『彼編む』生田斗真、ベルリン映画祭テディ審査員賞&観客賞のW受賞に「“日本映画”の可能性を感じた」

映画『彼らが本気で編むときは、』初日舞台挨拶が25日、都内・新宿ピカデリーにて行われ、主演の生田斗真をはじめ、桐谷健太、柿原りんか、荻上直子監督が登壇した。

彼らが本気で編むときは、

本作は、2013年の一つの新聞記事に掲載された「トランスジェンダーの子どもを持つ母親が子どものためにニセ乳を作る」という心温まるエピソードから着想を得た、荻上監督によるオリジナル脚本でおくるヒューマンドラマ。物語は、元男性でトランスジェンダーのリンコ、育児放棄された子どものトモ、リンコの恋人でトモを温かく見守る叔父のマキオの3人による形に囚われない家族を描く。

女性として人生を前向きに生きようとしているトランスジェンダーのリンコ役に生田斗真、その恋人・マキオ役に桐谷健太、母親に置き去りにされた少女・トモ役を柿原りんかがそれぞれ演じるほか、マキオの姉でありトモの母親・ヒロミ役にミムラ、リンコの母親・フミコ役に田中美佐子、トモの同級生の母親・ナオミ役に小池栄子、リンコの職場の同僚・佑香役で門脇麦が共演する。また、マキオとヒロミの母親・サユリ役を11月11日に亡くなったりりィが演じている。

生田は開口一番、「本日はお越しくださりありがとうございます。世の中ではプレミアムフライデーなんて言って盛り上がっていますが(笑)、皆さんにとって今日が『プレミアムサタデー』になっていただければと思います」と笑いを交えながら挨拶。

先日行われた世界三大映画祭である第67回ベルリン国際映画祭にて、LGBT(セクシュアル・マイノリティの人たち)をテーマにした全37作品の中で、優れた作品に与えられる“テディ審査員特別賞”と、ドイツの観客の投票により決まる“観客賞(2nd place)”をダブル受賞し、日本でも大きな話題となった本作。

登壇した4名がベルリン国際映画祭へ行ったことに話が及ぶと、生田は「ベルリン映画祭に行かせていただいて、たくさんの人にこの映画が届いてくれたと手ごたえが感じられました。会場の外でも知らないおじさんに『君の映画すごくよかったよ』と声をかけられたりして、頑張ってよかったなと感じました」としみじみ。

桐谷も「僕はこれが初めての海外の映画祭への参加でした。上映後、スタンディングオベーションが長い時間続いて、嬉しさがしみじみとこみあげてきましたね」と喜びを語る。続く柿原も「初めての海外が『ベルリン国際映画祭』で良かったです!」とコメントし、荻上監督は「ネコのキャラ弁のシーンとか、思いがけないところで笑ってもらえて驚きました」と現地でのエピソードを語った。

さらに、ベルリン国際映画祭の受賞式に登壇した荻上監督が手にしたトロフィーが、舞台上に登場。今回初めてトロフィーを手にした生田は「石で出来ているので、意外と重いんですね」とコメントすると、荻上監督が「ベルリンの道路の石みたいです。『(セクシュアル・マイノリティの人たちへの差別などに対して石を)武器にして戦おう!』という意味があるみたいですよ」と明かすと、会場からはそんなエピソードに「えー!」という声が上がる場面も。

舞台挨拶では、審査員からの“テディ審査員特別賞”を本作が受賞した理由も明かされた。「審査員全員一致での決定でした。 審査員の中で、最も絶賛されたのが、『彼らが本気で編むときは、』が、子供の目を通して、セクシュアル・マイノリティの家族を描いた点です。主演のリンコの役作りは実に説得力があり、彼女を広い心で大らかに見守る恋人と、胸を締め付けるほど愛おしい子役の存在は、我々審査員の心を揺さぶり続けました。日本作品でありながら、世界に十分アピールできる 『家族の物語』になっていましたし、その証拠に、一般の観客の評判がもっとも良い作品だったことも、 私たちが納得して『テディ審査員特別賞』を授けるのにもっとも相応しい作品だと思ったのです」という受賞理由が読み上げられると、生田は、「(ベルリンの)お客さんと一緒に上映を観ていると、笑ったり驚いたり、とても良いリアクションしてくれるので、それがうれしかったですね。『日本映画って面白いでしょ?』って思ったし、これからの日本映画の可能性を広げていくべきだと。その力添えをしたいと強く思いましたね」と熱く語った。

桐谷も「嬉しいですね。もちろん賞を獲ろうと思って演じているわけではないし、『良い作品を』と思って演じていたので、改めて賞をいただけると純粋に嬉しいし本当にありがたいことですよね」としみじみ。柿原は「(自身演じる)トモの気持ちが伝わったんだなと思うと嬉しいです」と語り、萩上監督も「トランスジェンダーの役は、トランスジェンダーである当事者が演じなきゃいけない、というようなムーブメントが欧米ではあったりするので、賞なんて期待していなかったんですが、このような形で頂くことが出来て本当に嬉しいです。声を大きくして『偏見やめましょう!』ということを言いたかったわけではなくて、『いろいろな形があっていいよね』ということを伝えたかったので嬉しいですね」と語った。

最後に生田は「本当に良い作品になったと自負しております。僕らが本当に一生懸命努力して汗水垂らして作った作品が、ベルリン国際映画祭で評価されたことが本当に嬉しいです。頑張ったら思いが伝わるんだなと思いましたし、もし、これからやりたいことがあるけれど悩んでる人は、『一歩思い切って踏み出してみるのもいいんじゃないかな』と、今ふと思いました。いつまでもこの作品を愛して貰えたら嬉しいです。今日は本当にありがとうございました」と真摯に語り、イベントを締めくくった。

映画『彼らが本気で編むときは、』は全国公開中

【CREDIT】
出演:生田斗真、桐谷健太、柿原りんか、ミムラ、田中美佐子、小池栄子、りりィ、門脇麦 ほか
監督・脚本:荻上直子
配給:スールキートス 公式サイト:http://kareamu.com

© 2017「彼らが本気で編むときは、」製作委員会

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