『娼年』三浦大輔と石田衣良が“娼夫”松坂桃李を絶賛「覚悟が決まっていた」

映画『娼年』公開直前トークイベントが2日、都内・ブロードメディアスタジオ試写室にて行われ、三浦大輔(脚本・監督)、石田衣良(原作)、MCに湯山玲子(著述家)が出席した。

娼年
映画『娼年』公開直前トークイベント

原作は、性の極限を描いたセンセーショナルな内容を描き、2001年の直木賞候補となった石田衣良の同名小説。恋愛や女性に「興味がない」主人公・森中領が、ある女性から“情熱の試験”として、秘密の会員制ボーイズクラブで“娼夫”として仕事をしていくところから物語が展開される。

伝説となった舞台から引き続き、主人公の森中領を松坂桃李が続投。共演に真飛聖、冨⼿⿇妙、⻄岡徳⾺、江波杏⼦、⼩柳友、猪塚健太、桜井ユキ、⾺渕英⾥何、荻野友⾥、佐々⽊⼼⾳、⼤⾕⿇⾐、階⼾瑠李らが名を連ねる。

トークイベントは、MCの湯山玲子の映画『娼年』への感想から始まった。「女性のパンドラの箱を開けてしまったエンターテインメント」、「松坂桃李演じるリョウがいれば、ほかの男性はいなくても良いという、男性にとって不都合な真実が隠されているのでは?」、「今は女性が性の欲望を認めはじめ、謳歌するまでの端境期です。映画は時代を変えていきます。この映画『娼年』が存在した以降、10年後はどうなるんでしょうか?ワクワクしました」という称賛のコメントで会場を盛り上げ、脚本・監督の三浦大輔と原作の石田衣良を迎えた。

石田は「大人向けの恋愛映画がやっとできたと思えました。こんな映画をずっと待っていました」と映画を大絶賛。原作については「子どものころから妄想していたことが初めて役に立った小説。(原作を)書いているときは楽しかったなぁ」と振り返った。

三浦監督は「撮影は本当に大変でした。舞台も映画もやりきらないといけないという義務感はありました。撮っているときは、役者も口を揃えて辛かったと言っていますが、楽しくはなかったです(笑)。でも、良い作品ができるとは思っていました」と語った。

セックスシーンについて湯山が「(他の映画は)そんな表情をしないよとか、嘘がばれることがよくあります。でも、この作品には嘘が無かった」と話を振ると、石田は「普通、セリフで心境の変化や成長を描くじゃないですか。それをセックスシーンだけで描くのは大変だったと思います。三浦監督がボリショイ・バレエのような細かい演出をしているんです」と解説した。

「この映画は、女性の欲望を喚起するシーンはあるのに、男性が好むチラリズム的な描写が全くない」と湯山が指摘すると、石田は「三浦さんは女性に対してファンタジーを持っていないんです。本当にリアルに描く方で、それがこの作品に合っていたんだと思います」、三浦監督は「女性への優しい目線は、石田さんの原作を受け継ごうと思いました」と説明した。

話は、主演・松坂桃李の起用へと移る。三浦監督は「舞台の時から、小説を読み込み、役作りも相当していたし、覚悟が決まっていました。松坂くん以外は考えられません」と力説。石田は「この役は散々セックスをするので、透明感がある俳優じゃないとどんどん汚れていってしまう。松坂くんの透明感はぴったりだと思いますよね」と称賛した。

熱演した女優たちについても、「現場で松坂くんについていけば自然に感情が湧くようになっていました」と、三浦監督の松坂への賛辞が続くのを聞いた石田からは「30代の松坂くんがやるようないい話を考えてみようかな・・・」と会場から嬉しい悲鳴が上がるコメントも。

最後に、三浦監督は「R18+作品ですが、いろんな人に観てもらわないと意味がないと思っています。普段映画館へ行かない人まで広まったら、面白いことになるんじゃないか、映画界が賑やかになるんじゃないかと思っています。ぜひ周りの人に勧めて欲しいです」、石田は「女性同士で観るのも良いし、あとはカップルで観てほしいです。帰りに一杯飲みながら、本当はこんなことしたかったんだけど・・・と『娼年』をネタに盛り上がりラブホテルへ行ってください」、湯山からは「女性同士で行って、観た後は飲みに行くと盛り上がると思う」と三人三様の楽しみ方を提案。大盛況のうちにトークイベントは終了した。

映画『娼年』は4月6日(金)より全国公開

(C)石田衣良/集英社 2017映画『娼年』製作委員会

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