劇場オリジナルアニメーション『サイダーのように言葉が湧き上がる』より、大貫妙子が書き下ろした劇中歌「YAMAZAKURA」を本編映像で綴ったスペシャルPV第⼆弾が到着した。
もともと学⽣時代からファンだった大貫妙子の「春の⼿紙」(93年発売)を聴きながら『サイダーのように言葉が湧き上がる』の終盤のシナリオや絵コンテを書いていたというイシグロキョウヘイ監督。いざ制作も最終段階、⾳楽を発注するとなったときにダメもとで「大貫さんにお願いしたい」と希望を伝えてみたところ、なんと新曲書き下ろしで本⼈が歌うという最⾼の形が実現することとなった。
⼤貫へのオーダーする際には、本編には出てこないキャラクターの裏設定(ラフプロット)なども伝えたという。⼤貫はそれを丁寧に拾いあげて曲を完成し、さらに「これはあなたのことじゃない︖」とイシグロ監督に⾔ったそうだ。「びっくりした、でも確かにそうだった」と語るイシグロ監督。ミュージシャンを⽬指しながらも諦めたフジヤマ老人とイシグロ監督の⼼情がつながり「フジヤマ、そしてさくらの物語でもあり、そして⾃分の物語でもあることに気づいたことで、さらにこの物語が愛おしくなった」そうだ。フジヤマ⽼⼈のなくしてしまったレコードの思い出の曲で、チェリーやスマイルも必死に探していた曲だ。劇中では「藤⼭さくら」の曲として登場する、いわゆるキャラクターソング的な立ち位置とも⾔える。
さくら⽬線で書かれたこの「YAMAZAKURA」は若きフジヤマ老人との恋の記憶を歌詞としながらも、それはチェリーとスマイルの現在進行形の恋模様と重なっていく。今回公開となるPVでは、フジヤマとさくら、チェリーとスマイルがオーバーラップし、恋愛の喜びや葛藤、相手を大切に思う気持ちや気持ちを伝えたいという強い感情は、いつの時代も変わらない、世代を超えた普遍的なものであることを感じさせる。それだけではなく、⻘春期のこの感情は、一生の宝物であるということも。大貫妙子の深く包み込む様な歌声が、全ての世代の人々の心に染み入る。
映画『サイダーのように言葉が湧き上がる』は7月22日(祝・木)より全国公開
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