岩田剛典、斎藤工との共演に「何度もゾッとした」『去年の冬、きみと別れ』完成披露

映画『去年の冬、きみと別れ』完成披露試写会が25日、都内・新宿ピカデリーにて行われ、岩田剛典、山本美月、監督の瀧本智行、原作者の中村文則が登壇した。

去年の冬、きみと別れ

2014年本屋大賞ノミネート、目の肥えた書店員たちに「この小説は化け物だ」と言わしめた原作。読んだ感想を尋ねられた岩田は「ダマされました(笑)原作小説ならではの描写と言いますか、実際に映画化されたらどういう映像作品としてまとまるのかと、とても興味がありました。そして、結末を知った時に、また最初から読み返したくなるような作品でしたし、僕は物語の終わり方に衝撃を受けました」とコメント。

去年の冬、きみと別れ

山本も「説明を受けて小説を読んだのですが、すっかり忘れていて。完全にダマされました。終盤ですごい事が起きるのですが…(衝撃のラストに)これいいの?大丈夫?って思ってしまいました(笑)」と笑顔を見せながら、2人は<ダマされた>と口々に。

原作者の中村は「映像化不可能と言われていた作品なので、どうなるのか興味が湧きました」と映画化の話を受けた際の心境を明かし、続けて「脚本を読んだ時に、“この手があったか”と。すごく驚いて、僕も映画を観てみたいと思って承諾致しました。実際に映画を観させて頂いた時に、原作の“核”を見事に捉えて頂いていて。更に映画ならではの変更がまた面白くて、原作者という立場を忘れ一観客として楽しませて頂きました。気持ちよく騙されて、素晴らしい映画体験になりました」と絶賛した。

去年の冬、きみと別れ

中村から太鼓判を押され「原作者の方に、そういう風に思って頂けて良かったなと思います。僕は原作を読んで騙されたんですけれど、映画で騙し返せて良かったです(笑)」と岩田は喜びを噛みしめる。

瀧本監督は「映画を観て頂くと分かるかと思うのですが、すごく難しい役なんです。この物語は中々語れないんです。ネタバレに踏み込めないという辛さがあります。本当に(2人共)色々な顔を演じないといけない役柄で。その時々の感情には、嘘があっちゃいけないということがありつつ、さっきから話しに出ている(映画全体では)騙さなければならないというせめぎ合いの所で、非常に微妙なニュアンスを要求される芝居だったと思うので、すごく大変だったと思うのですが、見事に演じきってくれたなと思っています」と撮影を振り返った。

岩田は「撮影中は暗く、深く、長いトンネルを走っている気分で、いつ出口が見つかるのかと(笑)本当に暗中を模索しているような感じでした。監督が夢に出てくるぐらい(笑)現場に、作品に没頭した作品は初めてで。原作のパワーというか、作品のパワーと言いますか、”耶雲恭介”としての役柄に自然と取り憑いているかのような感覚がありました」と熱く駆け抜けた撮影期間の心境を吐露した。

また、岩田扮する耶雲が<最愛の人>を巡って対峙することとなる危険な男・木原坂を演じた斎藤工については「迫力満点でした。対面するシーンも多く、木原坂としての斎藤さんの目の奥にある闇みたいなものに、すごく僕は何度もゾッとする体験を撮影中にしました。ずっと撮影中は、木原坂で居てくださっていたので、耶雲を演じる上で助けて頂きました」と明かした。

最後に「この作品は観た方すべてが、裏切られる・騙される、そんな予測不能のサスペンスになっています。これからスクリーンの中で起こること、一瞬たりとも目を離さずにお楽しみ下さい!自分は瀧本監督のディレクションの元、精一杯演じさせて頂きました。本当に魂を込めた作品です。これからどんどん、この作品を盛り上げていけたらと思っております!」とメッセージを贈り、イベントを締めくくった。


中村文則が初めて挑んだキャリア最高傑作との呼び声高い小説を原作に描かれる本作は、盲目の美女が巻き込まれた焼死事件の真相を追う新進気鋭のルポライター・耶雲恭介の姿を描くサスペンス。人間の内面に深く肉薄した究極の「愛」を描きながら、1ページ、1ページと、予断を許さないストーリーが猛スピードで展開していく。

謎の焼死事件の真相を追うルポライター・耶雲恭介を岩田剛典が演じ、耶雲の婚約者・松田百合子役に山本美月、耶雲が事件の取材ルポタージュの提案をする週刊誌・編集者の小林良樹役に北村一輝、耶雲の取材対象者であり事件の被告である世界的フォトグラファー・木原坂雄大役に斎藤工、木原坂の姉で弟を事件からかばう朱里役に浅見れいなが名を連ねる。監督を『脳男』『グラスホッパー』などで知られる瀧本智行が務める。

映画『去年の冬、きみと別れ』は3月10日(土)より全国公開

【CREDIT】
監督:瀧本智行 脚本:大石哲也 音楽:上野耕路
出演:岩田剛典(EXILE/三代目 J Soul Brothers)、山本美月、斎藤工・浅見れいな/北村一輝
原作:中村文則『去年の冬、きみと別れ』(幻冬舎文庫)
制作プロダクション:C&Iエンタテイメント
製作:映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会
配給:ワーナー・ブラザース映画

(C)2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会

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