街』の製作総指揮を務め、第1話では監督も務めた。
Twitter:@MNightShyamalan

『ヴィジット』
10月23日(金)公開
公式サイト:http://thevisit.jp
【監督・脚本】M・ナイト・シャマラン
【製作】M・ナイト・シャマラン、ジェイソン・ブラム、マーク・ビエンストック【出演】キャスリン・ハーン、ディアナ・デュナガン、ピーター・マクロビー、エド・オクセンボールド、オリビア・デヨング
(2015/アメリカ/94分)

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© Universal Pictures.

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