『マイマイ新子と千年の魔法』で第14回文化庁メディア芸術祭優秀賞に輝いた片渕須直監督が、こうの史代の原作をアニメーション映画化した『この世界の片隅に』が11月12日より全国公開される。この度、ヒロインの声をアニメ映画初主演となる能年玲奈改め“のん”が務めることがわかった。あわせて予告編が到着した。
片渕須直監督が6年の歳月をかけ、戦中戦後の広島・呉の綿密なリサーチと時代考証を行い、こうの史代漫画の世界を色鮮やかに描き出す本作は、戦況が悪化していく世の中で、苦悩しながらも日々を大切に前を向いていく女性・すずの生き様を追っていく。主演ののんをはじめ、細谷佳正、稲葉菜月、尾身美詞、小野大輔、潘めぐみ、岩井七世、澁谷天外が出演する。音楽を『マイマイ新子と千年の魔法』で主題歌を担当したシンガー・ソング・ライターのコトリンゴが務める。
アニメ映画初主演にのんは「すごく本当に、とんでもなく嬉しくて、なんか地面からふわっと浮いちゃいそうなくらい嬉しかった」と喜び。また、戦争を題材にした本作に「私は戦争や暴力の描写が嫌いで苦手で、目を向けないで拒んでいたところがありました。(戦争は)非日常なもので別次元のものと思っていたのですが、原作を読ませていただいて、日常と隣り合わせに戦争があったのかもしれないなと感じて、今まで拒んできたものに目を向けてみようと思いました」と語る。
自身が演じるヒロイン・すずについて「感情が沸きたった時に、がーって絵を描いているところがすごく共感しました。すずさんは、ぼーっとしていると言われながらも、パワフルでポジティブなところが好きです。劇中ですずさんがやっているような着物のリメイクにも挑戦してみたいです」と明かした。また、2015年に行われたクラウドファンディングで日本全国からの熱烈な支持を受け製作が決定した本作。のんは「観たい映画を一緒に制作していくという、応援してくださってるみなさんがこの映画を一緒に作っているというのが本当に素晴らしいことだなと思います。私もそこに参加させていただけることがすごく嬉しいです」とコメントを寄せている。
解禁された予告編からは、広島弁の持つ独特のイントネーションに苦労を感じながらも、その可愛らしさに楽しんで挑戦している様子がうかがえる。のんは「普通に生活しているとか、ただ生きているっていうことが、あぁやっぱり普通っていいな、と思える映画だと思うので、そういうのを感じていただきたいなと思います。そして、是非ご家族を誘って見ていただきたい。大切な感覚を一緒に共有出来ると思うのです」とメッセージを贈った。片渕監督は「すずさんに命を吹き込んでくれて感謝の気持ちでいっぱいです」と絶賛している。
映画『この世界の片隅に』は11月12日よりテアトル新宿ほか全国公開
【CREDIT】
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 / 澁谷天外
監督・脚本:片渕須直 原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
製作統括:GENCO アニメーション制作:MAPPA
配給:東京テアトル 公式サイト:konosekai.jp
©こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会