池上彰、アメリカ先住民が置かれている悲惨さ物語る『ウインド・リバー』公開記念イベント

映画『ウインド・リバー』公開記念イベントが19日、都内・神楽座にて行われ、ジャーナリストの池上彰が出席した。

ウインド・リバー

本作は、雪深いアメリカの土地“ウインド・リバー”に突如見つかった女性死体をもとに繰り広げられるクライム・サスペンス。心に深い傷を負う孤高のハンター・コリー役にジェレミー・レナー、彼と共に事件を追う新人FBI捜査官ジェーン役にエリザベス・オルセンが扮する。『ボーダーライン』『最後の追跡』で2年連続アカデミー賞ノミネートの脚本家テイラー・シェリダンが初監督を務める。

ウインド・リバー

本作を観賞して、池上は「ミステリー、サスペンスではありますが、アメリカ先住民がどのような立場に置かれているのか。それを皆さんに知っていただきたいと思います。最近アメリカの大統領になった方も知らないんじゃないかな(笑)」と口火を切った。

ボーダーライン』『最後の追跡』で2年連続アカデミー賞ノミネートの脚本家テイラー・シェリダンが、ワイオミング州・ウインド・リバーに焦点を当てた本作。世の中から忘れられた“アメリカの闇”を描いたサスペンスで、劇中、アメリカ国旗が“逆さま”に登場していることから、「アメリカに対する“敵意”をさりげなく見せているわけですね」と話す。

「アメリカが先住民の方達を追いやり、たまたま(劇中で描かれる一族が)ウインド・リバーに押し込められていった。農業に適したところは、植民してきた白人たちが取り上げてしまうんです」と背景を説明し、アメリカの警察制度(徹底した自治体制度)や「親から切り離され寄宿舎で生活している子供達、コミュニティも破壊され人間関係もめちゃくちゃ。それは犯罪に走る人もたくさんいるでしょう」と、ウインド・リバーに置かれたアメリカ先住民の悲惨な状況を説明した。

続けて、「このような映画が作られること自体がアメリカにとって画期的なことだと思います。いま問題になっているのが、切り離されていた親子を一緒にさせること。子供が、すでに母親の顔がわからなくなっていることが報道されているんです。自分の母親に気づかない子供たち、これがアメリカで大変大きな問題になっているわけです」と述懐した。

最後に「脚本の巧みさ、娘を亡くした父親、後悔の念。本当にいろんなものが見えてきます。いま現代のアメリカ先住民の悩みが人間ドラマとして観ることができると思います」と作品をアピールした。

映画『ウインド・リバー』は7月27日(金)より角川シネマ有楽町ほかにて全国公開

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作品情報

ウインド・リバー

ウインド・リバー

4.1
2018/7/27(金) 公開
出演
ジェレミー・レナー/エリザベス・オルセン/ジョン・バーンサル ほか
監督
テイラー・シェリダン